モンハン×GATE   作:skyfish

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モンハン世界の弓は和弓なのか洋弓なのかいまいちわからないです。OP確認したも微妙なところで隠れてて分からない。若干和弓よりの描写な気がしますが矢の大きさを考えると洋弓に見える。



どうでもいいか(諦


第3話「炎龍(後編)」

 だだっ広い平原の中村人たちの逃避行が続く。本当に必要なものだけを選んだおかげで村を出る際は特に問題は起こらなかった。だが、荷造りの時間があったとはいえほぼ徹夜作業になったせいで疲労が溜まっている。数日前の雨のせいで道はぬかるみ進む速度が落ちる。横の草むらに転がり日向ぼっこしたい欲が生まれるが、炎龍に食われたくない一心で心身に鞭を打つ。先導するのは自衛隊の車だ。時折ぬかるみにはまった馬車を押し出す手伝いに出る隊員たちが数名いるものの基本部隊から離れない。村人たちに合わせているため超低速で動いている。その横でジンはいっしょに歩きながらジッと空の向こうを警戒する。先頭車の上にいるニャン吉も同様だ。ニャン吉はアイルーだから野生の感や風に乗ってくる臭いですぐに察知できる。少なくとも風上の方向は安全だ。だが、野生の動物は獲物を襲うときに風上から仕掛けるなんて馬鹿なことはしない。やるなら必ず風下からだ。これは獣もモンスターも同じである。

 

(ここじゃあすぐ見つかるな)

 

 木がぽつぽつあるだけの一面の大草原の中に人間が列をなしている。空を飛ぶ龍にとってみれば彼らは巣(家)から出てきた格好の餌だ。ハンターの感が働く。必ず奴が来る。

 

「伊丹さん。全員武装するように伝えてください」

 

「もう来るのか?」

 

「いや、だけど今のこの状況は悪い。場所も、天候も、獲物を襲うなら絶好の条件がそろっている」

 

 これだけ晴れてば遠くまで見える。それは龍も同じで遠くの獲物を見つけることができる。またここだと隠れる場所がないから逃げられても追いつける。散り散りに逃げられても飛んで一つずつ堪能できる。森の中や岩がゴロゴロした場所よりも比較的に楽できる。それを踏まえれば、いつ襲われてもおかしくないのだ。

 

「いつ奴が来てもおかしくないのか」

 

「はい」

 

「わかった。あー全員いつでも動けるように武装しろ」

 

≪了解≫≪了解しました≫

 

 通信で後続の2車に伝わる。彼ら陸上自衛隊隊員たちは1人1人64式7.62mm小銃を持っている。弾倉1つに20発の弾が入っている。車の一台は12.7mm重機関銃M2キャリバー50という強力な火器がある。それらを入れてもあのドラゴンには効かないとジンは思っていた。敵軍が乗っていたワイバーン相手に12.7mmでやっとその甲殻を貫いたのだ。へたくそだったから断言は出来ないが、ライトボウガンの通常弾(Lv.1)なら簡単に貫通するだろう。

 

(というよりも弾が小さいんだよなぁ。ライトボウガンの弾でさえ12.7㎜より大きいし)

 

 妹弟子がよく使用していたヘヴィボウガンとライトボウガン。それを隣でよく見ていたから使用する弾の大きさが違うのは分かる。やっぱり小さいから威力不足なのかなと勝手に判断することにした。

 

「とにかく上空の警戒を厳にッ……!!?」

 

 あの時、アマツマガツチを見た時と同じく感じた感覚に襲われる。全身に寒気と武者震いが伝播する。自分たちの進む方向に奴が否、古龍種がいる!? そこから動きは速かった。弓を展開し矢に鏃を装着し構える。隣にいる伊丹が「おいおいどうした?!」と言ってるが気にする余裕がない。視線に敵意はない、だが見られている。こっちは自衛隊に村人もいる。下手に怒らせると関係ない人まで巻き込むことになる。臨戦態勢を整え前を見る。前方1000m弱、低い丘の上に黒い服を着た人が座っている。スラッシュアックスのような斧を持っている。

 

(人? いやいや、ただの人が古龍並みの威圧出すか?)

