お楽しみください。
雁夜side
全くなんなんだこの男は!!
そんな心情を隠そうともせずに雁夜は思う、雁夜が怒鳴った後もやれ娘がどうだとか妻がどうだのと愚痴を吐き出し続ける時臣に雁夜は辟易していた。
「ここは家庭問題相談所じゃないんだが…」
ここまで言った所でようやく愚痴が止まった。
「すまない雁夜、今日来たのは他でもない…間桐家当主としての君に用件がある。」
その言葉を聞いてさっきまでの辟易した表情を引っ込めて神妙な面持ちになる、ここからは魔術師同士の会話となる。いくら親しき仲とはいえこれは頭脳戦だ。
「私に娘が2人いることは君も知っているだろう。」
「凛ちゃんと桜ちゃんだろ?それがどうかしたか?」
雁夜が怪訝そうな顔で時臣を見る。
「単刀直入に言うと私の娘2人は才能に恵まれ過ぎた、遠坂を継がせる凛はともかく…桜を一般人として過ごさせるのは危険過ぎる…」
「2人の属性は?」
「凛は五大元素全て、桜は架空元素虚数…」
その言葉に雁夜は驚愕する、それほどまでの才能があるのであれば時臣の懸念にも頷ける、雁夜でもそんなことになれば何かしらの手を打つことは間違いない。
「俺に…どうしとろ?」
「雁夜…桜を養子に迎え入れてくれないか?桜は相手の才能を全て引き出す禅城の血を引いている…悪くない相談だとおもうのだが?」
「家に養子に入れ、間桐家の嫁として保護しろ?という解釈でかまわないか?」
時臣は無言で頷くと胸ポケットから写真を出す、家族全員が移った家族写真だ。そこには時臣と、初恋の女性と2人の女の子が写っている。
「こっちの少し背が小さい方が桜d…」
「ふざけるな!!」
いつの間にか雁夜は怒声を時臣に浴びせていた、時臣の指した桜の顔を見た瞬間11年前の悪夢がフラッシュバックしたからだ。
「いきなりどうしたと言うんだ雁夜…」
雁夜は時臣に11年前の夢からの事を全て話す、自分が間桐を出奔しようとしていたこと、その直前にその夢を見たことを…そして代々の間桐家の当主が受けてきた悪夢のような仕打ちを…
「それは…本当なのか?」
「今は違う、だが桜ちゃんがこの家に来るのは危険過ぎる…もう少しでかまわない…少し時間をくれ…」
今にも泣きそうな顔をした雁夜が吐き出すように紡いだ言葉に時臣はこう答える。
「別に今すぐにと言う訳ではない、少なくとも聖杯戦争が終わる頃までには解答を出してくれ」
「わかった…そこで提案なんだが、同盟を組まないか?」
運命はまた狂う、本来であれば絶対に有り得ない同盟、だが既に物語は歪みきっている
「俺は別に聖杯にかける願いはない、俺達が勝利したら聖杯は遠坂に譲る、これが条件でどうだ?強制契約をしてもいい。」
時臣は雁夜の目をみる、その瞬間2人は握手を交わした。聖杯戦争史上最強の同盟が…いま結ばれた。
ヒゲ陣営強化完了
次は時間が飛んで召喚編に移ります。
お楽しみに