混沌の爪足りないです!
他に言うこと、今現在特にないです!あ、QPもふざけてスキル上げとかしてたら溶けました!でもジャックのスキルを全て10にしたことに後悔はしてません!
何時だったか、姉さんは俺に少しだけよくわからないことを言っていた事を覚えている。
『しらべは何処にいるの?』
目の前にいたのにその時姉さんは俺に気付かなかった。その時の状況なんて全然覚えていないけど、姉さんに甘えていた俺はその時死ぬほど嫌で、怖かった。
姉さんに見捨てられるのか。それとも姉さんは俺が見えなくなったのか。
結局その時は杞憂に終わったが、その時に俺はなにか大事なものが欠け落ちてしまった気がする。
大事な……なにかが。
◆◇◆
「問うぞ、お前がオレのマスターか」
凛とした声。それでいて何処か豪快さに欠ける言葉。
目の前にいる少女はあらゆる矛盾を言葉に内包したようなモノを感じられて、とても不思議な感覚がする。
「……え?」
だからか俺はそれに応えることができない。その場に不釣り合いな素っ頓狂な疑問を口ずさむしかなかった。
「……あー、まぁいい。この場にいる人間はオマエだけだ。女じゃねぇとかテンションだだ下がりなんだが……そういうことなんだろ」
少女は勝手に問い掛けておいて勝手に納得する。バカを言うな。人間ならお前も含めて三人いるではないか、と喉元まで出かかったが、少なくともあの男は人間と呼んでいいのかわからない。アレを使ったような痕跡も見当たらないし、それでいてHagelのルーンを無傷でやり過ごした。俺の力量不足もあるかもしれないが、服に一つの焦げ跡もつかないのはおかしすぎる。
「下がってろよマスター、オレは荒っぽいからな。巻き込まれたら身の安全は保証できねぇ。努力はするけどな!」
「お、おい!?どういう━━━」
言うや否や、少女は外に吹っ飛ばされた男に向かって駆け出す。下がれ、と言われて先程までお手玉同然だった俺は動くこともできないので、状況がわからないのに彼女を追いかけることもままならない。
一瞬、暫くだけ静かになったと思ったらまた金属音が鳴り響く。
もう、なんなんだこれは。
◆◇◆
ガキィ、という剣戟か幾重にも渡って鳴る。刀と槍がぶつかり合って鳴る金属音は綺麗だとも思わされるほどで、不規則さが奇々怪々な神秘を感じさせるほどだ。
「……貴方、本当にバーサーカーですか」
数手交わしているとふと槍の男が苦々しく問うて来る。バーサーカーと名乗った少女はその名に不釣り合いな人を惑わす笑みを浮かべて応える。
「正真正銘バーサーカーだぜ?もしかしたら理性が残っちまうくらいに微弱な狂化かもしれねぇし、なにかの弾みで正気な状態として現界してるのかもな!」
バーサーカー、聖杯戦争においては一長一短を地で行くクラス。
非力なサーヴァントを戦えるレベルにまでステータスを引き上げることが主な目的のクラスであるのだが、そのステータスを伸ばすスキルの名は
だが、良くも悪くもこの狂化がバーサーカーというクラスの意味を表に出す。
理性がないため基本的に命令に忠実であり、ステータスを引き上げているためサーヴァントとして強力にもなる。
だが、理性が無くなるということはそのサーヴァントは技術をかなぐり捨てて暴れ回るということ。ヘラクレスやサー・ランスロットといった狂気の沙汰とも言える逸話を持つ者達は総じてバーサーカーとしての適性を大なり小なり備えているが、彼らが強いと言われる所以で大きな所を占めているのは間違いなく"技量"。その技量を失ってまで単純に強くなる、では狂化をすることで逆に弱体化していると言ってもいい。
実は上記のサー・ランスロットは狂化を果たしてもその技量に問題が発生しないスキルがあるのだが、それは割愛するとしよう。
兎角、この男が少女をバーサーカーではないと勘繰ってしまっている理由はそこにある。明らかに理知的で、考えて行動している。
