久々の投稿なんでやることを確認しました。
今更ですが、亀になりますよ。
ーエシャルー
ホリンがモヤモヤしとるが、まぁ大丈夫だろう。最初は悪い方向にモヤついていたが、今は良い方向にモヤついているのだからな。とりあえず、この地が負の地だろうが関係ない。レイミア達は喜んでくれているし、特殊な地故に教団の手も入っていない。俺が反応しないんだから、確実に奴等はこのティルナノグの存在に気付いていない。それはとても素晴らしいことなのである、…俺的に。
今は全体的に暗いティルナノグ、いずれは活気溢れる地にしてみせる。単純にトラキアから人を呼び、関わらせていけば自ずとそうなるだろう。この地をあまり知らない、もしくは知らない者と関われば少しは何かしらの感情が出てくると思う。そこから食事でもいい、娯楽でもいい、人生まだ捨てたモンじゃないってことが芽生えれば…。この地に流れ着く前の気持ちが甦れば、きっとこの地は生まれ変わる。希望の光を見せてやれば、人はきっと前へと進む。
…ティルナノグの今後に思いを馳せつつ考える、生まれ変わったとしてもこの地は隠れ里のままにするべきだな…と。調査に来た俺達だが、先に述べたと思うがイザークの滅びは確実と言える。そしてこのティルナノグ、忘れられた地は俺達にとっては都合の良い地。この先どうなるかは分からんが、俺の知る歴史通り動くとしたら重要になる地だからな。隠し通せるのならば隠し続けたい、しかしながらこの地に少しでも希望が芽生えれば? この地の力が、忘れられた地としての機能が無くなるかもしれない。
隠れ里のままにするにはどうすればいいのか? そう考えると彼女の顔が浮かんでくる、そう…ディアドラだ。彼女はヴェルダンの隠れ里出身だ、このティルナノグによく似た精霊の森のな。選ばれた者以外は決して辿り着くことが出来ない、そういう術式を森全体に施されている。人払いの術、…ディアドラもその術を使えるらしい。その術をこの地に使えたら、ティルナノグは隠れ里として機能する筈。上手くいけば忘れられた地の特殊な力と合わさり、更に強力な人払いとなる…可能性がある。まぁこの地の特殊な力は消える可能性がある故に、何とも言えんが。
俺の考えたことが実現可能かディアドラに聞いてみたところ、
「エシャル様もお気付きかと思いますが、ティルナノグには何人も侵すことの出来ない力が宿っています。…邪気を拒む力ですので、人払いの術は有効かと。ですが…私だけでは魔力が足りません、それと幾つかの魔石が必要になると思います。」
実現可能ではあるものの、魔力が足りないらしい。それと要所要所に魔石を配置しなければ、強い効力が発揮出来ないんだって。…やはり人員と時間、物資が必要になるか。人員と物資は何とかなるものの、時間は…今の段階では無理だわな。とりあえず人員と物資だけでも準備をしておこう、術を施すのは調査が終わってからでも遅くはない。
だがなぁ…この地に宿るは負の力、俺的にそう感じるんだよね。ディアドラ的には邪気を拒む力、…そう感じるらしい。何で俺は負だと思い、ディアドラは邪気を拒むと思ったのだろうか? その違いを考えると一つのことに辿り着くのだが、まぁ何となくは予想が付くだろ?
