ファイアーエムブレム~俺の系譜~   作:ユキユキさん

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兄貴ぃぃぃぃぃ!


第4話 ~さらば、マーファ城

ーエシャルー

 

ガンドルフと義兄弟になって3ヶ月ぐらい、色んなことをしたなぁ。

 

力くらべで負けた為、俺の実力が分からない。赤腕を倒したことから、弱いってことはないだろう。…ってなことで、ガンちゃんの部下と模擬戦したのさぁ~。キルソードじゃヤバイから、城下の武器屋で細身の剣を購入。スキルの必殺もヤバイから、発動すんなーと念じながら戦ったのだ。結果は圧勝、100人抜きを達成してしまった。流石のガンちゃんも、ひっくり返りましたとさ。

 

他国から流れてきたならず者、奴等が村にて悪さをしている。それを聞いた時、イラっときたので部下を数人借りてワープ。俺のエルファイアーが、ならず者を焼き払って村を救った。そん時一緒に来たガンちゃんの部下、…デマジオ君。悪党顔なのに瞳を輝かせて、

 

「エシャルの兄貴、一生付いて行きやす!」

 

とかなんとか。いやいや貴方の方が年上ですからね?しかもガンちゃんの部下でしょうが! と思ってみたり。

 

森の奥に勇者の泉? 湖? なんだか分からんけど、凄い場所があるとのことで。ワープを使わず、あえて歩いて行ってみた。途中、視線を感じたような気がしたが。到着してみれば、めっちゃ綺麗な湖で。…それだけだったが、一緒に来たみんなと釣りをして楽しんだ。魚を大量に持ち帰って、また宴。…飲んでばっかじゃないからね?

 

城下で買い物してたら、見知らぬ美少女とぶつかった。めっちゃ綺麗でドキドキしたのを覚えてる。その少女も俺を見て驚いて、猛スピードで逃げてった。美少女に逃げられた俺、猛烈ショックを受けました。

 

「兄貴は畏怖されて当然、逃げるのは罪じゃねぇ。…ですよね? 兄貴!」

 

と、後ろに控えたデマジオ君の言葉。他の奴等も頷いてはいるが、

 

「お前らが悪党顔なのが悪いんじゃ! 俺じゃない、お前らが悪いんじゃ!」

 

とキレて、デマジオ君達を追いかけ回した。

 

そんなこんなで、ヴェルダン王国マーファ城。ここの部隊は俺のせいか、王国最強の戦士団になったっぽい。ガンちゃんが喜んでたっけ。…済まぬシアルフィ軍の方々、貴方達の相手を強化してしまいました! 未来がどうなるか分からんけど、すんません!

 

 

 

 

…本当に、今となっては良い思い出。そんな地を俺は今日、旅立つのだ。俺は旅人で逃亡者、1ヶ所に留まること等してはいけない。3ヶ月、わりと長くいたけど。………やべー、思い返せば返す程泣けてくる。旅立つ準備を終えて、物思いにフケていると、

 

「エシャル…、準備は終わったのか?」

 

そんな俺に、ガンドルフが声を掛けてきた。

 

俺は立ち上がり、ガンドルフに頭を下げる。

 

「ガンドルフ…いや、兄貴。今まで世話になった、…ありがとう。旅立って兄貴達と離れるのは寂しいけど、これもまた俺の道。新天地でも楽しく生きる予定だからさ、笑って見送ってくれよ?」

 

「当たり前じゃねぇかエシャル、…俺の義弟よ。なんかあったら帰ってくりゃいい、ここによ…。グランベルだろうが、親父達が何と言おうが、俺は味方だ。それにお前程の男が、どうにかなるってーのは想像出来ねぇからな。安心して見送るってもんよ。」

 

そんな言葉、泣いちまうぜ兄貴! 俺は真っ直ぐ、ガンドルフを見る。ガンドルフはぎこちない笑みを浮かべている。ホロリと俺の目から、涙が零れ落ちる。

 

「兄貴ぃぃぃぃぃ!!」

 

「義弟ぉぉぉぉぉ!!」

 

俺とガンドルフは抱き合って泣いた。……これは兄弟愛だからな! 薄い本を作んなよ!

 

 

 

 

お互い泣いてスッキリ爽快、大勢引き連れて城下から門へ。城下の民達もついてくる、…くぅ~泣ける! そして門に辿り着いた俺は振り返り、

 

「ここまででいいぜ兄貴達、俺にはワープがあるからさ。ワープがあるからいつでも戻ってこれるが、…当分は戻ってこないからな。これから先、何があるか分からない。俺は強くならなきゃならんからな。…甘えは禁物ってわけさ。」

 

ニヤリと笑ってそう言った。

 

「そんなこたぁ分かっている。くだらねぇことで帰ってきたら、ぶん殴るからな。覚えとけよ!」

 

ガンドルフもニヤリと笑って言う。

 

「分かっているさ兄貴、そんなことはさ。まぁ新天地でヴェルダンに何かあったって情報を聞いたら、すぐ帰ってくるから。デマジオ君達も、兄貴をしっかり支えてくれよ!」

 

「「「「「へい!エシャルの兄貴!」」」」」

 

俺はその返事を聞いて満足、踵を返してみんなに背を向ける。

 

「じゃあな第二の故郷。…みんな、また会おう!」

 

と歩き出す。そんな俺に…、

 

「エシャルの兄貴ぃぃぃぃぃ!!」

 

「エシャル様、ありがとう!」

 

「いつか帰ってきて、また飲みましょうや!」

 

「平和をありがとう!」

 

「「「「「エシャル! エシャル! エシャル!」」」」」

 

様々な声を背に受けて、俺は…俺は…!

 

「うぐぅ……!」

 

涙を堪えるのがやっとだった。これは辛い、辛すぎるぜ! みんなが見送ってくれてる中で、これをやるのはよくないかもしれない。だけど…分かってくれるよな! どこに行くか分からんけど、とりあえず…ワープ!

 

 

 

 

マーファ城から見送るガンドルフ達の目の前から、エシャルは魔法陣の中に消えた。彼がこの地を再び踏む日は、一体いつになるのだろうか? 願わくは、平和な世でありますように…。




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