機動戦士ガンダムフェニックス   作:オリシロ

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 ギレンの野望をプレイしてるとGジェネ機体が出た事もあるからギレンの野望オリジナル機体を出すのはセーフなんじゃないか?
と決意が揺らぐ…
MSはビルゴ系が一番好きです。
プラネイトディフェンサーの防御力とビームキャノンのそこそこの火力が魅力ですね。
なんだかんだ言ってワンオフ機よりも高性能量産機にロマンを感じる。




惑星を灼くもの

 ガイアコロニー内部のクロノス基地執務室はペルサス政府高官御用達の荘厳なものとは程遠く実務的で全く飾り気がない。

 調度品は最低限に留められ唯一の私物はデスクの縁に置かれた妹と姪の写真が収められた写真立て程度のものだ。

 エイブラムが不意に目を細めその写真を書類の山から掴もうとすると不意にドアがノックされた。

 

「エイブラム大佐…ブラッド技術少将がお見えになりました。」

 

「ん?予定に無いが…」

 

「可及な案件との事であります。」

 

「そうか、お通ししてくれ。」

 

 ドアを開けた男は白い軍服に身を包み青白い顔からは鋭い眼光が物珍しげに執務室を見回していた。

 

「エリュシオンへようこそ、ブラッド技術少将。粗末な執務室で申し訳ありません。」

 

「いや、政府の役人共の執務室よりは此方の方が好ましい。連中は書類に目を通す事もしないだろうからな…」

 

 そう言うと互いに握手を交わしたがエイブラムはこの男を内心あまり良く思っていない。

 この男の名はペルサス政府内では知らない者はいない。

 現在では大規模な事故という事になっているが10年前、ペルサス政府の中央集権的な政治に不満を持ったコロニーの抗議運動は政府の煮え切らない対応に業を煮やし鎮圧作戦が発動される迄に至りコロニー居住部にまで及ぶ過剰な鎮圧作戦の結果コロニー内の生存者は数える程しかいなかった。

 その鎮圧作戦の総指揮をとっていたのがこの男、ブラッドである。

 

「ペルサス政府軍直属である貴方がどの様な御用で…」

 

 書類の山の上に置かれた一枚の写真を見たエイブラムの表情は途端に険しいものとなった。

 

「我がペルサス政府軍研究機関において開発中のMSが賊軍によって奪取され、地球軌道に移動する機体を我が軍の衛星が捉えた。」

 

「『ナナハチ機関』がアレを開発していた事は知っていました。やはりそういう事ですか…」

 

「ほう、鼻まで効くとはな…」

 

 煮え切らないブラッドの態度に思わずエイブラムは机を叩き積み上げられた書類が雪崩の様に崩れ落ちる。

 

「技術少将殿はエリュシオンを地球の二の舞にするおつもりですか!!」

 

 その気迫に対してブラッドは眉一つ動かさずに無表情で窓の外、放射線防止材に埋め尽くされた空を見据える。

 

「このマン・マシーンはペルサス政府による容認を経て開発している。遥か地球圏から我々に追い縋る脅威に対抗する為にな…」

 

「それは詭弁です!忌まわしい地球圏の技術をエリュシオンに持ち込むなど狂気の沙汰だ!」

 

 不意にブラッドの鋭利さをもった目がエイブラムを睨み返す。

 

「勘違いしてもらっては困るな大佐…君達の任務はエリュシオンに潜伏する賊軍の鎮圧、及びガイアコロニーによる治安維持だ。我々の決定事項に口を挟む事ではない」

 

 向かい合う両者の間には最早穏健的なムードは一切介在せず、これ以上の言葉は不要とブラッドの口火が切る。

 

「改めてペルサス政府軍の命令を伝達する。クロノスは可及的速やかかつ極秘裏に彼のマンマシーンを回収せよ。」

 

「…了解しました。しかし」

 

 白いコートを翻し背を向けるブラッドに対してエイブラムは攻勢に出る

 

「我々クロノスは独自の行動を取らせて頂きます。」

 

「何?」

 

「我々はエリュシオンの治安維持に辺り独立した命令系統をもつ組織である事をお忘れなきよう…如何にペルサス政府といえど大気圏の中で勝手な真似は慎んで頂こう。」

 

「そうか。残念だよ、ラムザット大佐。」

 

 退室するブラッドの背中を見送るとエイブラムは溜め息をつき椅子に腰掛け写真立ての手前に落ちたブラッドからもたらされた写真を手に取る。

 

「我々の世界には必要無いのだ……『ガンダム』など!」

 