考えられるのは三つ。クラスを詐称しているか、少女の言った二つの何れか。
が、今は考えたところでどうにかなるものでもない。男は諦めてこの少女の打倒を目指すとする。
「っは!」
突然熾烈さを増した男の攻撃に少女は少しだけ圧されながら刀でいなす。
「やるなランサー、正直驚いた。考える時間は終わりか?」
「今考えても答えの出ない自問に意味はないでしょう。それなら私は全力を以て貴女を打倒する!」
そう言うと男━━━ランサーの槍から雨水を消し去るほどの炎が迸る。一層警戒を強めたバーサーカーを見るや否や、彼は赤槍をまるで剣に見立てたかのように持って突撃を始める。
バーサーカーが後ろに飛んだと見ると槍を地面に遥か手前に突き刺し、棒高跳びの要領でバーサーカーに急接近する。
「ん、だとぉ!?」
慌ててバーサーカーは刀を構えるが、それより早く今度は烈風を纏った拳が右肩に突き刺さる。
風圧もあってかバーサーカーの身体が吹き飛ばされる。だが途中で受け身を取って再び刀を構えると、風圧で切り裂かれた着物の右袖が遅れて身体から離れる。
「やるじゃねぇかランサー……」
「そちらこそ」
ランサーの槍に纏った炎が円形の囲いを作る。逃げ場はない、ということだろう。
再び刀を脇構えにしてランサーの行動を待つと、槍がランサーの手元に戻った上、左手には見慣れない直剣が現れた。
「剣だと?ランサーの癖にか」
「剣を使うアーチャーがいるのならあまり不思議ではないでしょう」
「んなのいてたまるかっつーの」
互いに軽口を叩き、束の間の静寂が帰ってくる。互いの姿を見据え、得物を確認。互いの動向、一挙一足に神経を注いでその時を待ち━━━放たれる。
居合、突き、袈裟、切り上げ、薙ぎ、剣戟が出る前に剣戟を繰り出すと言うのが適切かと思うほどのバトルスピード。途中魔術による牽制や足払いといった妨害の飛び交い、速度に難解さが合わさってもうなにをしているのかもわからない。
「っ面倒な小技を。騎士の誇りに云々とは言いませんが……こうも型が違うと攻めあぐねる」
「そりゃこっちの台詞だよ色男。いくつ目ついてんだ」
互いに得物を重ねながらの会話。バーサーカーの方が押され気味だがランサーの方も迂闊に手を出すことができずにいる。
━━━機を逃せば負けるな
直感でも戦術理論でもない。ただ漠然とそう理解したバーサーカーは金属同士が火花を散らせている状況でランサーに交渉を持ち掛ける。
「っ……おいランサー」
「なんでしょう」
「賭けをしよう」
「……内容は?」
向こうも興味を示した。一先ずは第一段階。
「これからオレはオマエの攻撃を受け止める。断言しよう。防御以外の行動はとらない。そしてオマエの渾身の一撃を受け止める。オレが死ねばマスターも好きにするといい。だが受け止められたら今は引け」
「………」
正直、ランサーも悩みどころだ。勝っても負けてもこの泥仕合は終わる。それに彼の宝具は強力な攻撃、といった風でもない。だから宝具を解放するメリットもないため生き残ったら、を想定に入れられる。
しかしこの泥仕合を続ければ勝つのは間違いなくランサーの方だ。確実な勝利か、この戦闘を異なる敵に視られていることを視野にいれた行動か。この二拓に悩まされる。
━━━別に武勇を上げる戦でもない。ならば安全策を取るべきか
そう結論付けるとランサーとバーサーカーは互いの刀を押し出して仰け反りながら距離を開ける。
「その提案に乗りましょう、タイミングは?」
「そっちに任せる。こっちとしちゃ生き残る可能性がある選択肢を選んでくれただけでも万々歳だ」
では、とランサーは槍を手放して両手で剣を構え、バーサーカーもそれに合わせて下段に添える。
であれば時間をかける必要はない、とランサーは剣に極大の稲妻を乗せて、足元を氷結させて一歩足を動かす。
途端、ランサーの身体が滑り出し、慣性が働くことなく、かつ背中から噴出される激流が更に速度を速める。
「━━━喰らえ」
