ノーゲーム・ノーライフ・オーパーツ   作:チョコベビー

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感想次第で書きます


『  』VS『オーパーツ』

ー都市伝説

それは一種の願望である

ー例えばそれは人類は月に行っていない

ー例えばそれはドル紙幣に隠されたフリーメーソンの陰謀

ー例えばそれはフィラデルフィア計画の時間移動実験

などなど

その星の数に届く程の都市伝説の中に真実とされているものが2つだけある

片方は

ー280を超えるゲームのオンラインランキングで、不倒の記録を打ち立て、世界ランクの頂点を総ナメにしている名前が空欄のプレイヤーがいる。通称『  (空白)

そして片方は

ー100を超えるゲームをリリースし、その全てゲームが人気沸騰し、数多ジャンルのゲームを作り、その中の1つのゲームにまもなく1年経つのにも関わらず『  』でさえクリアされていない裏ボスがいる。そのゲームを作ったプログラマーの名を『オーパーツ』

 

「そんなわけない」とお思いだろうか?

確かに両者共に交流の機会を作らない

 

故に紹介しよう!

これが紛れもなく『  』と『オーパーツ』の素顔である!

 

●●●

 

「あー死ぬ死ぬ・・・あ、死んだ。ちょっとーリザって~」

 

「・・・ズルズル・・・足でマウス2つは・・・きつい」

 

「いいから、早く~リザリザ~・・・つか、ズルいぞ妹よ!こっちは3日何も食ってないのに!なに優雅にカップ麺食ってんだよ。しかも戦闘中に!」

 

「・・・お腹・・・空いたから・・・にぃも食べる?・・・カロリーメイトとか」

 

「そんなブルジョアの飯誰が食うか!そんなことよりリザれって!」

 

「・・・ズルズル・・・ん、はい」

 

シュヴァァ・・・キュルリン!

 

「お、さんきゅ~・・・つか今何時?」

 

「・・・まだ・・・夜中の8時」

 

「朝の8時を夜中とは斬新な表現だな妹よ。何日の?」

 

「・・・にぃ今日・・・あの日」

 

「ああぁ!テラストの攻略だったな!」

 

「・・・()()()()・・・決着をつけるの♪」

 

「お、やけに楽しそうだねシロロン?」

 

「・・・あのゲーム難しいけど・・・攻略するの・・・楽しいから♪」

 

「そっかそっか!作った甲斐があるってもんだよ!」

 

「私も負けないように頑張ります」

 

「キキもやる気充分だね!」

 

「ーーーって未来!サラッと家に入ってんじゃなねぇ!」

 

「あっそ、折角食パン買ってきたのに・・・」

 

「いただきますあざぁす!」

 

「「効率厨乙」」

 

「るっさい!」

 

ーっとオンラインゲームに興じる1組の男女と少女

 

十六間程の広い部屋にところ狭しと置かれたゲームの数々

LEDディスプレイの淡い光とカーテンから差し込む太陽の光が照す部屋で2人は言う

 

「・・・にぃ・・・就職しないの・・・?」

 

「お前こそ学校行かねぇの?」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

以後交わされる言葉はない

 

ー兄、空。18才・無職・童貞・非モテ・コミュニケーション障害・ゲーム廃人

 

ジーパンTシャツはボサボサした黒髪の青年

 

ー妹、白。10才・不登校・いじめられっ子・対人恐怖症・ゲーム廃人

 

血の繋がりを疑うように兄と対照的に真っ白い。小学生の制服を着た少女

 

ーそれが『  (空白)』すなわち『空と白』だ

 

そして共にいるのが

 

ー幼馴染み、未来(みらい)。18才・ゲームプログラマー・ヲタク・空白のライバル・自己中心的・ゲーム廃人

 

白いワンピースに身を包み、ハーフの証とも言える日本人離れした顔立ちをした金髪の少女

 

そして未来が転がしてきたキャリーケースの中から声

 

ーAI、キキ。未来の補佐・冷静沈着・委員長タイプ・ツンデ・・・

 

「未来何か言いましたか?」

 

「いいえ、全く」

 

ーーーまあ高性能の人工知能である

 

そしてその2人揃って現在の機械学を超える者『オーパーツ』である

 

ーと、まあ知らないままにしといたほうが、夢があっていい都市伝説もまた、存在している

 

