二人の提督は海の果てを目指す   作:戦闘狂の道化師

3 / 3
二人の提督 大本営へ行く

深海棲艦隊の襲撃があった翌日二人は八人乗りの大きな車に乗り何処かへ出掛けていた。運転手は新夜だ。

「はぁ..毎度の事だが...俺だけ護衛が多いな」

 

「そんなことを言わないの愚兄。それだけ皆が愚兄を慕ってくれているって事なんだから」

 

「お前はいいよな、気楽で...」

そうぼやきながら運転している新夜の後ろには亜夜の秘書艦の霧島がおり更にその横と後ろには何故か...

 

「提督のお手伝いをしっかりするわよ~」

 

「司令は元帥どのに会いに行くだけだから手伝うことなんてないと私は思うんだけね」

 

「別に手伝うことがあるかどうかなんて関係ないわ!。私は提督と一緒にいられればいいのよ‼」

 

「私としては鎮守府にいた方がいいと思うのですが...」

第6水雷戦隊の暁、響、雷、電の四人がワイワイ騒いでいた。さて、なぜこんなことになっているのかと言うと昨日の襲撃の後の被害や消費した資材の確認のためお互いの第一艦隊を執務室に呼び出した時まで遡る。

 

 

~昨日の執務室~

 

「みんなご苦労だった」

 

「お疲れ様~」

帰って補給を済ませたお互いの第一艦隊を前に新夜と亜夜は労いの言葉をかけていた。流石に二つの艦隊が同時に部屋に入っているので部屋は流石に狭くなっているがそれを気にした様子も無いように二人は自分の艦隊の表情をみた後に新夜は、後ろにいた榛名に被害状況の説明を求めた。戦場に出たとは言え新夜の乗っているボートを運転しただけなので補給の必要がなかった榛名に新夜達は海岸の護岸等の被害を確認しに行ってもらってきていたのである。

 

「護岸等の被害は今のところ見られていませんでした。ですがゆっくりと確認したわけでは無いので改めて明日榛名が確認しに参ります」

 

「そうか報告ありがとう。酷い被害は無かったのか...それなら明日から一日ほど鎮守府を空けられるか...」

新夜がそう呟くと亜夜が...

 

「えっ?何かあったかしら?愚兄?用事?」

そんなことを言う亜夜を新夜はうんざりしたように見ながら

 

「大本営に着任の挨拶をするために行くんだ。忘れたか?勿論お前も行くぞ」

その言葉に亜夜はえ~などと言ったが最終的に霧島に咎められた事もあり新夜と一緒に行くことになった。それを聞いていた暁が...

 

「提督‼明日私たちも着いていって良い?」

 

「私たちって電たちも含まれているのですか!?」

 

「一応聞いておくが駄目だと言ったら?」

新夜がそう聞くと...暁は少しうつむき泣くまでは行かなくとも眼に涙を溜めながら新夜を見上げ目を見つめていた。

 

「そんな目で見るのはやめてくれ...俺は女に泣かれるのは嫌いなんだ...」

 

「あ~あ、愚兄が暁ちゃんを泣かした~。霧島~貴女に預けたサイドバッグを貸してくれない?」

 

「これですか?提督?」

亜夜がそう言うと霧島は自分自身の腰に手を回し後ろに着けていたサイドバックをとり亜夜に手渡した。亜夜はそのサイドバッグを開け手をいれて暫くごそごそと漁ると中から執務室にいる駆逐艦の艦娘分の飴を出して駆逐艦の皆に配っていった。飴を受け取った暁以外の艦娘は亜夜にお礼を言うと笑顔で飴をなめだした。暁も涙目ながらお礼を言うと飴をなめながら『私は一人前のレディなのよ。この程度で泣いてはダメなのよ...』などと言いながら電の胸元に抱きついた。

 

「わかった。暁達の同行を許可しよう榛名はすまないが明日は提督代理として残っていてくれ」

新夜がそう言うと暁は喜び榛名はかしこまりましたと頭を下げた。そうするととある新夜の艦娘が手をあげた。

 

「司令。私も着いていって良いですか?」

不知火だ。

 

「すまないが俺の護衛は暁達で十分だ。心意気は嬉しいが明日は鎮守府の防衛をしてくれ」

新夜が、そう言うと不知火は...

 

「なぜ駄目なのですか...?不知火に何か落ち度でも...?」

と言い出し私は不要なんじゃないかと不安がっているような目で新夜を見つめ出した。

 

「言い方が悪かったな。信用しているからこそ鎮守府を、守っていてほしいんだ...頼めるな?」

新夜がそこまで言うと執務室のドアが勢いよく開かれとある艦娘が新夜の前まできて机を強く叩いた。

 

「HEY‼トイトクー‼どう言う事ネ‼私を呼ばないで迎撃に出撃するなんて‼」

金剛だ。金剛は新夜の艦娘で置いていかれたことに不満をもっているようだが彼女の性格を考えると出撃前にすぐ来て文句を言ってきそうなのだが来なかった分新夜の事を思って成長しているようだ。

 

「仕方ないだろ...今は資材が少なくてお前達戦艦を出す余力は無いんだよ...お前は、自分がのけ者にされたと思っているかもしれないがお前にはお前の仕事がある。その仕事をやってくれるなら茶会に参加しよう」

この言葉から分かるように新夜はあまり金剛と榛名と一緒にお茶会をすることはあまりない。その為そう言われた金剛はやる気を出して鎮守府に残ることになりその場で全員解散となった。

 

~現在~

 

「そういえばお前は誰に提督代理を頼んだんだ?」

 

「睦月だよ?」

 

「大丈夫なのか?あの子で...?」

そんな話をしながら車を走らせていくと一際大きな建物が見えてきた。

 

「暁ちゃん‼あれが大本営だよ‼」

亜夜がそう言うと暁達は歓声を上げながら手を叩いたししだした。暁達がはしゃいているのを音で感じながら新夜は大本営の前まで車を走らせ門の前に止めた。すると近くにいた警備兵が車にすぐさま近寄ってくる。

 

「なんのご用ですか?」

 

「横浜の横須賀鎮守府に新しく提督として着任した海堂 新夜だ。こっちは同じく提督の海堂亜夜だ。着任の挨拶をする為に来た」

お互いに敬礼をしながらそう話すと憲兵はすこし驚いた後直ぐに門を開け通してくれた。その様子に霧島達、艦娘は不思議そうにしていたが気にせず新夜は車を走らせて大本営前の駐車場に止め車から降りた。

 

「ねぇ、提督?何であの憲兵はあそこまで提督達が来たことを驚いていたんだい?」

響がそう聞くと...、行けば分かるさと言って新夜と亜夜が昨日の襲撃時にも持っていた鞄を持って大本営に入って行ったので急いで響達も後ろを着いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 




さて憲兵さんはどうして驚いたのでしょうか...?。その秘密は次回明らかになり予定です。お楽しみに~
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。