「喰らうか━━━」
たった一瞬の出来事だ。元々一撃で決着をつけるという契約をした以上、必殺のために動の時は数えるまでもないほど短いのは当然。
「っ、がぁッ……」
上半身から出血。かなりの量だ。バーサーカーは刀を支えるほどの筋力も喪失したのか、金属の柯儖という音が響く。
「……見事です、バーサーカー」
しかし━━━死んでいない。バーサーカーは生きている。
「まさか、防御ではなく位置ずらしをするとは。成る程、生きていればとはそういうことですか」
「成功しても、生きてるか不安だったがな……ぐっ、おー痛ぇ……」
勝敗が明確になった時点でバーサーカーは思いきり尻餅をついた。その行動はランサーの心理を見透かしているようで彼は若干居心地の悪い感じがした。
「では、今日のところは契約通り立ち退くとしましょう。御武運を……というのは変ですか」
そう言うとランサーの姿は霞んで消えていった。ようやく緊張から解放された、とバーサーカーは今度こそ本当に安堵する。
「っはぁー、一先ずは生きたけど、この先どうなるかなぁ」
不安とこれから始まる戦争に少しの期待を寄せて呟く。バトルジャンキーというわけではないが、武勇を残して英霊となっている以上こればっかりは止められない。
理性があっても
「おい、無事か……えっと、バーサーカー」
「無事じゃねーよ、見りゃわかるだろ」
「あっ……悪い……それより包帯か何か持ってくる。待ってろ」
「謝んなよ……んなことで。あといらねー。オレぁサーヴァントだ、魔力さえありゃ治る」
そんなの関係ないだろ、とマスターが反論する。それでもバーサーカーはいいと言うのだが、彼はしきりに何かさせろと言って止まない。
「……あー、なら飯だ」
「飯?」
「飯くれマスター。魔力の足しになる」
「……はぁ」
頭の整理どころじゃない、もう考えることすら億劫になってきた調は彼女の要求を呑むことにした。
◆◇◆
「はぁ?なんだそれ、聖杯戦争って……ファンタジー?お前頭大丈夫なのか?」
「オレとしては聖杯戦争のせの字も知らねぇマスターに呼ばれたことによっぽど頭抱えたくなってるよ畜生」
そしてその後、口調や先程の荒々しさからは信じられないような丁寧な箸使いでアリアの家に行く前に作っておいた分の料理を口に運ぶ。
「だいたい、オレを召喚した時の様子からしてオマエ、明らかにあのランサーに殺されかけてただろ。オマエも魔術師ならわかるだろ?魔術は秘匿するもの。見られたら最悪殺してでも口封じってよ」
その魔術師が関わる聖杯戦争なら魔術師の常識が存在しないわけないだろ?とも指摘する。
図星だ。確かに聖杯戦争は知らなかったが魔術師のことは知っていた。
そもそもあんな人間離れした動きを見せたあの男とそれと対等に渡り合った少女だなんて普通の人間だとも思えない。
魔術ならファンタジーでもないからな、と他人事のように自分の発言を心中で訂正する。殺されかけた実感もないほどだ。
少し立ち眩みがした。血を流しすぎたかな、と思う。そう思うが早いか━━━実際はあまり早くなかったが━━━戸棚から緊急用と書かれたストローのついたスプレー缶を取り出し、ストローに口をつけて側面についた"開"というボタンを押して━━━中にあるモノを吸う。ある程度吸うと、ボタンを押したことで上に上がったレバーを下げて中のモノを再び閉じ込める。
「……ふぃー、多分これでなんとかなるだろ」
「マスター、なんか悪いのか?血が足りねーならこのレバニラ食うか?」
「わり、貰う」
ほれ、とバーサーカーが箸で掴んで口元まで持ってくる。変なことになってるなぁ、とあくまで他人事のようにそれに従って口に含む。うん、何時も通り味気のない……食べ過ぎると嫌いになるような味だ。
と、そこでようやく頭に血が回ったのか、夕方に言われいたことを思い出す。
「……あ」
「ん?どうしたマスター、まだ質問あるのか?」
「いや、そうじゃないよ。ちょっと待っててくれ、少し寄るところができ━━━」