●●●

 

それから16時間30分後

つまり午後11時30分

 

『  』はテラバルトストーリー通称『テラスト』にて今まで一度も倒された事のない裏ボス『キキ』の攻略である。

およそ1年前『オーパーツ』は『  』に勝負を挑んだ

「1年掛けて『テラスト』の裏ボス『キキ』を攻略してみろ」

かくして意気揚々と『  』は勝負したのだが、お察しのように、裏ボス『キキ』とはAI・キキであるキキはスパコン20台程のデータを必要とする高知能人工知能故に『  』の性格、癖、好みを元に行動パターンを予測。一度は『  』を退かしたのである。

 

そして『  』のゲーム魂に火を付けた。『  』はレアアイテムを集めて、そして空と白それぞれ両手両足で4つのキャラクターを操作し始めて計8人の万全の対策をとった。かくしてテラスト1周年前日の今日正午から始まったバトルはまもなく半日かかろうとしていた。

 

「残り1分!白決めるぞ!」

 

「・・・サーイエスサー・・・!」

 

空は盾と遊撃、白は射撃と回復をそれぞれこなして『キキ』のHPはもうわずか。しかし『  』もそれは同じ。持ち込んだ消費アイテムは底を尽き、空の盾キャラも刻一刻と死に近づき、白の集中も限界を超え射撃キャラの正確無慈悲な弾道も狂い始め、空と白はそれぞれ遊撃(攻撃専門)と回復がMP切れ間近で満足にできない。

 

互いにギリギリの戦いの中最初に仕掛けたのは『キキ』だった

 

「ヤバイ!強攻撃モーション!白、回復!盾が死ぬ!」

 

「・・・今・・・やってるの・・・っ!」

 

しかし間に合わない。『キキ』の大剣が盾の目の前に迫る。

今盾が死んだら数秒も持たずに負ける

ーーー間に合わない。ならば!

 

「白!」

言葉はそれだけで充分2人の眼光が鋭くなる

ー刹那、空と白の右腕が唸った

 

インフェルノ・アグナロク、ユニコーンショット

 

空が動かすメインアカウントの『  』の最大火力が、白が動かす『sub01』の最大量射撃が跳ぶ

 

ようはーーー殺られる前に殺れ

 

『キキ』の大剣は武器カテゴリの中でもっとも攻撃力がある

 

空の盾キャラが死ぬ

 

がモーションが遅い

 

「ダラッッッシャアァァァ!」

 

空の雄叫びに呼応するように『  』の剣と弾が『キキ』に突き刺さる

 

ボスの防御力と多くのHPをもってしても、このところ攻撃を防ぐことは出来ない

『  』の勝ちだった。

 

「白!タイムログはどうなってる!」

 

しかしまだ『オーパーツ』に勝ったのかわからない。時計は既に0時の秒針を切っている。

 

「・・・0時0分0秒00」

 

「なに!?」

 

空も急いでゲームのタイムログを確認するが

 

ークリア『  』クリアタイム00,00,00,00

 

『  』の勝利は今夜11時59分59秒99までにクリアする事

 

「『  』の・・・」

「あぁぁ、引き分けかぁ~」

 

「「は?」」

 

「だって1年過ぎたとも言えるし過ぎてないとも言える時間でクリアされたんだよ。最後0が1だったら文句なしの『オーパーツ』の勝ちだったんだけどな~」

 

いや、そこじゃなくて

 

「何で未来がここにいる!」

 

「私はゲームプログラマーであって裏ボスじゃないし、やっても『キキ』の足手まといになるだけだから、ずっとここに居たんだけど?」

 

「馴染み過ぎてません!?」

 

「幼馴染みなのに今更なにを言ってるんだろうね?」

 

「・・・さあ・・・白、わかんない」

 

「あれ?俺が悪いの?」

 

そして『  』と『オーパーツ』との勝負は引き分けで終わるのだが、何も知らないプレイヤー達には表上『  』がテラストを最後まで攻略したという事実を知る

 

かくして都市伝説は加速する

 

ではここで1つ

つまらない現実を少しだけ面白くする手伝いをしよう

すなわち、新たな都市伝説を提供するとしよう

差し当たりこんな定型文で始めるとしよう

 

