バカと屋上と世間話※(タイトル募集中)   作:てぃーや。

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気づけば放課後になっていた。

「…………」

緊張で顔が真っ青になって降り、ブランコで燃え尽きたジョーみたいになっている明久。

「「………………」」

公園の入口に近い茂みに隠れながら慎重な顔で見つめる俺とみなっちゃん。
やがて5分ぐらいすると、

ひめっちゃんがやってきたのである。


俺と古巣のFクラス-3

--あれは屋上にて。

 

「瑞希を公園に呼び出しなさい。そして自分の思ってることを吐き出しなさい」

 

「え!?そんなこと僕がやったら絶対に無理だよ!?」

 

こいつはこういう時はほんとに弱気なんだよな。

 

「大丈夫だぞ明久」

 

「竜馬……」

 

「人間の脳はな、右脳、左脳で二つあるんだ。その二つをフルに使って言いたいことをまとめておくんだ」

 

「竜馬……言うことはそれでいいの?」

 

「こいつは直感で動くからそれでいいんだよ」

 

馬鹿だしね。

 

「わかった!やってみるよ!」

 

「それで納得するあんたもあんたよね……」

 

みなっちゃんが小声でそういったのは気にしないでおこう。

 

 

「ひめっちゃんが来たぞ」

 

「そうね、これからどうなるのかが不安ね」

 

まさにその通り。

自分のクソみたいなアドバイスが通じてくれただろうかと不安になる。

明久が制服姿に対して、ひめっちゃんは、黒のニット帽、黒のスリムフィットパンツに、白のTシャツとシンプルかつ王道な格好である。可愛さが目立つ分彼女の格好はとてもそれでいいが、ファッションのギャップがありすごくかわいい。

 

「あのね、姫路さん、実は話したいことがあってね」

 

明久は声次第は震えながらも頑張りながら声を出している。

 

「はい、なんですか?明久君」

 

明久の顔を見ながら今にも泣きそうな顔をしてるひめっちゃん。

 

まさか、この娘別れ話と勘違いしてるんじゃ……。

 

「………………」

 

「………………」

 

お互いに続く沈黙に痺れを切らしたのか

 

「みなっちゃん、落ち着け」

 

「離しなさい!あの空気耐えれないのよ!」

 

確かにそうだが、今は耐えるしかない!

すると、その時

 

「…………クズっ」

 

「「瑞希(みなっちゃん)が泣いてる……?」」

 

まさかあの娘ほんとに別れ話と勘違いしてそう……

 

「姫路さんなんで泣いてるの!?」

 

明久も驚くだろう。

 

「くず……私まだ明久君と別れたくないです……エグっ」

 

わぁ、予想が大当たりしてる……。

しかもひめっちゃんのマジ泣きに安咲驚愕。

 

「別れるはずないじゃないか!僕は姫路さんの事が大好きなんだよ!?」

 

男らしいセリフだけどさ

 

「みなっちゃん、落ち着け」

 

「離して竜馬、瑞希の皮を剥いで被らないといけないの」

 

みなっちゃんの前でそれを言わないで欲しかったな。

そのお陰でみなっちゃんがものすごくやってはいけないことを犯しそうになってる。

 

「僕はね、姫路さんに謝りたいと思ってここに呼んだんだ。受かって合格届け見せにいって、姫路さんはまだ焦ってるのに、こんな軽々しいことを……!ほんとにごめん!」

 

と明久は頭を下げる。

 

「…………え?そんなことで謝るのですか?」

 

「ほぇ?」

 

明久は驚きのあまり、自分でも気づかない声を上げていた。

 

「それは合格したのですから当たり前だと思いますし、むしろ私が駄々をこねてしまってこちらが謝らないとって私は思ってました……ごめんなさい!」

 

と、ひめっちゃんも謝る。

いい子だなぁ。

 

「いや!?なんで姫路さんが謝るの!?」

 

 

「けど、私はやっぱり焦ってるのでちょっと、ちょーっとだけ怒ってますよ!」

 

「ほんとにごめん!!何でもするので許してください!!」

 

とジト目で言うひめっちゃんに

明久は土下座をする。

そこまでしなくてもいいのになと俺は思う。

 

「あれは匂うわ」

 

「何が匂うのさ」

 

「あれは悪いと思ってないけど、わざと言って甘やかして欲しいのよ!」

 

「あっ……!ってだからっと言ってひめっちゃんのところに行かないんだよ!」

 

「離しなさい!!ウチは今日から胸が大きい瑞希になるのよ!!!」

 

だめだ、早く解決してくれ。

俺の力でみなっちゃんを止めるのは限界が近い……!

 

「じゃあ三つ言うこと聞いたら許してあげます」

 

「何でも聞きます!!」

 

「じゃあ一つ目は私のことを瑞希って呼び捨てで呼んでください」

 

「……え!?それは恥ずかしいからって言ったじゃないか!」

 

「…………明久君?」

 

「ご、ごめんなさい!瑞希許して!!」

 

文月学園の女の子って怖いオーラ出すの得意なのかな?