た、と言う前にバーサーカーは立ち上がる。そしてその先は言わせん、と瞳で語ると再び着席して食を進める。
「バッカ。さっき言っただろ。聖杯戦争は主に夜に起こるもんだって。もしオレなしでサーヴァントと遭遇してみろ、今度こそオマエはクビちょんぱだ」
うぇ……と思わず想像してしまう。流石に生首だけになるのは……ていうか死ぬのは御免被りたい。
「どうしても寄らなきゃいけない用ならオレを連れてけ。そうでないなら日を改めた方がいい」
あくまでも食べながらのことではあるが、彼女は俺の事を心配してくれている。これが結構心に来て嬉しい……かもしれない。
「じゃあ待つことにする。どうしても知っておきたいことがある」
「ふーん……それじゃちょちょいと平らげるかね。少し待ってろマスター」
言うが早いか、これまでの品のある儀礼的な食べ方をしていたバーサーカーは少しそれを崩して、一般的な、普通の食べ方になる。サーヴァントは本来食を必要としないが、生前の習慣で、あるいはマスターの分だけでは補えない魔力を補給するためにしばしば食事をとることがある……らしい。
だから後者に関しては人間とは違って食べたらすぐ
ガツガツとバーサーカーは白い米を口の中に運んで数回咀嚼をして飲み込む。喉が詰まりそうだなぁ、と思うがその辺もサーヴァントなのか、特にそういった気配は感じられない。
「……うし、ごっそさん。オレはもう準備いいぜ」
「はいよ。それじゃさっさと皿洗って出るか」
◆◇◆
バーサーカーと家を出てすぐ、そういえばアリアに連絡してなかったということを思い出してゴムカバーだらけの携帯電話をポケットから取り出してアリアの家に電話をかける。
「夜中とはいえそう遅くもない時間だから出ないはずはないしな……」
ぽつりと独り言をごちる。周りをバーサーカーが警戒しているからか、ただ単に夜中を一人で歩いていることより二人の方が安心するという思考か、想像以上に気が楽だ。
そんな風に考えていると、電話から声が聞こえる。ただしその声は聞き慣れない声だ。
『はい、瀬川ですが』
「……あれ、間違えた?……えーっと、瀬川 アリアさんのお宅で間違いないですよね」
『ええ、アリアは私のホストファミリーですが』
「ああ、そういえば……アリアの友人の調と言います。所用があって今からそちらに伺いたいのですが」
『……多分無理だと思いますよ』
「え?」
違和感。その喋り方ではなく、状況が違和感を与える。つい先程あんな珍事に遭ったからか、瀬川にもなにかあったのかと思わずには━━━
「……あ」
『どうかしましたか?一応用件は伝えておきますので、家に着けなかったらまた明日にでも』
プツン、と電話が切れる。
バカかオレは……!?なんで今思えば如何にも聖杯戦争について知っているという体で接してきた女がいたのに楽観的にしていたんだ!
「バーサーカー、ちょっとヤバイかもしれない。急ごう」
「状況から察して聖杯戦争絡みみたいだな。急ぐに越したことはないぜ」
家に着けなかったら、という言葉からして恐らく今瀬川には人除けの結界のようなタイプのものがある状況か。
焦りつつも、それでも冷静に持ってきた紙片にルーン文字を書いて魔術を唱える。
「
kano、松明を意味するルーンの効果は迷わずの加護。魔術的に隠蔽されているような目的地であっても正しい道を示す、灯りの魔術。
それの効果が現れると、紙片はまるで羽を手にしたかのように飛び出す。しかもそれは不思議なことに雨に濡れない。
「最悪なことにだけはなってるなよ……アリア」
脳裏に浮かんだどうしようもない友人を想いながら、オレは体質で雨に濡れることがないと理解して駆け出した。
Fate/EXTELLA、楽しそうですねぇ……プレイアブルに皆さんのお気に入りや嫁鯖達がいるとよいですね!
え、僕?沖田さんとジャックとかプレイアブルになるはずが……(絶望)