乾巧は四度目の生を生きる   作:北崎二代目

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旅が終わるのでちょっとだけファングたちの独自設定。※飛ばして読んでも構いません。本編でその内語られるかもしれないので。

ファング 二十歳 自由を求め旅をする男。かなりの剣の腕を持つ。実はバイクと車の免許は持っているが面倒だから巧には言っていない。

乾巧 十八歳 記憶を求め旅をする男。喧嘩慣れはしているようだが丸腰のためモンスターとの戦いは不得手。猫舌で熱い物が苦手。持っていた携帯に懐かしい既視感を感じている。

ブレイズ ファングが旅を始める時に彼が手に入れたフューリー。ファングの故郷では選ばれた戦士のみが扱えると言われていた。

キョーコ ファングが旅の途中で手に入れたフューリー。とある民族の御神体として讃えられていたが本人は幼く自由を求めていたため嫌気が差しファングについて行った。

 後々ブレイズとキョーコとの出会いはやろうと思っています。


牙は暗殺者と、狼は狐と出会った

「ようやくゼルウィンズ地方に着いたぞ!」

 

 サンドミージより三日。ファングたちはついにゼルウィンズ地方に到着した。ファングは感極まったように大きく伸びをした。ここはゼルウィンズ地方の末端の小さな街。街のどこかに使い手を待ち受けているフューリーが眠っているという伝説がある以外はなんの変哲もない街だった。もっとも今の二人には知る由もないのだが。

 

「・・・・・・あー、疲れた」

「運転お疲れ」

 

 大喜びのファングと違い巧のテンションはあまり高くない。ただ後ろに座ってるだけのファングは楽だが巧はここまでずっと運転をしてきた。疲労の差は段違いだ。バイクから立ち上がると巧は軽くストレッチをする。コキリと関節のズレが戻る音が鳴った。

 

『でここからどうするのだ、ファング?』

「・・・・・・実は何も決めてねえんだよ」

「はあ? この一週間はなんだったんだ!?」

「いやあ俺も最初は色々考えてたんだけど気づけば来ることが目的になっちまった。はは、わりいわりい」

 

 巧は思わずため息を吐いた。薄々感づいてはいたが外れてほしいと思ってた予想がぴったりと当たったからだ。流石にファングと出会って二週間近く経てば彼がどういう人か分かるようになる。この男は本能で生きるタイプだ。その時その時何をすれば良いかを迫られた時の判断力はとても優れているがその反面計画性は微塵もない。欲望に忠実な男。ここまで考えて自分もあまり彼と変わらないことに気づいた巧は更に深いため息を吐いた。

 

「過ぎたことは仕方ない。とりあえずどこか宿に・・・・・・!?」

 

 巧の言葉が続くことはなかった。それを聞く相手がいないからだ。ファングもブレイズもキョーコも誰もいない。神隠し。その言葉が瞬時に脳裏をよぎったが巧は首を振る。それはありえない。ブレイズだけなら分からなくもないがファングとキョーコもいなくなったのなら可能性は一つ。

 

「・・・・・・あのバカ迷子になったな」

 

 巧は今日三度目のため息を吐いた。どうせ腹が減って食べ物のニオイにでも釣られたのだろう。考えるだけで馬鹿らしかった。

 

 

「おっさん、このクレープくれ」

 

 巧の予想はほとんど当たっていた。巧が頭を抱えてる内に腹がすいたファングは甘いニオイに釣られて少し離れたクレープ屋に来てしまった。・・・・・・巧の存在など忘れて。

 

「あいよ」

「げ、金がもう残りすくねえ」

 

 財布の中身を確認するとほとんどすっからかんだった。途中で倒したモンスターの爪や毛皮を売らないと今日の宿すら泊まれない量にファングは顔を歪める。

 

「ま、いいや。お~うっめえ!」

『いいな~わたしもたべたいな~』

「今度買ってやるよ。・・・・・・あれ、巧何処行った?」

 

 空腹が満たされたことによって視野が広まりファングは巧がいなくなったことに気づいた。

 

「ま、まさか神隠しか?」

『お前、それはふざけているのか? それとも本気か? どちらでも一度病院に行け、阿呆』

「たく冗談が通じない奴だな。どうせ迷子だろ。巧のやろうどこ行きやがったんだ?」

 

 もしこの世に民主主義が存在していなかったら間違いなくファングが迷子と言われていただろう。ファングはブレイズたちといて巧は一人。悲しきかな客観的には巧が迷子という訳だ。

 

「おーい、巧! 何処だー?」

 

 人通りの少ない公園にファングの叫びは虚しく消えていく。

 

「あのヤロー知らないところに来たら勝手に動くなって親に教わらなかったのか」

『まったくもってそうだ。俺はお前の親の顔が見てみたい』

『たっくん、どこいったのかな?』

『何処かに行ったのは俺たちだが?』

 