『こんな噂を聞いたことがあるだろうか』と

 

ーテロンッ

 

「・・・みぃ、メール」

 

「いや、私の着信音テンテンテロロンだし」

 

「何故ポケモンセンターの回復音なのか突っ込みたいのはやまやまだが、俺も白も4画面4キャラ操作して疲れてるんだ。頼む取ってくれないか?」

 

「分かったよ。場所は?」

 

「三時方向左から二番目の山の上から四番目のエロゲの下」

 

「・・・音はテロン・・・3番目のメインアドレスの着信音」

 

「了解でぇ~す」

 

異様な記憶力を発揮したのを極当たり前のように流し発掘したタブPCを見ると

 

【新着1件ー件名『  』様へ】

 

「空~白~ガッツリ『  』宛て何だけど?しかもこれって・・・」

 

那由多は空にタブPCを向ける

 

「うん?なんだこれ?」

 

空もこの異様さに気付いたのかゲームのセーブをしてパソコンでメールを開く

 

「何で俺達が兄妹だって知ってんだ?」

 

本文には1つの文とURLが貼られていた

 

【君ら兄妹は生まれてくる世界を間違えたと感じたことはないかい?】

 

「未来お前の仕業か?」

 

「ちょっと待った何処からその結論になる!?」

 

「・・・『  』が兄妹だって知ってるの・・・みぃしか居ない。・・・それとも・・・みぃがネットにバラシた・・・?」

 

「シロロン!?君まで疑ってるの?見なよこのURL!明らかにおかしい!」

 

確かにURLの末尾が『.JP』等という国は3人共知らない

 

「ねぇ、キキ居る?」

 

「はい、何でしょうカ?」

 

「末尾が『.JP』の国を調べて」

 

「検索しましたがありませんでした」

 

「うん、キキの検索に一切のタイムラグがないのが少し気になるが、未来じゃない事は分かった。」

 

「どうする?ノる?」

 

「まあな」

 

ウイルス対策をして慎重にURLを踏むと

なんとも簡素なオンラインチェスの基盤が現れた

 

「シロロン出番だよん!」

 

熟睡しかけていた白を未来が抱きついて起こす

 

「・・・みぃ・・・ウザい・・・しかも・・・今更・・・チェスとか」

 

「確かにそれは・・・まあどちらも分かるけどさぁ」

 

「どちらも、とはどういう事だ~!」

 

「『  』に負けは許されない。さっきみたいにギリギリじゃなく安全に勝つために相手の実力が分かるまで起きていてくれ」

 

「・・・むうぅ・・・分かった」

 

「・・・私はね。寂しいと死んじゃうんですよ」

 

「まあ、ゲームでも作って元気出しましょう?」

 

「いや、帰れよ!」

 

そんな空の叫びを無視して那由多はキャリーケースの中にびっしり詰められたスーパーコンピュータを超えるウルトラコンピュータ略してウルコンを立ち上げる

 

ちなみにこのウルコンはスパコン40台分の力を持っているのにも関わらずキャリーケースにキーボードやディスプレイその他諸々を入れても2台入る未来の傑作である

 

「なに作ってるだ?」

 

「ん?君にプレゼントする全年齢版エロゲですけど?」

 

「おお!ちなみにどんな感じ?」

 

「完成間近、お楽しみにぃ~♪」

 

「オッシャア!」

 

「ってあれ?シロロン?」

 

チェスに向かっていた白の手が止まった

 

「・・・味方の退路を断った?」

 

「待て白、こいつはあえて悪手で誘ってる。人間だ。揺さぶり、誘いは俺が読む。2人で『  』だろ?」

 

白は空を遥かに超える技量を持つ天才ゲーマー

空は読み合い、駆け引き、揺さぶりあいなど『相手の感情』という不確定要素を読むのが常人離れして上手い

 

そしてその2人を解析、データを収集し現代機械学を超えて人間と全く同じ感情を持つ高性能人工知能キキを作り出した未来

キキは未来が作った世界(ゲーム)で1年間『  』を出し抜いた天才AI

 

これが『  』と『オーパーツ』のからくりだった

 

●●●

 

6時間後

 

『チェックメイト』

 

『  』と謎の人物のチェス勝負は『  』の勝利で幕を閉じた。那由多はゲーム作りを止めてそのゲームを見続けていた。

 