………闇、それが答えなんだと思う。俺の身体に潜むナニカは闇、故に邪気が多少は含まれるが為に不快感を覚えて負の力だと思ったんだろう。逆にディアドラは光、邪気が無い為に清き力…邪気を拒む力だと。そう考えると、このティルナノグは何かしらの聖地になるのだろうか? …その内、この謎を調べたいと思う。
ティルナノグの件は追々やるとして調査の件だ、確か…リボーだったな? 始まりはそこの暴虐からだった筈だが、他に不穏な空気を発する場所はあるのだろうか? ヴェルダンとシレジアの情報には不自由しないが、その他の国の情報にはやや疎いのが現状だ。俺は立場的に色々あるし、自由に行動はしているけれど一応制限はしている。教団の影が色濃い国には近付かんし、教団が関わっていそうなことには極力首を突っ込まないようにしている。既に関わってしまっているヴェルダンは、行動を注視しているから問題ない。
…とまぁそんなわけで、俺はイザークの情報には疎い。故にそれを解決する為、俺以上にイザークを知る彼女達を連れてきたのだ。レイミア達にはこのティルナノグを紹介して貰った、…で肝心の情報はというと、
「リボー周辺は表向き…平穏ではあります、…不自然な程に。他の地域はそれでも小さな問題が発生しているのに、リボー周辺は何もかもが平穏なのです。」
妹のような存在であるティルテュ、彼女は色々と知っている。フリージ公爵家の姫様で俺に憧れて色々と頑張った結果、グランベルでは勿論のこと他国にも知られる程の才女となったのだ。
…何故彼女が情報に詳しくなっているのか? その原因は俺であるらしい。俺が死んだとされるあの事件、謎が多すぎる為に捜査が打ち切りになった。それを知ったティルテュはそのことに失望し、幼いながらも情報こそが重要と考えてレクスヴァとシャールヴィの力を借りて、彼女の為の諜報部隊を密かに結成させたんだと。…俺が死んだことで幼子のティルテュが覚醒した、嬉しいやら悲しいやらって感じですな。まぁそれでも、俺の死の真相は分からずじまい。今思えば分からなくて良かった、ティルテュはそう言って笑った。…俺もそう思う、知ってしまったら殺されていたかもしれないのだから。
そんな彼女の諜報部隊からの情報によると、リボーは平穏なのだそうだ。何の喧騒もない平穏そのもの、不自然な程に。人々の小さな衝突すらなく、流されるように行動する様は人形のよう…だそうだ。だがその目には不穏なものが見え隠れしており、一定の間隔で黒ずくめの者がいるとのこと。…それを聞いた時、教団の手により最早止めることが出来ない所まで来ていると改めて思った。
しかしながら、
「よくもまぁそんな最新情報を知っているものだね、直前に伝書でも届いたのか?」
リボーの情報が凄い、あんな危険な場所に潜入している者がいるのかね? とティルテュに聞けば、
「その通りですエシャル兄様、たった今…魔導具より届いた情報です。たまたまイザークにいた彼が役に立って良かったかと、…年若い者ですが腕はレクスも認めています。万が一もないかと…。」
…魔導具とかってティルテュ凄いな! レプトールの親父さんの親バカぶりには驚かされる。しかもたまたまとかって都合が良すぎる、…裏でレクスが指示していたな?
現地にいるのなら、どうにか接触出来んかね? と聞いてみれば、
「身の危険を感じてきたそうで離脱すると言っていました、…ですので彼に聞いてみます。」
…離脱か、…ではそろそろというわけだな? これから忙しくなるぞ、たぶん。
合流するしないはともかく、その命知らずの彼の名でも聞いておこう。興味本意で聞いてみれば、
「彼の名前はデューと言います、…エシャル兄様?」
…………デューだと!? ここ最近で一番驚いたことであった。
ティルテュがデュー君に問い合わせた結果、
「慎重に行動しないといけない為か、イザークであれば合流出来るかと。…他の場所ですと教団の目があり危険、イザークは継承者が数人いる為にその目はないとのことですが、…如何致します?」
………これは悩むな、うん。教団の目を掻い潜る為にはイザークでの合流が必須、しかしながら継承者がいることで共鳴は確実。ホリン情報では継承者マリクル王子は戦闘狂、共鳴しようものなら確実に絡んでくるとのこと。黒騎士ヘズルと知れば、それはもう笑顔で剣を交えようとしてくるらしいじゃん。隠密行動な俺達には、そういうことは大変よろしくない。
ないのだが…安全を考えると、俺はともかくディアドラの身を考えると…。教団の目を避ける必要があるわけで、…目立つのも戦うのも嫌だが、…仕方ないよな? その身で感じ、その目で見てきたデュー君に接触することはとても重要なことである。人伝よりも本人の口から聞けば、何かしらに気付けるかもしれんわけだし。決してティルテュを信用していないわけではないからな! そこは勘違いしないでくれよ?