 

 車の上にいるニャン吉も「フー!!」と威嚇体勢に入っている。アイルーの感覚でさえあれが普通じゃないと感じるのだ。

 

「ニャン吉。あれは何だ……古龍の能力か何かか?」

 

「臭いは人だにゃでも………ものすごい血の匂いだにゃ……古龍みたいにゃのに人だニャ。おかしいニャ」

 

「見た目、臭いは人。でも血の臭いと古龍並みの威圧感………」

 

 正体不明の相手に戸惑う。運転席では「ゴスロリ少女!?」「マジですか!?」見たいな会話しているがそれどころではない。相手は女の様だがその女の放つ気配がおかしいのだ。

 

「伊丹。あれ、何に見える」

 

「え? いや、ゴスロリ少女だけど?」

 

 当たり前そうに返され思わず舌打ちする。ジンの変貌に舌打ちされたと伊丹は落ち込むが気にしない。

 

「俺が行く。いいっていうまで来るな。絶対だぞ。ニャン吉は空を見てろ」

 

 返事を待たずに出る。龍の警戒をニャン吉に任せる。近づくにつれその存在感の大きさに吐き気がする。次第に女の素顔が見えてくる。見た目は10と少しの少女にしか見えない。来ている服も黒いドレスのよう。これだけならどこかのお嬢様だが、それ以外がおかしいから気持ち悪いの一言に尽きる。そこ顔は微笑っている。

 距離が10mまで詰めたところで叫んだ。

 

『人か、獣か!? 答えろ!』

 

 取りあえず相手の反応を見る。正直言うと自分でもどうすべきか分からないのだ。今のところ敵意を感じないがそれでもだ。少女はキョトンとするとふふっと笑った。

 

『おかしなこと言うのねぇ。私はロウリィ・マーキュリー。エムロイ神の神官よぉ』

 

『神官? その証拠は?』

 

『この服がそうよぉ』

 

 自慢そうに黒いドレスを見せる。それを知らない自分に見せびらかしてもそんなこと分からない。小型マイクを取り出す。

 

「伊丹、村長を呼んでくれ。彼女が神官かどうか確認してほしい」

 

≪え? 分かったちょっと待って≫

 

 後ろの伊丹に確認をお願いする。こればかりは現地の人に見てもらわないと分からない。

 

『ねぇ。何をそんなに警戒してるのかしらぁ?』

 

 待っている間少女………ロウリィが話しかけてくる。無視することはない。

 

『気配が人じゃないんだ。血の臭いも。警戒しないことこそ無理だ』

 

『ふふっ。それはそうよ。私は亜神だもの』

 

『亜神?』

 

『もとは人よぉ。それと血は昨日盗賊をエムロイへ捧げたからよぉ』

 

 ねっとりと話す彼女。嘘を言っているような目じゃない。だが信用するのはまだ早い。今は彼女のことをしっかりと監視することにした。

 

 

 

 

 その後、村長の確認が取れたロウリィは自衛隊と村人のところに合流。馬なしで動く車に興味心身。すでに人でいっぱいの荷台ではなく伊丹が座る助手席に乗ろうと攻防戦に移行。諦めて内側を譲ることで決着がついた。見た目の歳相当の振る舞い? をした彼女の威圧感が薄くなった。某有名漫画の気を操るみたいなことができるのか、それとも人らしくするとそうなるのか分からない。だがそれでも目立つ存在感は出ている。感覚が鈍くなりそうだから車から列の右側へ離れることにした。ニャン吉も後を追ってくる。

 

「お前もか?」

 

「調子狂うニャ」

 

「そうだな」

 

 俺でこれならニャン吉が感じるそれは相当なものだろう。これでは落ち着いて空を見上げることなんてできない。

 

「雲が増えてきたな………」

 

