お楽しみください。
龍之介side
「~♪」
警戒な鼻歌を歌いながら、雨生龍之介は今日の獲物を探している…この男、一般的な倫理観を全く持ち合わせていない破綻者である。
「楽しそうですねぇ、リュウノスケ。」
こちらはサーカスの衣装のようなマントを着た大柄な男、彼はジル・ド・レェ元帥、龍之介が召喚したサーヴァントである。余談だが龍之介は魔術師ではない、帰省した際に実家の土蔵で見つけた和綴じの本を使いサーヴァントを召喚しただけの男だ。
「そりゃそうさ旦那!!またcoolな殺しを見せてくれるんだろ?そりゃ楽しいに決まってる!!」
まるで子供のようにはしゃぐ龍之介、それに呼応するかのごとくジル・ド・レェ元帥…キャスターも笑顔になる。
「リュウノスケ、貴方の瑞々しい感性と貪欲なまでの好奇心には毎回感心していますよ。」
端から見れば格好さえまともなら教え子を優しく誉める教師とヤンチャな生徒のようにも見える、だがその雰囲気は余りに邪々しく、そしてこれから成されようとしている事柄も、また救いようがないほど悲鳴と血にまみれている。
そして今日もキャスター風に言うのであれば涜神の宴が始まろうとしていた、いや、始まる筈だった…
「外道共が…」
「はて…何か言いましたかリュウノスケ?」
「いんや、何も言ってな…グッ…!?」
リュウノスケが苦悶の呻き声を上げる、サーヴァントの中では弱い部類とはいえ人間を遥かに上回る英霊が見ることすらできない攻撃を加えられたことによりキャスターは一気に警戒レベルを引き上げる。
「チッ…少し手加減しすぎたか。」
「何者です!!」
キャスターが声のした方向を向くと1人の男がいた、全身黒ずくめの格好に身を包み、顔はなんてこともない、よくいえば中性的、悪くいえばモブキャラのようは顔立ちをしている、だがその顔は酷薄そうな笑みを浮かべ、先ほど龍之介を貫いたことで血にまみれた手を気にしていた。
「名無し《notname》とでもいえばいいのか?」
「貴様よくも私のマスターを!!!」
怒り狂い趣味の悪い本を開くキャスター、本が輝いたかと思うと蛸やヒトデのような気持ち悪い生物が大量に出てきて男に襲いかかる。
「無駄だ」
男はそれだけ言うと海魔の群れを気にすること無く歩いていく、普通であれば海魔によって骨も残らないが男は違った、男に触れた海魔は全て男を傷付ける前にエーテルに還ってしまったのだ。
「やはり有効か。」
「ッ…リュウノスケ!奴は危険です!!ここは逃げ…」
「旦那ァ…見てくれよ、綺麗な赤だろ…?」
キャスターは自らのマスターを見て驚愕する、自分の腹から流れ落ちる血を見て恍惚としているのだ。
「どこを探しても見つからない筈だよ、こんなに近くにあったんだから…」
「リュウノスケ!!!今はそうなことをしている場合では…」
「お喋りはそこまでだ…消えろ。」
そこでキャスターの意識は途切れた。
「アハハ…旦那の首が無くなってら…」
そこで龍之介も息絶えた。
快楽殺人者コンビにはとっとと退場いただきました。
いや~湯川君のエーテル無効化は最強ですね。
次回もお楽しみに。