 写真に映る人間のものを真似た双眸がまるで此方を見つめ返す様に感じたエイブラムは憎悪に顔を歪め不快感から写真を握り潰した。

 

 

 

 ブラッドは押し込める様に充てがわれた部屋の中、アタッシュ・ケースに収納されたケースの通信機を作動させた。 

 

『お早い連絡ですわね。私の仰った通り、扱い辛い男でございましたでしょう?』

 

「フン、予定通り艦隊を降ろせ。ガイアコロニーを、占領するぞ。」

 

 

サラマンドラから次々と射出される機体は何れも自力で飛行する能力を持たない為にフライターと呼ばれるSFSに立て膝をついた状態で上に乗る事で大気圏を飛行する。

 

「グロスバイ全機射出完了!続いてガウェイン発進準備よろしいか?」

 

「こちらは問題無し、発進準備良し。」

 

 オペレーターの問い掛けにエルフリーデの張りのある声が返る。

 

「貴方はいつもいつも…ノーマルスーツも着ずに何の準備が出来ているというのですか?」

 

 ブリッジからのニキの言葉にエルフリーデはふんと鼻で笑うと不敵な笑みを向ける。

 

「私は必ず帰ってくるのだ、必要なかろう?」

 

「あなたという人は…」

 

「それよりもニキ、エイブラム司令からの命令は目標の破壊で間違いあるまいな?」

 

「えぇ、間違いない筈です。しかし大尉、貴方は公私というものをまるで…」

 

「エルフリーデ・シュルツ、ガウェイン。参る!」

 

 ニキの小言が始まった事を長年の経験から察すると直ぐにプランタムのスラスターを瞬かせ白銀の機体を夜空に飛び出させる。

 

「命令は目標の破壊。私に相応しい相手だといいな…」

 

 エルフリーデは機体の感触を確かめつつも強敵との闘いの予感に高揚を隠せずにいた。

 

 

 ビームサーベルの光が交錯し、その周囲をファンネルが敵を狙いすます様にビームを放つがそれは敵のファンネルによって妨害される。

 それによって2機の周囲は光線の球が形成され未だお互いの敵に直撃させる事が出来ずにいた。

 

-アナタハ…ダァレ?

 

 その声は思考を邪魔するように甲高く響き自らの自我を形成し始めているのが伝わる。

 元々私達は同じ場所で生まれたらしい。

 人間で言えば兄弟と言えるが今はこうして異なる目的の為にこうして殺しあう。

 だがこれも『ガンダム』と呼ばれるマシンの宿命なのだと思えば人間の様に感傷に浸る事もない。

 目標を破壊する、ただそれだけの事を考えればいい。

 しかし、ヤツの機体性能は此方を凌駕している為に徐々にファンネルが押し負け、機体に敵のファンネル攻撃が掠め始める。

 最早、手段は選んでいられない。

 

 

 機体のナノマシンを開放すると装甲を形成している装甲ナノマシンが超高周波振動するため表面が剥離しあたかも機体が炎に包まれている様に見えるだろう。

 ヤツもまたナノマシンを開放し、機体を蒼白い炎に包ませている。

 機体の運動エネルギーと共に励起したナノマシンを以てヤツに叩きつけるべく自らをMA形態に変形すると同時に流星の様に光りを放ちながら高速で敵に衝突させる。

 ヤツもまた同じ様にMA形態に変形すると光を放ちながら此方に凄まじい速度で迫る。

 ヤツもまた本能的に感じているのだろう、知っているのだ。

 ナノマシンを消滅させる事が出来るのもまたナノマシンである事を…

 




《フライター》
自律機動可能なSFS。主にガイアコロニー間での物資輸送の他、MSを運搬する機動力となる。

《プランタム》
バルカン砲
拡散ビーム砲 
(ミサイルポッド)

クロノスの自律制御型の汎用MA。主に大気圏内外での威力偵察に用いられる。

《ガウェイン》
ビームソード 
ミサイルシールド
 コロニー内での戦闘を想定して開発された試作機をエルフリーデ大尉の希望により、一部の外装と塗装パターンの変更を施した専用MS。白兵戦闘能力に特化しており、火力自体は必要最低限であるが重力下において大型ビームソードを携行したまま高い瞬発力と軽やかな動きを可能とする。

《グロスバイ》
ジャイアントバズ
マシンガン
ヒートナイフ
大型ヒートソード

 コロニー内等重力下における戦闘を考慮したクロノスの量産型MS。重装甲とホバー機動による高い機動性による白兵戦を主体とする。

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