 空を見上げる。地上は無風なのに雲は速く右から左へ流れている。綿飴状の雲が多い。それを見てると綿飴食べたいなぁと思ってしまう。

 

「ん?」

 

あの甘い綿菓子を久しぶりに食べたいと思っていると、白い雲のなかたった一つだけ黒くくすんでいる雲を見つけた。それは明らかにおかしな雲だった。雨雲になんてならない大きさ。白い雲の中でたった一つの灰色の雲。まるで何かが上にいてその陰でそうなっているようで。

 

「まさか……っ!」

 

 急ぎ戻ろうと走る。その雲を突き破って赤い龍が急降下してきた。間違いない昨日のあの龍だ。獲物に気づかれないよう速く疾く迫りくる。それに村人たちは気づいていない。

 

「敵襲――――!!!」

 

 大声を上げ全員に知らせる。皆驚いてジンの方を見、ジンが指さす空を見る。それでようやく状況を理解のだ。悲鳴が悲鳴を呼び、木霊し、伝播する。バレたからか龍が吠える。それを聞いた馬が暴れだす。恐怖でコントロールができなくなった馬車は人や他の馬車にぶつかり被害が出る。

 

 

 弓を展開、矢を2本用意し、弦を限界まで引き構える。この間2秒も経っていない。狙うは龍のギリギリ前方。射程距離のギリギリ外側だが驚かせ軌道をずらさせる。

 

「―――シッ!」

 

 放たれた2本の矢。炎龍の降下速度と矢の到達速度、そして運、その3つを計算し予測したそれの1本は炎龍の鼻の鱗を削り弾かれ、もう1本は左目の直前を通過した。

普通の矢だったら別に驚きはしなかっただろう。だが、彼が使う弓はモンスターを狩るために作られた武器だ。矢の大きさは帝国の攻城弩弓に匹敵するが威力は段違い。鱗を剥がされたという初めてのことに驚いた炎龍は軌道を変え列を素通りし地面に降りた。その巨体の着地で発生した振動が伝わってくる。それでも、目の前に獲物がいることに変わりはない。余裕で歩いて襲い掛かる。さっきは運がよかったがあそこでは人に当たってしまう。急いで距離を詰める必要がある。今まさに走り出そうとする車に飛び乗った。ニャン吉は背中にしがみついている。中を見てぎょっとした。乗せてる村人たちがそのままいたのだ。

 

「降ろさなかったのか!?」

 

「そうしてる間に被害が拡大する! ここの方がまだ安全だ!」

 

 ジンの大声は伊丹の大声で返される。どっちが安全かなんて状況によって変わるが今はそれを深く考えている時間なんて無かった。その間も死者が出ているのだ。

 

(図体だけはデカいリオレウスもどきが。こんなことなら剣にすればよかった)

 

 龍の体は一般的に知られているリオレウスの最大個体よりも一回り大きい。その分甲殻も厚いはずだ。弓で戦うならやわらかいところを狙わないと弾かれる。

 距離が詰まったところで自衛隊の小銃が火を噴く。炎龍を村人からこちらに気を向けさせる。だが、まったく効かない。空しく弾かれる。ちょうどいいと思った場所に飛び降りた。

 

「ちょっ! 危な―――っ!?」

 

 それを見ていた伊丹が驚くがそのあとにもっと驚かされた。時速50kmで走る車から飛び降りたのに2本の脚で地面を滑りながらもしっかりと立っていたからだ。そんなことなど知る由もないジンは既にハンターの顔になっていた。

 

「ニャン吉! ひたすら回復笛だ!」

 

「はいニャ!」

 

 回復笛は聴いた者の体力を回復させる。それは一種のリラックス効果をもたらすので緊張状態の自衛隊員たちにいいだろうと思った。また、激しく揺れる車に怯える村人にもいいだろうと判断する。

 炎龍が口を開く。火を噴くと察した。1本の矢を握り限界まで引き絞る。威力を速度に変え、速度を貫通力に昇華させる。火を噴こうと口を開いた無防備なその舌に

 