 ブレイズはため息を吐いた。自分がいながらこのような事態になったことをふがいなく思う。

 

「・・・・・・」

「あん?」

 

 ファングは誰かの視線を感じる。振り向いてもそこには誰もいない。

 

『ファング、どうした?』

「・・・・・・最近視線を感じることが多くてな」

 

 ファングはここ数日誰かにつけられている気がした。正体不明。気がつけば誰かに見られている。そんな状態が続きしばらく夜しか眠れなかった。

 

『我らを狙う輩か』

「殺殺殺」

「いや、俺個人な気がする。お前らを狙ってんなら機会はいくらでもあったはずだ」

「殺殺」

 

 例えば夕食中にファングが席を外した時。そういう時にフューリーを狙えばファングはいない。その時に注意を向けなければならないのは巧やブレイズ。にも関わらず相変わらずその視線はファングに向いていた。 

 

「殺殺殺さぁーつ!」

「ってうるせーよ! なんだよ、さっきから! ・・・・・・誰だよ、お前!?」

 

 ファングの後ろで叫んでいたのは一人の少女だ。フードを被った陰気な雰囲気を纏った少女。顔は、よくみえない。だがフードの下から赤銅色の瞳がファングを睨んでいる。

 

『今更か? その少女はずっとお前の周りをうろついていたぞ』

『てっきりファングのおともだちだとおもってたのに』

「殺殺殺殺殺・・・・・・!」

「知らねえよ。ダチだとしたら平然と無視してた俺はただのアホじゃねえか」

 

 少女はファングがクレープ屋に向かっている所からずうっと彼を追いかけていた。食べ物のことになると周りが見えなくなるファングはそのことに気づいていない。仲間の巧まで忘れているのだから当然といえば当然だ。

 

『・・・・・・なにを今更』

 

 ブレイズが鼻で笑った。

 

「ぶっ飛ばされてえか」

『そんな暇があるのか。警告だ。前を見ろ。でないとぶっ飛ばされるぞ』

「は?」

 

 ファングの目の前に鎌が迫っていた。

 

 

「ファングの奴、どこに行った?」

 

 巧はファングを探していた。ファングがいそうな食べ物を辿って。巧の予想は間違えていなかったが唯一誤算だったのはファングが釣られたのはクレープの匂いで巧が追いかけているのはたこ焼きの匂いだったということだ。結果、巧はファングと真逆の方向を進んでいた。誰もいないたこ焼き屋の目の前で巧は舌打ちした。

 

「たく、ここにもいないとなるとまた面倒ごとに巻き込まれたんじゃないか。まさか食べ物に釣られたって考えは間違いだったのか?」

 

 両方正しかった。

 

「なあ、おばちゃん。俺より少し上の男見なかった?」

 

 もしかしたら更に移動したことを考慮し、念のため巧はたこ焼き屋の店主に確認する。

 

「・・・・・・今日はまだあんたしか見てないよ。あいにく今日は客の来ない日だからね」

「今日ってか、こんな人通りなさそうな場所じゃ客なんて来ねえだろ」

「あれを見てみんしゃい」

 

 店主は串である場所を指した。巧はその先を追う。そこには・・・・・・

 

「あれは・・・・・・フューリーってヤツか」

 

 それは岩に突き刺さった一本の剣であった。ノコギリのような凹凸が特徴でブレイズたちの三倍は大きい少し歪な剣。どうやったら岩に突き刺さるのか少し疑問だった。

 

「あれ目当ての観光客で休日は儲かってるんだよ」

「なんなんだよ、あの剣」

「あの剣を抜いた者は勇者になれると言われ、願いを叶えられるらしい」

 

 やはりフューリーだ。フューリーを100本集めた物は願いを叶えられるという伝説とぴったり当てはまる。しかし、勇者=フェンサーという図式には首を傾げた。願いを叶えるために時には争いもするフェンサーに勇者の資格があるとは思えない。

 

「あんたも抜けるか試してみな」

「え、いいよ。面倒だ」

「年寄りの言うことには黙って従いな」

 

 店主に促され、しぶしぶ巧は剣の前に向かった。

 

「どうせ抜けないだろ」

 

 巧は剣を掴みぐっと力を入れる。

 

「ほら、やっぱり抜けな、い・・・・・・うっ!」

 

 巧の身体から力が抜けた。彼の頭の中を唐突なイメージが襲う。

 

 

 

────強大な光の化身と闇の化身が剣と剣を打ち合う

 

────黒い服を着た青年と白い服を着た同じ顔の青年が争う

 

────黄金に輝く果実を巡って鎧武者と騎士が怪物を引き連れて戦争を始める

 

 巧は思わず頭を抑えた。フラッシュバックの後のようにチカチカと視界がぼやける。彼の存ぜぬ話だがこれは神々の、あるいは神になる者の戦いの記憶であった。巧が見たのは幻。幻であり現実。全て過去に起きた出来事だった。

 

(なんだ、これ。俺は何を見た・・・・・・。訳が分からないはずなのに『受け入れてる』。俺はああいう存在を知っているのか? 特にあの鎧武者には見覚えがある、気がする。くそ! 頭が割れるように痛い!)

