アラクニドっぽい何か   作:タランチュラの末裔

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筆者の処女作であり、文才もそんなに無いので変な表現あったらごめんなさい。




蜘蛛の霍乱

騒がしい都会のど真ん中に大きなビルが建っている

 

そのビルには一部の人間しか入ることのできない地下室があった

 

 

 

「次の標的は藤井 義雄、借金から三百万ほどつまんでいるゴロツキだ」

 

地下室の中から低い声が聞こえる

 

 

 

「直接的な関係のある親族は姪が一人だけ、二人とも始末しろ」

 

声の主は大きなソファに偉そうに座るスキンヘッドの大男

 

その後ろには室内にもかかわらずコートを羽織り帽子を被っているメガネをかけた若者と高校生ぐらいの少年が立っていた

 

 

 

「後始末はどうする」

 

メガネをかけた若者が問うと大男は右手に握っている胡桃を動かしながら言う

 

 

 

「そいつは『死出蟲』の仕事だ、お前は殺しに集中すればいい・・・得意だろ? 『蜘蛛』 」

 

「ああ、集中は得意だ」

 

『蜘蛛』と呼ばれた若者は表情一つ変えずに答えた

 

 

 

「・・・『足高蜘蛛』、ついてこい」

 

蜘蛛の一言に『足高蜘蛛』と呼ばれた少年は強くうなづいて答える

 

 

 

「了解です、蜘蛛さん」

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

時刻は昼、普通の学生ならば学校にいる時間である

 

古いアパートの一室の前に二人の男性が立っている

 

一人はコートのポケットに手を入れて無表情でドアを眺める蜘蛛、そしてもう一人はスマートフォンを片手に持ち、蜘蛛の隣に立つ足高蜘蛛であった

 

 

 

「ここが藤井 義雄の家か」

 

「恐らくそうです・・・それと、今学校に潜入している蜚蠊からの連絡によると、姪の藤井 有栖は今日は学校を欠席してるらしいです」

 

「なら家(ココ)にいる可能性が高いな・・・手間が省ける」

 

蜘蛛はゆっくりとインターフォンを指で押す

 

インターフォンの音が鳴り、少し経っても返事がないので蜘蛛は連続で音を鳴らした

 

すると今度は扉の向こうから大きな足音が聞こえる、規則性がない不細工な足音である

 

 

 

「なんだてめぇら、俺に何か用か?」

 

扉が乱暴に開かれる、中から出てきたのは悪人面で口の悪い中年男性

 

写真で見たのと同じ顔に間違いない、今回のターゲットである藤井 義雄だ

 

 

 

「中へ入れてもらおう」

 

蜘蛛は冷静な口調で玄関へと進み室内へ入ろうとする

 

 

 

「なっ・・・おいてめっ・・・ッ!!?」

 

急に来て中へ入ろうとする蜘蛛を止めようとする義雄

 

しかし義雄が蜘蛛の肩を掴もうとした瞬間、義雄の首に細い糸が絡みつき動きを停止させる

 

 

 

「あッ・・・が・・・」

 

蜘蛛はそのまま糸を張り、義雄を吊り上げる

 

気道を塞がれた義雄の目から涙が流れる、大きく開いた口からは汚らしい涎があふれてきた

 

やがて義雄の動きが完全に停止し、何やら股の辺りが湿り始めた

 

 

 

「お見事です」

 

その様を後ろで見ていた足高蜘蛛が仕事を終えた蜘蛛に近づこうとしたその時

 

 

ドアノブを回す音と共に室内の扉から足高蜘蛛と同じくらいの年齢と思われる少女が現れる

 

恐らく藤井 義雄の姪である藤井 有栖であろう

 

 

 

「!?」

 

少女は目に飛び込んできた光景に絶句していた

 

さっきまで生きていた叔父が首を吊り死んでいる様子、そしてそれを見て助けようとしない自分と同い年ぐらいの少年

 

そして何より驚いたのが叔父の首を絞めている糸を握りしめている若者の姿

 

 

 

少女は何が起きているのか理解するのが難しかった

 

そんな中、一瞬で分かった事はただ一つ

 

 

 

叔父が他人に殺されたということだけだった

 

 

 

「(あーあ・・・まぁ、いきなり目の前で人が死んでる姿を見れば普通はこうなるか)」

 

足高蜘蛛は硬直している少女に同情の視線を向けた

 

 

 

「(このまま何の抵抗もなく蜘蛛さんに殺されちまうのか・・・)」

 

足高蜘蛛の予想通り、蜘蛛は何の躊躇もなくスレッドと呼ばれる道具の刃を少女の心臓めがけて飛ばした

 

 

 

しかし少女はスレッドの攻撃をギリギリでかわした

 

 

 

「(なにっ!?)」

 

その光景に足高蜘蛛は驚いた、ただの一般少女が一流の殺し屋である蜘蛛の攻撃を避けたのだ

 

もちろん、足高蜘蛛だけではなく蜘蛛本人も少女の行動に驚いていた

 

 

 

「(助かる為には・・・殺される前に・・・殺すしかない!!)」

 

攻撃をかわした少女の目つきと雰囲気が変わった

 

 

 

「(まさか・・・コイツは・・・)」

 

足高蜘蛛が焦りの表情を浮かべると同時に、少女が蜘蛛に襲いかかる

 

 

 

「がッ・・!!」

 

蜘蛛の首筋にかぶりつき、嫌な音を立てながら蜘蛛の首のスジと肉を噛み裂いた

 

 

 

「蜘蛛さん!!」

 

足高蜘蛛は蜘蛛と少女の元へと走り出し少女の頭をわし掴む

 

そして地面へと思い切りたたきつけた

 

 

 

少女は地面に頭を強く打ち、気を失ってしまった

 

 

 

「・・・なんて奴だ・・・!!」

 

足高蜘蛛がまだ驚いた様子で言う

 

 

「フゥー・・フゥー・・」

 

首筋を抑え、息を乱す蜘蛛

 

即座に呼吸を整えて、足高蜘蛛に視線を向け言った

 

 

 

「・・・その女を連れてこい」

 

「えっ・・・?」

 

「俺の予想が正しければ・・・そいつはとんでもない化け物だ」

 

『化け物』、蜘蛛の口からもっともな言葉が出る

 

足高蜘蛛も今の状況を見て、蜘蛛の発言を否定することはできなかった

 

 

 

「確かに化け物じみてましたけど・・・連れて行ってどうするんすか?」

 

「そいつにとって頼れる人間はもうこの世にいない、連れ帰って『殺し』を教える」

 

「!!」

 

蜘蛛の言葉に足高蜘蛛は驚いた

 

まさか蜘蛛が自分から殺しを教えると言うなんて考えもしなかった事である

 

そして同時にある可能性が足高蜘蛛の脳裏に浮かんだ

 

 

 

「まさか蜘蛛さん・・・こいつに・・・」

 

「・・・余計な詮索はするな」

 

「・・・了解です」

 

足高蜘蛛は倒れている有栖を抱きかかえる

 

そして蜘蛛と共に古いアパートをあとにした

 

 




主人公は足高蜘蛛ですが、最初はあまり主人公してません
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