異世界御伽草子 ゼロの使い魔!   作:ユウジン

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強奪

「貴女とは決着をつけたいと思ってたわ……」

「奇遇ね、私もよ」

 

デルフリンガーを購入した日の夜……外では互いに火花を散らし合うルイズとキュルケ……一人我関せずの状態のタバサ……火花を散らす二人をみながら塔に縛り上げられて吊るされる闘夜の四人がいた……何故こんな状態なのか?それは少し時間を戻してみればわかるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーん……」

 

学園まで戻った闘夜とルイズはそれぞれ時間を使っていた。ルイズは授業の予習を行い、闘夜は買ってきたデルフリンガーを布で拭いていた。とは言えちっとも綺麗にはならない。

 

「もう諦めたら?その剣磨いたって綺麗になりゃしないわよ」

「ひでぇ娘っ子だぜ。そんな口だと男がよってこねぇぜ?」

 

とデルフリンガーが言うと別に良いとルイズは返した……それを聞いた闘夜は苦笑いをする。

 

「いやぁ、そうなんですけどね……あーあ……刀々斎さんなら綺麗にできたんだろうなぁ」

「誰よそれ」

 

ルイズは体ごと闘夜の方をみた。それをみた闘夜は壁にたてた鉄閃牙を指差す。

 

「鉄閃牙を打った刀鍛冶ですよ」

「へぇ~」

 

ルイズは鉄閃牙をみながら声を漏らした。

 

「うーん……確かにスッゴい魔剣だなこいつは……」

「わかんのか?」

 

闘夜はデルフリンガーの言葉に驚いたような顔になる。

 

「まぁな……その剣ヤッバイ力眠ってるぞ……気を付けろよ相棒」

「分かってるって」

 

そう言ってもう一回布で擦ろうかと思っていると……

 

「ヤッホー!ダーリン!」

『え?』

 

闘夜とルイズは突然扉が開かれたことに驚いているとそこにキュルケとタバサが入ってきた……

 

「んなっ!何であんたがここに!」

「はいはーい、男のプレゼントにお金がないなんて言うお嬢ちゃんに用はないわ。用があるのはそこにいるダーリンだけよ」

「人の使い魔を勝手にダーリンにするんじゃないわよ!」

 

と、喧嘩する二人……呆然とみていると壁に寄り掛かりながら座る影……タバサである。

 

「ええと……タバサ……ちゃん?さん?」

「……幾つ?」

「15です」

「……同じ」

 

へ、へぇ~同い年なんだ……と闘夜は苦笑いした……ぶっちゃけ年下だと思っていたのだ。一応確認とってみたが年相応に見えん……ここの住む人は年齢と見た目が釣り合わないのだろうか……

 

「……その剣……」

「え?」

 

タバサが指差す先にあるのは鉄閃牙だ。鉄閃牙(こ れ)がどうかしたのだろうか……

 

「見せて……」

「あ、あぁ……」

 

何を考えているのかわからない……だが別に見せても問題はないので闘夜は大人しく渡した。

 

「……?」

 

タバサは鞘から少し抜くと首をかしげた……そりゃそうだろう……何せタバサがみたことあるのはこんな錆びた形ではなく新品同様の牙のような剣だったのだから……

 

「あぁ……実はそれ俺以外が抜いても変化しないんですよ……」

「そう……」

 

とタバサは興味をなくしたようで鉄閃牙を鞘に戻す闘夜に返して本を読み始めた……

 

何がしたかったんだろう……眼を見ても感情が感じれないし闘夜にはタバサという少女がまるで人形のようで不気味に感じた……

 

「で?トーヤはどっちを選ぶの!?」

「え?」

 

ルイズの言葉で闘夜は喧嘩してた二人を思い出した……いつのまにか自分の 世界に入っていたので完全に聞きのがした……それをみたルイズはため息を一つつくと……

 

「私が買ってやった剣と……キュルケの剣……どっちを選ぶの?」

「………………………………」

 

闘夜はブワっと嫌な汗が出てきた……

 

「考えるまでもないわね、そんなオンボロより私の剣が良いわよね?」

「トーヤ……主人がせっかく買ったものを捨てるなんてそんなことしないわよね?」

「え、えと……」

 

闘夜は背中から汗をダラダラ掻いていく……ヤバイ……そう思った。

 