 

 巧は立つことが出来なくなり膝を着く。眠っている記憶が引きずり出される感覚を感じる。乾巧。18才。『夢の守り人』。『狼』。『×××』の適合者。断片的なキーワードが頭の中を疾走する。

 

「あの、大丈夫ですか?」

「・・・・・・あ、ああ」

 

 体調が悪そうな巧の肩を少女が優しく叩く。見上げると顔を不安に染めた可愛らしい顔立ちの少女がいた。

 

「ご無事で良かったです」

「心配かけて悪かったな。お前は・・・・・・」

 

 巧は改めて少女を見た。なんと彼女は狐の耳を生やしている。しかもこの世界には珍しい和服に割烹着の出で立ちをしていた。巧にとっては二重の意味で懐かしい服装だ。

 

「これは失礼しました。私は果林と申します。趣味は折り紙の『妖聖』です」

「・・・・・・俺は乾巧。趣味は特にない。人間だ」

 

 巧はズボンに付いた砂をパッパッと払う。彼にはやることがある。さっさとここから立ち去りたかった。心配してくれた少女────果林には悪いが早いところファングを見つけなくてはならない。

 

「・・・・・・巧さんは本当に人間なんですか?」

「っ!? どうしてそんな分かりきったことを聞く」

「いえ、私がここに来たのは仲間の気配を感じたものなので」

 

 心臓を鷲掴みにされた気分だ。巧は表情に出さないように努める。大丈夫だ。妖聖とアレに関係はない。

 

「それならこの剣じゃないか? これがフューリーなら同じ妖聖だろ」

「・・・・・・むー。私の気のせいでしょうか。この距離でようやく分かる微弱な気配を感じとれたとは・・・・・・?」

「じゃあ気のせいだろ。悪いが俺は人を探してるんだ」

 

 これ以上果林といると『あの姿』がバレないか気が気でなかった。ここは逃げるが勝ちだ。

 

「ああ、待って下さい。私も人を探してるんです!」

「お前も仲間が迷子か? 食べ物の匂いにでも釣られたんだろ、多分」

「あの子がそんな理由で姿を消すとは思えません。もし見かけたら教えてください。『エフォール』という名前で私と同じくらいの可愛らしい顔立ちの女の子なんです。殺殺としか言わないので見かけたら分かると思います」

 

 札札? 金でも欲しいのか。巧は疑問に思った。まあファングのついでに探してやろう。お礼の変わりだ。

 

「あ、あんた無事だったかい? 急にしゃがみ込んだからどうしたかと思ったよ」

「ああ大丈夫だ。おばちゃん、たこ焼き一つ」

 

 色々とあって巧も少し腹が減った。手持ちに余裕はあるし買い食いくらいはファングも文句は言うまい。というより買い食いに文句を言う権利はファングに存在してない。

 

「ちょうど出来たてだよ」

「あ、悪い。冷めたので頼む」

「なんだい、変わった子だね」

 

 猫舌だから仕方がないだろ。言いたかったがバカにされそうだから黙っておく。

 

「私も冷めたのを一つ、ください」

「お嬢ちゃん、あんたもかい?」

「・・・・・・猫舌なので」

 

 果林が照れ笑いを浮かべながら言う。巧はまた心臓を鷲掴みにされた気分になった。なるほど確かに仲間だ。

 

「おい果林、これは俺が奢る。あとエフォールって奴を探すのも手伝ってやる」

「え? 良いんですか」

「遠慮するな。わざわざ心配かけた詫びだと思ってくれ」

「あ、ありがとうございます!」

 

 巧は満面の笑みを浮かべる。妖聖果林。彼女はこの世界で初めて巧の心からの笑顔を見たのだった。

 

 

「フューリーって剣だけじゃないんだな」

「殺殺殺殺」

「何喋ってるか分かんねえよ」

『たぶんかえせ!って言ってる』

 

 少女の不意打ちに驚かされたファングだがなんとかフューリーを奪いとることに成功した。ファングは腕を精一杯高く上げて少女が奪い返せない様にしていた。ぴょんぴょんとファングの目の前で彼女は何度もジャンプしていた。その姿が殺意を向けてきた相手とは思えずファングは笑いを堪える。

 

『フェアリンクもしてないフューリーはただの武器だ。よくそれでファングに挑もうと思ったな。この男はフェンサーでもないのにモンスターや並みのフェンサーなら倒せる男だぞ。無謀な少女だ』