 

「二つ目は……」

 

「はい!!」

 

「今ここで私にハグしてください」

 

「はゑ?」

 

また明久がパニクってる。

それは当たり前やな……。

 

「早くしてください!」

 

「わ、わかったよ……」

 

と言い、ぎこちない動作で明久はひめっちゃんの体を抱きしめる。

 

「…………これを毎日やってくださいね」

 

顔を紅くしながら、彼女はそう言った。

 

「三つ目は、明久君と私の志望校ですね……!すごく近いんですよね!だから卒業して私が受かったら一緒に住んでください。これで最後のお願いです」

 

「それはそれで『…………明久君?』わかった!わかったから!住みます!住みますから腕の力を緩めて!!折れる!!折れるから!!」

 

ぱきぱきと言ってる体でわかるように、明久は半ば強制的にひめっちゃんと三つの約束をかわした。

みなっちゃんは近くでドイツ語を唱えていた。

もう彼女の顔はとても怖い。

見たくない、目を合わせたら殺される。

そして、ひめっちゃんは明久の体から離れると笑顔でこういった。

 

「じゃあ仲直りの証に、今日作ってきたマドレーヌがあるので食べてください!」

 

明久は引きつった顔をしていた。

こいつわざと落とすふりをしようとしてるな

だがしかし、俺は食べ物は大好きだ。

落とすなんてそんなことさせない。

ここは入口付近で本当に助かった。

みなっちゃんに

 

「お前の復讐、俺がはたしてやるよ」

 

と言い残し、入口から全力疾走ではいり

明久の頭を掴み、マドレーヌの入った容器に向かって

 

「おおおおおおっとととと!!!手が滑ったあああああああ!!!!」

 

と言い訳し、明久の頭を容器にぶっかました。

 

「え!?安咲君!?」

 

と混乱する姫路さんに対して。

 

「たまたまジョグしてたら通ったんだ!それより明日学校だし、早く帰ろうよ!」

 

「けど明久君が……」

 

「死ぬほどひめっちゃんのマドレーヌ?が美味しすぎて倒れちゃったんだと思う!」

 

と明久の頭で頷かせながら、顎を咀嚼させる。ご飯は美味しく食べないとね。

 

「わかりました……明久君はどうするつもりですか……?」

 

「コイツんち近いから俺が送っとくよ!気がついたら連絡させるようにするから!」

 

「……わかりました!では、気をつけてください!」

 

「うん!ひめっちゃんこそ気をつけて!」

 

「ありがとうございます!」

 

ひめっちゃんも去っていって、ようやく明久の悩みの種を取り除いたのであった。

 

 

「昨日近くの公園で、不純異性交遊が発見されたようだ」

 

「へー、そーですか」

 

「しかも女の子が泣いていたそうだ」

 

「そーなんですか」

 

「それで女の子を無理やりハグしてたそうだ」

 

「ふーん、それで」

 

「それでな、近くにいる人の通報によると、ピンク色の可愛らしい女の子で、雰囲気で馬鹿だとわかるめちゃくちゃブサイクな男らしいぞ」

 

「ほへー、そんな事あったんですか」

 

「らしいな、あははは」

 

「あははは」

 

「…………吉井!!お前また校外で変なことをしたのか!!」

 

「不名誉な!!なんで馬鹿とブサイクで僕なのさ!!」

 

「そんなのお前しかいないじゃないか!!」

 

「ちくしょぉぉぉお!鉄人め!!」

 

「西村先生と呼べ!!」

 

と3年生にもなり、まだ追いかけっこしている仲良しコンビを第三者で見る中で

 

「ねえ竜馬?報告は流石にやりすぎじゃない?」

 

と明久を気遣うみなっちゃん。

 

「いや、見てて楽しいからよしとしよう」

 

「あんたね……」

 

「俺は明久の幸せは好きだぞ。ただ、

 

リア充

 

というものが大嫌いなんだ」

 

と追いかけっこを見ながら、屋上でタバコをふかしながら、俺は決め言葉のように吐き捨てたのであった。

 

 

 

 




--明久が倒れ、ひめっちゃんが去った後。
みなっちゃんも正気に戻り、明久を背負いながら帰っていた。

「ところでさ、みなっちゃん」

「あら、なにかしら?」

俺は今日一番気になった質問をぶつけた。

「こんな聞いて悪いけどさ、なんで振られたのに明久に対してそんなに真剣なんだ?」

質問したのを後悔したが、ここで聞かなきゃいつ聴けるかわからない気がしたからだ。

「…………あんたバカねぇ」

「馬鹿じゃねえし」

「充分馬鹿よ……だって好きな人の幸せを祈るのがウチが今出来ることだもん」

…………なるほどね。

「みなっちゃん、君はほんとに雄二が言うようないい女だよ」

「あら今まで気付かなかったのかしら?」

といたずらぽく笑う彼女は満月の明かりに照らされとても美しく見えたのが印象的だった。


ごめんなさい!
だいぶ文字が多くなりました!
そして読んでくださり本当にありがとうございます!
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