「「はあぁぁぁぁああぁぁ~~~~・・・」」

「さっすが『  』だねぇ♪」

 

「・・・すごい・・・チェスで・・・こんな苦戦・・・ひさしぶり」

 

「はは、俺はお前が苦戦するの初めて見たぞ」

 

「え?この前キキとチェスしてギリギリだったよ?」

 

「うん、キキもかなり規格外だな」

 

「ありがとうございます。空も中々活躍してましたよ」

 

「お世辞言ってもなにもでねぇぞ♪」

 

「そうですね。お世辞は言わないようにします」

 

「え!?ガチでお世辞だった!?」

 

ーテロンッ

 

「今の対戦相手からじゃね?開けてみろよ」

 

「・・・みぃお願い」

 

「あれ?いつの間にかメール開け係になってる?」

 

そして開いたメールにはこう書いてあった

 

【お見事。それほどの腕前、さぞ世界が生きにくくないかい?】

 

瞬間3人の心は氷点下まで下がった

 

 

ー生まれつき出来が悪く、その為、人の言葉、真意を読みすぎた兄

 

ー生まれつき高すぎる知能と、真っ白い髪に赤い瞳故に理解者のいなかった妹

 

ーそんな2人を間近で見ていて『  』が壊れないようゲームを作り続けた幼馴染み

 

楽しいとは言えない現在に、白はうつ向き、那由多は目を閉じる

 

そんな下がった空気の中、怒りを込めて空が叩く

 

【大きなお世話様どうも。なにもんだ、テメェ】

 

すぐに返事が届いた

 

【君たちは、その世界をどうおもう?楽しいかい?生きやすいかい?】

 

ここにいる全員が目を見合わせる。言葉は不要。答えは決まっている

 

クソゲー

 

・・・ルールも目的も不明瞭なくだらないゲーム

 

こんな人生に比べればどんなゲームもーーー簡単すぎる

 

 

ーテロンッ

 

メールが届いても構わずシャットダウンしようとする空。それを白が止めた

 

その文面には

 

【もし、単純なゲームで決まる世界があったらーーー目的もルールも明確な盤上の世界があったらどう思うかな?】

 

瞬間察した。ーなるほど、そういうことか

 

『もし、そんな世界があったら、俺たちは生まれてくる世界を間違えたわけだ』

 

そう返信した

 

ー刹那

 

 

メールが表示されていた画面を除いた、部屋の全てがー途切れる

 

白や『オーパーツ』の知識を持っても訳のわからない状況の中

 

返信が来た。こんどは文章ではなく言葉が、スピーカではなく画面から

 

『僕もそう思う。君たちはまさしく生まれる世界を間違えた』

 

同時部屋の隅に光が帯びた。それはまるで

 

『ならば生まれ直してあげよう!君たちが生まれるべきだった世界へ!』

 

展開図のように割れた

 

網膜を焼くまばゆい光から解き放たれ視界を広げると

 

「なんじゃこれぇ~!」

「さあ、知らん」

 

答えを求めていなかっただろう。空の問いに答える。

雑だと思うだろうか?

 

ー空に島が浮いている。これを「知らん」以外でどう答えろと?

 

それがほぼ垂直に見える状況が浮遊感を感じさせる

つまりは紐なしバンジーを行っているという現実が

『  』と『オーパーツ』に「死ぬ」と感じさせた時間はおよそ3秒だった。

 

「ようこそ!僕の世界へ!」

 

同時に落ちる少年が叫ぶ

 

「ここは君たちが夢見る理想郷【盤上の世界・ディスボード】この世の全てが簡単なゲームで決まる世界・・・人の命も、国境線さえも!」

 

「・・・あなた・・・誰?」

 

「僕?僕はね~君たちの世界でいうところの神様?」

 

そんな事を可愛げに語る自称神

そう、そんな事より!

 

「自称神様?何か悪いことしましたかねぇ!?」

 

「もう地面が!地面が!白!!」

 

あまり意味を持たないだろうが白を上に抱え落ちる空

もっと大惨事になるだろうがリリ(キャリーケース)を上に落ちる未来

 

「また会える事を期待しているよ。きっと、そう遠くないうちに」

 

かくして3人と1台はディスボードに放り出された

 




主人公とAIの名前変更
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