「殺!」

「サツ、警察か?」

『たぶんファングをみてるといらいらするからおそったっていってる』

 

 俺はそんなに嫌われることをこの少女にしたのか。ファングはクレープの最後の一口を飲み込む。そもそもキョーコは何故少女の言っていることが分かるのだろう。

 

『殺されそうになってるのにクレープを手放さないとは恐れ入った』

「捨てたら百姓に怒られちまうだろ」

『・・・・・・やはりお前は阿呆だ』

 

 ファングの論点がズレた発言にブレイズは呆れた。

 

「殺殺!」

「あ、今のは分かったぞ。無視するなだろ、はは!」

「殺・・・・・・!」

 

 少女はファングの腹を殴ろうとした。だが彼は軽々と回避する。彼女のことを知る人間がいたら驚愕するだろう。機械のような殺人マシーンの少女をまるで子どもをあしらうように扱えるなど本来ありえないのだ。

 

「さぁーつ!」

『さっさとフューリーかえせ、そしたららくにころすだって』

「いや、そもそも楽でも苦しくても殺されたくねえだろ。殺される俺の立場になって考えろよ」

「殺?」

 

 少女はファングの言っていることが理解出来ないのか首を傾げる。本当に不思議そうな顔をしていた。

 

「・・・・・・分かんねえのか?」

「殺殺」

『いままでもそうやってきた。いまさらかんがえてももうわからないって』

「お前・・・・・・」

 

 ファングは驚愕に目を見張った。罪を重ね続けた人間はやがて罪を数えることが出来なくなる。罪を忘れた大罪人はだからこそ人々に忘れられることはない。この少女はファングよりも幼いにも関わらずそこまでの業を背負っているというのか。

 

『どうかしてる。邪神のような純粋悪とは違う。こんな子どもまでが? 神々が眠ってから人は、世界は・・・・・・ここまで狂ったというのか』

 

 ブレイズは頭を抑えた。子どもが誰かを殺すことに躊躇いを持たない世界に目眩がしそうだ。

 

「お前は俺を殺したいのか」

「殺殺」

 

 少女は頷く。分かっていたがこうも正直な彼女にファングは苦笑を浮かべる。

 

「・・・・・・なら俺を殺すまで、誰も殺すな」

「殺?」

 

 少女は首を傾げた。ファングが何を言っているのか理解出来ない。ファングは少女に分かるように一つ一つその言葉の意味を語っていく。

 

「お前が人を殺したいと思ったならいくらでも俺を殺しに来いよ。俺はお前に殺されるほど弱くねえ。俺を殺さなければお前は一生誰も殺すことはねえだろ」

「殺殺殺殺」

『いいだろう、あんたをいますぐころしてやる』

 

 少女は小さく笑顔を浮かべて頷く。

 

「ちょっと待って。今すぐっていうのはなしだ。腹が減った。相手になるのはメシを食ってからだ」

「・・・・・・殺」

「お前も食うか? 食い終わったらフューリーも返してやるよ」

 

(自分を殺そうとする相手と食事の席を同伴するとはやはり阿呆・・・・・・いや、やはり面白い男だ)

 

 

「エフォール、エフォール! ・・・・・・どこに行ってしまったんですか」

「ファングー! ここに美味いメシがあるぞー! ・・・・・・これで来ないなんてあいつ本当に何があったんだ」

 

 巧と果林はずっと迷い人の二人を探していた。かれこれ一時間近くは歩き回ったか。大分長く歩いた気がするがどちらも見つからなかった。もっとも歩いてるのは巧一人で彼のかなり珍しい気遣いで果林はバイクの座席に座らせてもらっていた。ファングがこの姿を見たら巧と認識出来ないかもしれない。

 

「・・・・・・果林、お前も旅をしてるのか?」

 

 巧は果林が何の理由で旅をしているのか聞いた。フェンサーは願いを叶えるためにフューリーを求める。時には争って。彼女やそのパートナーであるフェンサーのエフォールも恐らくはその例に漏れないだろう。ファングは自由を求め、巧は夢と記憶を求める。なら彼女たちは何を求めて旅をするのか。

 

「旅、といって良いのでしょうか。私はあの子について行くだけで何か目標がある訳でも行きたい場所がある訳でもないんです」

「じゃあそのエフォールはどうして旅を?」

「あの子はただ何かを破壊したいという強い衝動に従ってます。旅をするのはフェンサーと戦うためで、その・・・・・・私もエフォールには普通の女の子らしい生き方をしてもらいたいのですけど」

 

 巧は驚かされた。自分よりも幼い少女がこの世全てに憎しみを抱いて生きているということに。どんな出来事があればそんな生き方しか出来なくなるのか。誰かの幸福のために生きる者と誰かを不幸にするために生きる者、彼らが何を抱えてそこに至るのか考えただけでモヤモヤとした気持ちになる。