安全性と重要性を考えた結果、イザークにて合流と決まった。マリクル王子の件は何とかなるだろう、…というかする。話せば秘密裏にやってくれるだろう、剣を交えることを条件にすればきっと…。そうと決まれば全員集合だ! 班分けをするからな!
みんなの意見を聞き考えた結果、イザークへ行くのは少数で俺とディアドラ、ティルテュにホリン、それとエーヴェル。剣の買い出しをカナッツ君、ノルン兵と傭兵の混成班。一応安全とはいえ警戒するに越したことがない為、レイミアをリーダーとした同じく混成班。この三つに分けてみた、カナッツ君とレイミアは兵を率いることには長けている、故に安心して任せられる。まぁ買い物と見廻りだから、二人にとっては拍子抜けかと思うけどね。でも地味に重要なことだから、手を抜かずにやって貰いたいと思う。根が真面目な二人だから大丈夫だとは思うが、心配はする。
ディアドラが一緒なのは当然のことである、常に俺が目を光らせ守らなければならない存在だからだ。たとえ目を付けられたとしても、この俺が傍にいる限りやらせはせんよ。ティルテュはデュー君の件もあるが可愛い可愛い妹分である、それと同時に頭もキレる故に頼もしい存在だ。それに剣を交えることになれば、彼女自身の勉強にもなる筈。剣の腕を上げたいと言っていたからな、そこはエーヴェルも同じである。彼女は弓使いウルの継承者ではあるが目覚めてはいない、いつ目覚めるか分からん状況故に傍に置いておく必要がある。継承者はぶっちゃけ重要なカードだ、万が一があってはならない。そう考えると弓だけでは自己防衛として心許ない、近接も使えるようにならなければならん。…で勉強も兼ねて連れてきたわけだし、本人も意外に乗り気であるからな。本人のやる気も尊重してあげたい、そういうことを踏まえての人選である。ホリンは言わずもがな、…この国出身の為に道案内である。マリクル王子のことも知っているし、未だモヤついているからな。…気分転換になるだろうよ、うん。
班分けも無事に終わり、俺達はイザークへ。ホリンに頼んで人目の付かぬ場所を想像して貰い、手取り早くワープで行くのだ。使えるものは使わねばならん、安全第一だしな! …がその前に、
「金を気にすることなく剣を買い揃えるのだぞ、カナッツ君! 強力な武器があれば起こるであろう動乱にて、我らトラキアが他国よりも躍動出来る。そしてレイミア、ティルナノグ…故郷の見廻りは任せた。出来ればでいいから、結界用の魔石を置くのに適した場所を探しておいてくれ。トラキアの栄光とティルナノグの未来が少なからず絡んでいる、手を抜かずにやり切ってくれたら嬉しい。…諸君、任せたぞ!」
改めてカナッツ君とレイミアに指示を出し確認、その他の兵と傭兵達に軽く激励を。
「「「「「はっ!!」」」」」
カナッツ君とレイミア達は揃って俺の命を受ける、その目を見ればやる気に満ちている。…良いことだな、これでトラキアの軍事力は上がり、世界に存在を知られることのない拠点が入手出来る可能性が…。
色々と思案しながらもやるべきことは忘れない、ホリンの想像も準備が出来たみたいだしな。
「…ワープ!」
俺はディアドラ達と共にワープでイザークへ、そこに待っているのは何なのか?
……でイザークに着いてみれば、
キィィィィィィィィィンッ!!
いきなりの共鳴に俺は驚く、目の前にいる黒髪イケメンも口を開けて驚いている。傍にいる美人さんも目を見開いており、ホリンの奴は俺に向かって土下座をかましていた。
……やらかしたな? ホリンよ!
近々デュー君が登場します。
それよりも先にマリクル王子とアイラが登場、ホリンが余計な想像をした為に鉢合わせ。
次話では、二人のどちらかとエシャルが剣を交えることになるかも。