「ゲコ太………だっけか?」
「えっ? う、うん。そうだよ………」
偶然出会った少女は、少し挙動不審にしていたので、話し掛けてみた。どうやら、このパジャマが欲しかったようだ。
「中学生にもなってそれは…………」
「だって可愛いんだもん!!」
「そ、それともボクが持つのが嫌なの!?」
「嫌とは言ってないぞ。ただ年齢と趣味が比例してないと言ってるだけでせう」
「ボ、ボクが子供っぽいって事?」
「うん」
しまった。つい本音を言ってしまった、と後悔する。前みたいに怒らせてしまったか? と思い、うつむいた顔を見る。御坂の顔は、
「………………う………ううぅ………」
泣きそうになっていた。不味い。非常に不味い。まさか紳士(自称)で有名な上条さんが泣かせてしまうなんて………と、今更自分が言ってしまったことを猛反省する。とにかく、謝らなければ。
「みみみ、御坂!! ご、御免な!!?」
「別に悪気があって言った訳じゃなくて!!」
何度も謝ってはみたものの、効果なし。どうしたら許してくれるのか? 考えてはみるが、上条さんの頭では思い付かない。
「その、えっと、あれだ………」
「み、御坂が着たらきっと似合ってるだろうな!!」
それを言った瞬間に、御坂の動きが止まった。ヤバい、また地雷を踏んでしまったか? と思ったが、全く違った。御坂からの返事は予想外だった。御坂はこちらを向き、
「………………………本当?」
「ああ、ほ、本当だ!!」
「…………………………………えへへへ/////」
「そっかぁ………ボクが着たら似合ってるかなぁ?」
嬉しそうに顔をニヤつかせている。どうやら、機嫌を損ねるような失態は犯さなかったようだ。俺が良かった~、と思っていると、御坂が
「ねえねえ………えっと………ツンツン?」
「ツンツンじゃないでせう!! 上条! 上条当麻!!」
「ん~っと、じゃあ………上条だね!!」
まったく………御坂も似たようなもんじゃないか。ビリビリ言ったら怒るくせに、ツンツン言うのかよ。とか思ったけど、ツッコムのも面倒なのでやめた。
「さっき酷い事言ったよね!!」
「子供っぽいとか~」
「ああ………その、すまん。御坂」
「ふっふ~ん。許してほしければボクのお願いを聞いてほしいな♪」
めんどくさい………とも言えず、逃げる訳にもいかず、断るのも気まずいし………それで結局、
「ゲッコ太♪ ゲッコ太♪」
「御坂~、まだ買うのか?」
「うん♪ ボクまだ欲しいの沢山あるんだもん♪」
買い物に付き合わされている。本当は断っても良かったのだが、断ろうとする時の御坂が、
『やだやだやだ!! ぜーったいに、断るの禁止!!!』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
御坂が自分の気持ちに気付くのは、もう少し先の事。上条が御坂の気持ちに気付くのは、まだ果てしなく先。
「上条~、ボク疲れちった………おんぶして?」
「やだよ。つーか、荷物持ってるの俺なんだけど?」