 

「届くさ」

「え?」

「あんたがそう願ってんならきっとエフォールって奴にもその思いが届く時は来るさ。俺も同じだった」

 

 巧は自分の口から出た言葉を不思議に思う。記憶をなくす前の乾巧は彼女と同じような経験があるのだろうか。世界全てを憎む仲間がいたのだろうか。考えても分からない。もし、いたのなら共に分かり合えていてほしい。

 

「ありがとうございます。巧さんはお優しい人なんですね」

「そんなんじゃない。なんとなく思ったことを言っただけだ」

「ふふ。早く巧さんの仲間も見つかると良いですね」

 

 ガラじゃないことはするもんじゃないな。巧は自嘲気味に笑った。そんな彼のポケットから携帯の着信音が鳴る。

 

「巧さん、お電話ですよ」

「あ、悪い。ん、電話・・・・・・!?」

 

 ブレイズが言ってた言葉を思い出した巧は急いで携帯を開く。この携帯電話に掛けるのは巧の知り合い。つまり記憶を失う前の巧を知っている人物だ。

 

『あー、巧ー。俺だ』

 

 だが巧の期待はすぐに裏切られることになった。電話を掛けていたのはファングだったからだ。そういえば以前番号を覚えていたな。期待して損した。巧はこの電話をいますぐ切りたい気持ちになる。

 

「なんだ・・・・・・お前か」

『なんだとはなんだ。俺は偉大なる男ファング・ザ・グレート様だぞ』

「ファング、お前今何処だよ?」

 

 とりあえずファングの居場所さえ分かれば巧の迷子探しは終わる。あとは果林の手伝いをするなり宿に泊まって休むなり自由だ。 

 

『あー、西の方の公園の近くにあるメシ屋だ』

「人が一生懸命探してる中メシか。相変わらずだな」

『ふ、褒めるな』

「はいはい。で、お前携帯持ってたのか?」

 

 その割りにファングが携帯を使っているところを見たことがない。巧は番号すら知らなかった。

 

『あー、これはこの迷子の女から借りたんだ』

「迷子?」

『えっと。殺殺殺言っている名付けて殺っちゃんが探してる奴いるって言ったら貸してくれてよ』

 

 殺殺とか変わった口調だな。巧は数秒経ってから気づいた。

 

「・・・・・・俺の連れが殺殺殺って言葉しか使わない子といるらしい」

「エフォール!? その変わった言葉遣いはエフォールしかいません!」

「おい、ファング。殺殺って言ってるその女どんな格好してる。・・・・・・フードにスカート、か」

「やっぱりエフォールです」

「そこにいろよ。その女の連れがこっちにいるからな」

 

 思わぬ形で二人の探し人が見つかった。まさかファングと一緒に果林のパートナーがいるとは思いもしなかった。

 

「良かったな。あんたの大事なパートナーが見つかって」

「ええ。巧さんのおかげです」

「俺はなんもしてねえよ」

「その電話があったからエフォールと連絡出来たんですよ。だから巧さんのおかげです」

 

 言われてみればそうだ。ファングがエフォールといなかったら巧と連絡がつかなかったし、巧が果林といたからエフォールの居場所が分かった。互いが互いに行動してなかったら再開するのにかなりの時間を要しただろう。そう考えたら不思議な感覚だ。

 

「ついでだから果林も送ってやるよ」

「ありがとうございます」

「てめえら待ちやがれ!」

 

 巧がバイクを発進させようとすると行く手を阻む者が現れた。

 

「お前は・・・・・・えっと。・・・・・・そうだ、サブだよな」

「おせえよ!」

 

 その男はサンドミージで巧たちを襲ったチンピラだった。今更になって何故彼が現れたのか巧は首を傾げる。

 

「なんだよ、言っとくがカシラって奴は本当に殺してないからな。・・・・・・泥棒はしたけど」

「用があるのはお前じゃねえ! そこの女だ!」

「私、ですか?」

 

 チンピラは果林を指差した。

 

「お前のご主人様『フェンサーと妖聖は対等です』あ、すんません。・・・・・・じゃなくて! てめえの相棒の女がカシラを殺したって証拠はあるんだ!」

「・・・・・・知ってるか?」

「私たちも裏稼業はたくさんやってきたのでちょっと・・・・・・。失礼ですがカシラさんというのはどういうお方ですか?」

 

 チンピラの語るカシラとはサンドミージの暗殺された元市長だ。元市長の自宅では数え切れない汚職や人体実験の記録が発見されたことにより世間では大きなニュースになっていた。

 

「あ、あの方ですか。よく覚えてますよ。」

「そうだ! よくもカシラを殺してくれたな!」

「ええ、よっぽど恨みを買われていたのでしょう。依頼主は『子ども』でしたよ。あまりに非道な行いにエフォールが珍しく激情してましたから」

 