闘夜的にはどっちも良いと思う……だが闘夜の野生とも言える超人的な勘が言っていた……どちらを選んでも……()()()()と……そこで闘夜が導きだしたのが……

 

「ど、どっちもってのは……」

『ダメに決まってるでしょ!』

「デスヨネー……」

 

闘夜は退路を断たれたという絶望に包まれる……するとタバサが口を開いた……

 

「なら……勝負」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴女とは決着をつけたいと思ってたわ……」

「奇遇ね、私もよ」

 

というわけで冒頭に戻る。タバサの一言でヤル気満々といった感じの二人に逆らえるわけもなく吊るされた闘夜は息を吸う……そして、

 

「やめましょー!こんなのー!」

 

だが二人の耳には入らないしタバサも我関せず状態である。

 

「先にどうぞ?()()()()()()

 

ピクッとルイズの額が動いた……上等だと言わんばかりにルイズは杖を引き抜きブツブツと呪文を唱えた……

 

闘夜は叫んで辞めて貰おうとしたが……

 

「ファイヤーボール!」

 

遅かった……ルイズの呪文が完成し次の瞬間闘夜の背後で大爆発……闘夜は爆風にあおられて蓑虫のように揺れて気持ち悪くなってきた……

 

「うぇ……」

 

しかし背後の壁をみて闘夜に戦慄が走った……何せこの分厚そうな壁にヒビが入っているのだ……割りとマジでヤバイ……こんなのが直撃しようもんなら危なかった……

 

そして今度はキュルケである……フフンと鼻を鳴らし杖を引き抜く……それをルイズは歯を噛んで見送った……そして、

 

「ファイヤーボール!」

 

ルイズと同じ呪文だった……闘夜は爆発するのかと思い身を竦めたが勿論するわけもなく火の玉が飛び出し闘夜を吊るすロープを焼いた……もちろん重力があるので落ちていくがそこもキュルケが杖を降ってゆっくり落下するようにしてくれた……

 

「私の勝ちね」

 

勝ち誇ったキュルケの顔にルイズは歯軋りで煙が出そうだった……とは言え闘夜もここまで来るとどうだって良くなってきたのでゆっくりと縄を体からはずし肩を動かす……コキコキ言う体に息を一つ吐いてから闘夜は立ち上がった。

 

「ん?」

 

するとなんだろう……ルイズとキュルケがポカンとこっちをみていた……そして、

 

「トーヤ!走って!」

「は?」

 

闘夜はよくわからず首をかしげた。そのなかルイズは声をあげて後ろをみろと言う……

 

「後ろって何も……え?」

 

闘夜の目の前にあったもの……それは……巨大な……土でできた巨人だった。

 

「うわぁ!」

 

その巨人はこっちに向けて歩を進めてきた……このままだと踏んづけられると思った闘夜は慌てて飛び上がって回避した……とは言え巨人は闘夜たちには興味がないらしくそのまま拳を握り……そして、

 

『っ!』

 

壁をぶん殴った……幾ら頑丈に作られてるとは言えルイズの魔法でヒビが入っていたためかあっさり崩れた……

 

「な、なんなんですかあれ……」

「ゴーレムよ……ギーシュのワルキューレみたいなもんよ」

 

というルイズの説明を受けてる間にそのゴーレムはただの土くれに戻った……

 

「壁壊していっただけ?」

「そんなわけない……」

 

近くによりながら四人は見に行く……闘夜は壁が崩された部屋を見上げると……

 

「ちょっとみてきます」

 

そう言って闘夜はジャンプするとそのまま崩れた部屋に入る……中は物が散乱していたが……そこに一枚の紙があった。

 

「部屋の中にこんなのが……」

 

部屋から飛び降りながらルイズに紙を渡す……それをみるとルイズは眉を寄せた……

 

「何て書いてあるんですか?」

「……破壊の杖……確かに頂戴しました……土くれのフーケ……」

 

その言葉にキュルケとタバサも眉を寄せた……闘夜もたしか武器屋の親父がそんな名前だしていたような……と首をかしげる。

 

それにしても……こんなでかい傀儡を操るということはギーシュより格上の相手なんだろう……魔法の知識が皆無の闘夜でも何となくそこは理解できた……しかし、

 

(破壊の杖ってなんだ?)

 

と、闘夜はそっちの方の意味の方が興味があったのだった……

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