「喰らいなレウスモドキ」

 

 渾身の矢を放った。下手な龍種のモンスターの甲殻なら余裕で貫くことができるその一撃は狙い通り真っすぐ、炎龍の舌を貫通した。矢が突き刺さるだけの痛みじゃなく、体に穴が開いた激しい痛みに炎龍はおそらく初めて悲鳴を上げた。

 次の矢をすでに出していたジンは構える。狙いは口。柔らかい場所はそこしかないから重点的に狙う。さっきと同じ威力で放つ。今度は上顎の内側に命中。肉を裂き、骨を砕き、内側から甲殻を破壊する。肉かそれとも骨、甲殻が堅かったからか、貫通はせず矢じりが見える位置で止まる。それを見ていた伊丹は「うわっ痛そう……」と呟いてしまう。人間で例えるなら口の中から釘で貫いたようなものだ。想像をしただけでいや、想像したくない。苦痛で震える炎龍はこれをやった人物ジンを睨んだ。

 

(怒り心頭といったところか)

 

 顔を見ただけで完全に自分に対してキレてることが分かった。炎龍は翼を羽ばたかせ空中に上がる。向かう先はジン。

 

(だろうな)

 

 こっちに来るだろうと予想はしていた。たった2本くらっただけで鳴くとは、炎龍は思ってたより沸点が低いのかと思えてしまう。ティガレックスの方がまだ……………ティガの方が滅茶苦茶短気で怒ってたな。迫りくる炎龍にビクともせず落ち着いている。ポーチの中を探り黄色い球を取り出す。それを炎龍めがけて投げた。瞬間閃光が発生し視界が真っ白になる。ジンが投げたのは閃光玉。相手の目くらましになり動きを制限させる。飛んでいるモンスターにやれば驚いて地面に墜落するダメージを与えられる。ジンの思惑通り閃光玉に驚いた炎龍は体勢を崩し、ジンを通り越して地面に落ちた。何が起こったのか分からずバタついている炎龍にもう一撃やろうと矢を取ろうとしたとき通信が入る。

 

≪ジン大丈夫か!?≫

 

「問題ない」

 

≪今のうちにパンツァーハウストするからそいつから離れてくれ!≫

 

「パンツァーってなんだ」

 

≪え? えーと、バスーカだよ!≫

 

「了解」

 

 弓を収納し全速力で走る。モンスター相手に必死の追いかけっこを繰り広げたジンの脚力は伊達じゃない。離れたことで十分な安全を確認できたのだろう。もう一台の車の人がバズーカを発射した。が、明らかに外れコースだった。

 

(おいおいおいおいあれを外すか?)

 

 再度弓を展開しながらポーチからあるものを取り出す。念のために用意していた麻痺ビンだ。それを装着させる。矢を構えると丁度鏃がビンの先端に触れることで中身が流れ出る仕組みだ。

 装着し終えて、矢を取り出そうとしたその時ブオン! と風を斬る音が聞こえる。見るとあの黒少女が斧を炎龍めがけブン投げてた。頭を振り体勢を立て直していた炎龍の左腕にぶつかり炎龍は体勢を崩す。そのさきにはあの外れたバズーカが。轟音。戦車を葬る威力をもつ一撃は炎龍の左腕を吹き飛ばした。さっき以上の激痛で悲鳴を上げる炎龍に皆言葉を失っている。その中、左腕が千切れたことで見えた肉断面を見逃さない。

 

 べっとりと黄色い液体に濡れた2本の矢を放つ。だが、それに気づいた炎龍は飛翔し避けた。思わず舌打ちする。上空を飛ぶ炎龍は自衛隊とジンを睨むと空へと消えていった。

 

 周りを見る。自衛隊は疲れ切った表情、コダ村の村人たちは信じられないものを見たと目を見開いている。その視線は自衛隊とジン半々だ。

 

「面倒なことになりそうだな……」

 

 ジンの呟きはそのまま現実になるを知るのはもう少し先になる。

 

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