 人殺しは許される行為ではない。だが果林たちはそうするしか生きていく方法を知らないのだ。巧は複雑な心境だ。もっともあの元市長はどの道死刑になるレベルの大罪人なのだが。

 

「・・・・・・知るか! カシラを殺したのには変わりねえんだ! 落とし前をつけてもらうぜ!」

「身よりのない子どもを拉致した挙げ句惨たらしく拷問しといてよく言えるな」

「黙れ! 先生方やってください」

 

 チンピラが指を鳴らすとアチコチから金で雇われたと思われるごろつきたちが湧いて出てきた。どこに隠れていたんだ。軽く20人近くいる。巧は内心舌打ちした。これではバイクで逃げることも出来ない。

 

「へっへっへ。オレは所謂ごろつきフェンサーさ。あんたみたいな美人を泣かせると思うと楽しみで仕方ねえ!」

  

 中でも厄介なのはフェンサーがいることだ。ただのごろつきなら果林の魔法でどうにか切り抜けられるかもしれないがフェンサーがいたらそれも通じない。まさしく万事休すだ。

 

「巧さんは逃げて下さい。狙いは私です。そして急いでエフォールを連れてきてもらえると助かります」

 

 果林の言っていることに従うのが正しいのだろう。だが彼女を置いていけばどうなるのか、想像しなくても分かってしまう。巧は果林を隠すように手を横にした。

 

「・・・・・・果林下がってろ」

「ですが、巧さん!」

「安心しろ。俺が負けることはない」

 

 果林は渋々引き下がった。だが巧にもしものことがあれば直ぐに盾になる。この男の人は優しい人だ。だから傷つく姿を見たくない。果林はそう思っていた。

 

「構うな。あいつも一緒にやっちまえ!」

 

 チンピラの指示でごろつきたちが巧に襲いかかる。巧は天を仰いだ。その顔に灰色の紋様が浮かび上がる。

 

「ウオオオォォォォ!」 

 

────獣の鳴き声が周囲を支配する。

 

 チンピラもごろつきも、そして果林もこの場にいた全ての人間の表情が固まる。さっきまで巧が、乾巧がいたそこには灰色の怪人がいた。威風堂々と天に吠える姿はまさに狼。人の形をした狼。人狼だ。

 

 ウルフオルフェノク、巧のもう一つの姿。

 

「こ、こいつモンスターだったのか!?」

「構わねえ、やっちまえ!」

「殺せ!」

『うおー!』

 

 ごろつきがウルフオルフェノクに襲いかかる。多勢に無勢。並大抵のモンスターなら人たまりもないだろう。並大抵なら。・・・・・・ウルフオルフェノクは上の上だ。巧は忘れているがかつてある男にそう評価されている。つまり、ただのごろつき程度ではどうあがいても勝てる相手ではないということだ。

 

「アアアァァァァァ!」

 

 ウルフオルフェノクに飛びかかった大男はその拳に叩き落とされた。ウルフオルフェノクに切りかかった男は刃が通らず投げ飛ばされた。ウルフオルフェノクにのしかかった三人がかりの男たちは蹴り上げられた。ならば果林を人質にしてやろうとその手を掴んだチンピラはウルフオルフェノクの唯一の武器メリケンサックの容赦のない一撃を腹に受けた。ごろつきたちはウルフオルフェノクを殺そうとした。ウルフオルフェノクに男が、ウルフオルフェノクに男が、ウルフオルフェノクに────。

 

「な、なんなんだよお前。殺す! 殺してやる! 化け物! 化け物! 化け物ォォォォ!」

 

 最後に残ったのはごろつきフェンサーだ。彼はいつの間にかその身を鎧のような物で包み込んでいた。鎧には妖聖の圧倒的な力が宿っている。ごろつきフェンサーはその手に巨大な斧を持ちウルフオルフェノクに対して振り下ろした。その一撃には殺意が込められている。だがウルフオルフェノクに、巧に殺意はなかった。抱く必要がないからだ。

 

「あ、ああ・・・・・・」

 

 ごろつきフェンサーはガタガタと情けなく震えていた。自分が出せる最大限の威力を持った必殺の斧を片手で受け止められたからだ。彼は恐怖で動くことが出来ない。その彼にウルフオルフェノクは拳を握り・・・・・・。

 

「うわあああ!」

 

 気づけばごろつきもチンピラもフェンサーもみんなウルフオルフェノクの前から逃走した。強く握っていた拳を下ろし巧は人の姿に戻る。もう彼の周りには誰もいない。

 

「巧、さん」

 

 果林を除いて。

 

「・・・・・・無事みたいだな。じゃあな」

「待って下さい!」

「なんだよ・・・・・・」

 

 巧は果林の前から姿を消したかった。優しい人と自分のことを言ってくれた彼女を裏切るのが怖い。あの力をごろつきに振りかざした巧は優しい人間ではない。あの男たちのように化け物、と果林に拒絶される前にこのまま逃げたかった。

 

「巧さんは化け物なんかじゃないです」

「・・・・・・気遣いはいらない」

 

 巧は果林に背を向けて歩く。その背中を彼女は掴む。

 

「化け物は誰かを傷つけるのに心を痛めたりしません。巧さんは心を痛めてます」

「どうしてお前にそんなことが分かる!」

「っ!」

「・・・・・・悪い」

 

 無意識に怒鳴りつけた自分を巧は情けなく思った。この力は呪いと同じだ。誰かを傷つける事しか出来ない。

 

「分かります。だって巧さんの手は怪我をしてるじゃないですか。人を殴るのに慣れてないから強く握りすぎたんです。そんなあなたが、誰かを傷つけるのが嫌で自分を傷つける巧さんが化け物な訳ないですよ」

 

 果林に背を向けてる巧に彼女の顔は見えない。でも何となく微笑みを浮かべている気がする。巧はうっすらと笑った。

 

「・・・・・・乗ってけよ。約束通り送ってやる」

 

 それは無愛想な巧に出来る精一杯の感謝だった。

 

「ふふ、ちゃんと怪我の治療をしてからですよ」

 

 

 

「んで、お前らはなんなんだよ」

「ごめんなさい。そこの女を殺せってサブって人に頼まれたんです! ごめんなさい!」

「謝れば俺様のステーキが戻ってくるのか? あーあ、機嫌更に悪くした。一時間追加な」

「そ、そんなあ!?」

 

 巧たちと時を同じくファングたちも襲撃を受けていた。もっともごろつきのフェンサー以外はファングの敵でもないし、相棒がいないが凄腕のフェンサーの少女がいればごろつきフェンサーを含めても余裕で返り討ちだ。今はファングの前に数十人の男たちが正座していた。よりにもよって彼の食事を邪魔するという狼藉を働いた彼らにファングが科した罰ゲームだ。

 

「・・・・・・サブって確かあのくそ市長の取り巻きだったよな」

「殺」

 

 ファングが独り言のように呟くと少女が頷く。

 

「あ、まさかあの市長殺したのお前か!?」

「殺」

 

 また少女は頷く。やはりそうか。そうでもなければあの男たちがこんな子どもを殺す理由がないからだ。

 

「やるな殺っちゃん。あの外道を殺したことだけは少なくとも悪いことじゃねえ。よくやった」

「殺! 殺殺」

『もっとほめろ! それとわたしはさっちゃんじゃないって』

 

 名乗らないから呼んでるだけだ。ファングは少女の本名を未だに知らない。殺殺としかしゃべらないのだから分からないのは当たり前だ。後に顔すら合わしてない巧が彼女の名前を知っていたと知りファングはショックを受けることになるがそれは別の話しだ。

 

「だったら名乗れ。俺はファングだ。お前は?」

「殺殺殺!」

『わたしのなまえはえ『通訳はなしだ』』

「殺?」

 

 少女は首を傾げた。名前を知りたいというから名乗ったのにも関わらず途中で遮られたからだ。

 

「しゃべれないなら紙に書け。とにかく自分の名前は自分で名乗れ。名前ってのはそこにお前が存在している証明なんだからな」

 

 ファングはいらなくなった手帳を少女に投げる。旅の記録を元々は記していたが巧が加わってからすっかり書くのを忘れてしまった手帳だ。

 

「殺殺」

『かけばいいんだろ、かけば。そのかわりなまえをかいたらフューリーをかえしてもらうぞ、だって』

「おう、返してやるからしっかり綺麗に書けよ」

 

 少女はファングの言っていることが聞こえてないのかほとんど殴り書きのような速度で書き上げる。そんなに俺を殺したいか。ファングは引きつった笑みを浮かべる。少女は名前を書き上げたのかファングに手帳を見せる。汚いが読めない訳ではない字をファングは読み上げた。

 

「『エフォール』・・・・・・良い名前だな。この俺の偉大な名前の次くらいに良い名前だ」

「・・・・・・殺!?」

『ほお、今のは俺にも分かった。ははは、照れているな』

 

 少女────エフォールは無表情の顔を僅かに見開く。その頬はほんのり赤くなっている。

 

「へ、なんだ意外と悪くねえ顔も出来るじゃねえか。ほらフューリーだ。俺を殺すまではそれで誰も殺したりするなよ」

「殺!」

「っていきなり斬りかかるな、よっ!」

 

 ファングがフューリーを手渡した瞬間、エフォールは待っていましたとばかりに振り抜いた。ファングは片手で鎌を掴んで首元に剣を突きつける。 

 

『見事だ』

「な、分かったろ。今のお前に俺を殺すことは出来ねえよ。悔しかったらパートナーを連れて出直してこい」

「殺殺必殺!」

『ああ、かならずころしてやるだって』

 

 エフォールはファングを睨んで言った。突き刺さるような殺意を向けられても相変わらず彼は彼女に殺意を向けたりしない。エフォールはますますファングに憎しみを抱く。

 

「あ、あのダンナぁ。そろそろオレたち限界っすよー」

「あれ、お前らまだいたのか。さっさと帰れよ」

「ち、ちくしょう! 覚えてろよ!」

 

 ここ数日たくさんの人間と因縁が出来ているな、と逃げていくごろつきたちを見送ったファングはふと思った。これは何かの前兆か、深く考えようとしたところでごろつきとすれ違いに現れた巧たちのことで頭が一杯になり彼はそれを記憶の隅に追いやった。

 

「巧、探したぞ。何処行ってたんだ?」

「探したのは俺だろ・・・・・・」

 

 呑気に笑顔を浮かべるファングにすっかり巧は呆れ果てていた。

 

「エフォール! ・・・・・・心配しましたよ。いきなりいなくなったりしてはダメですよ」

「殺・・・・・・」

「ふふ、分かれば良いんですよ」

 

 果林は申し訳なさそうにうなだれているエフォールの頭を撫でる。

 

「おい、巧。あの女は誰だ。まさかアイツのパートナー妖聖じゃあないよな?」

「わざわざ聞かなくても分かるだろ」

「げ、さっそく殺される」

 

 うへえと唸るファングに巧は首を傾げた。

 

「殺殺殺」

「さっそく殺してやりたいところだが今日は見逃してやる、とエフォールは申しています。ファングさんもエフォールに良くしてくれてありがとうございます」

「聖人君子のように優しい俺様ならこれくらい当然だ。・・・・・・ってあんたエフォールが何言ってるか分かるんだな」

「ええ、この子のパートナーですから」

 

 殺しか言わないからどうやって生活してるのかファングは疑問だったが普段は果林という通訳がいるから問題ないんだな。だが彼女と出会う前はどうしていたのか更なる疑問が増えた。

 

「ま、良いや。エフォール、俺を殺しにくるのは構わないが他にもやること探せよ。お前もまだガキなんだからガキらしく学校に行ったり遊んだりしてる方が楽しいと思うぜ」

「殺殺」

「善処してやる。だがそれはお前を殺してからだ、とエフォールは申しています。おや、この子にしては珍しい。少しは普通の女の子らしくなったのでしょうか」

 

 ファングのアドバイスを素直に聞き入れるエフォール。だがそれは果林が苦労しても出来なかったことだ。まあファングを殺してからという時点でまだまだエフォールが普通の女の子になるというのは難しいだろう。彼を殺すのを諦める時が来たらその時は・・・・・・それはまだ遠い話だ。

 

「巧さん、ありがとうございます」

「・・・・・・良かったな。果林、もうパートナーと離れたりするなよ」

「はい!」

 

 エフォールを見つけてすっかり安心している果林に巧は笑った。ファングはその巧の様子に違和感を感じる。

 

「巧が笑うなんて珍しいな。良いことでもあったか?」

「まあな。・・・・・・俺も少しは自分にプライドを持てるようになった」

「へー、果林だったけ? お前凄いな、この無愛想な巧の笑顔を見れるなんて運が良いぞ」

 

 果林は不思議そうに目を見開く。

 

「巧さんの笑顔ならたくさん見ましたよ。珍しいんですか?」

「なにぃ!? 巧が!?」

『たっくんがたくさんわらった・・・・・・え、うそ?』

『お前たちの前でも巧は笑っているだろう。気づかないだけだ』

 

 ブレイズの言うその笑顔とは何か違う気がする。そう大騒ぎするファングたちをよそに巧は黙って歩き出す。

 

「あ、巧何処へ行く? あとで詳しく話しは聞かせてもらうからな!」

「殺殺殺」

「え、何を言ってるんですかエフォール。別に変なことはありませんでしたよ。ただ・・・・・・守ってもらっただけです」

 

 果林の一言は更に燃料を注ぐことになる。ファングとキョーコは大きく驚愕し、流石のブレイズもほお、と唸った。エフォールだけがよく分からないのか頭に疑問符を浮かべる。

 

「巧さん、また会えますか?」

「ああ、多分な」

 

 巧は空を見上げた。そこには綺麗な青空が広がっている。巧は微笑む。

 

「俺もお前もまだ、旅の途中だからな」  




まさかのバジンや555より先にウルフオルフェノクの登場。そしてたっくんの猫舌に優しい設定。これがずっとやりたかったです。

次回からいよいよ本編開始です。次回はいよいよFFFのヒロインの一人と555のヒロイン(?)が登場です
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