半妖の夜叉姫見たら書く気力がムクムクと……また頑張って書くぞ~!
ヴェセンタール号
ヴェセンタール号は、竜を載せるため巨大な平甲板を持たされた船である。
さらにその巨大故に、作戦指令室のような部屋も設けられており、そこでは連日アルビオンに勝つため会議が行われていた。
そこには今回のトリステイン側の切り札とも言えるルイズや闘夜の姿もある。虚無については秘密のはずだったのだが、まぁ今回はいきなりルイズが来ても作戦に参加できないだろうとのことでバらす運びになったのだがどうもこれはこれで扱いが雑と言うか使える道具くらいにしか思われていないらしい。
その為闘夜はモヤモヤしつついたが、ルイズはそれよりいかに今回任された作戦を完遂するかが重要らしく余り気にした様子がない。
そして教えられた作戦なのだが、まずこちらの軍隊をアルビオンに上陸させるには二つの案があるらしい。
まずひとつ目の名はロサイス。もう一つはダータルネス。どちらもこちらの六万の軍勢をアルビオンに上陸させるには十分な広さがあるが、立地と僅かに大きいと言うことでロサイスがいいとなったのは良いものの、向こうもこの二つを狙ってくることは百も承知だ。それぞれ相応に警戒している。ならばどちらかに引き付ければ片方の警戒に当たっている軍勢も寄ってくる筈だとルイズにいってきた。ようはルイズ頼みである。虚無を使ってそれをやれと言ってきているのだ。
虚無を何でも出来る万能魔法かなにかと勘違いしている様子の相手にもルイズはやる気に満ち溢れた様子。それを闘夜は少し冷めた様子で見ていた。
そんな事があったあと、二人はだんまりを決め込んだまま外に向かう。
未だに気まずい空気を纏ったままの二人だが、ルイズはそれと同時に任務へのやる気にも漲っていた。
闘夜とは気まずいがいつまでもそれを引きずっている状態ではないと言う気持ちもある。貴族としてこの任務を失敗はできない。
とはいえエクスプロージョンは使えないので、別の虚無の魔法を探さなきゃならないのだが、まぁこれは必要なときに読めるようになるらしいので自室に宛がわれた部屋に戻ったら探してみよう。
しかし、
『……』
本当に気まずい……さっきから一言も交わしていない。どうにか会話を始めないとずっとだんまりのままになる……そう思いルイズは思いきって声をかけようとした瞬間、
「おい」
『ん?』
甲板にでると二人の目の前に一人の少年が立ちふさがって声をかけてきた。
「なによ」
「あれは君達の物か?」
ルイズが警戒の色を浮かべながら聞き返すと少年はそうさらに聞き、闘夜が頷く。すると、
「あれは生き物か?」
「いや、生きてはいませんが……」
闘夜はそう答えると聞いてきた少年がガッツポーズをしながら飛び上がった。
「やったぁ!聞いたか!?生き物じゃないってさ!俺の勝ちだな!1エキューだぞ!」
『……は?』
闘夜とルイズがポカンとしながら声を漏らす中、少年の背後でゼロ戦を興味深げに見ていた目の前の少年たちから歓声や不満げな声が漏れ出す。
因みにあとで知ったのだが……どうもゼロ戦が生き物か否かで賭けをやっていたらしく、ルイズいわくこんなときに賭け事なんてと言っていたが、まぁ彼女も任務の前にギャンブルで有り金全部スッた前歴があるので余り説得力は無かったのだが……
「いやぁ、急に悪かったね。驚かせて」
そう言って闘夜の背中を先程話しかけてきた少年はバシバシ叩く。
「君の乗り物が竜かどうかで皆と揉めてね。お陰で稼がせてもらったよ」
「は、はぁ……」
任務を任された夜、闘夜たちのテントに集まった少年たちは闘夜を巻き込んでどんちゃん騒ぎに興じていた。
闘夜の方も若干困惑しているものの気の良い奴らなのは確かなので一緒にお酒を飲んでいる。だがそれを不機嫌そうな眼で見ている影があった。
「……」
言うまでもなくルイズである。
男というのは単純で良い。すっかり闘夜は皆のオモチャだ。だがその前に自分の相手をしろと思う。
早速明日にはロサイスから兵を引き付けるべく、ダータルネスに向けて飛ぶのだ。そこは魔法を考えつつ二人で静かな時間を……と考えてそう言えばこっぴどく振ったのは自分だと思い出す。
いや、そもそも闘夜があっさり引き下がるのが問題なのだ……なんてぶつぶつ文句を言いつつも、ルイズはパラパラと祈祷書をパラパラと捲っていると、
「っ!」
思わず声を出しそうになったのを、ルイズは自分で口を塞ぐことで耐えた。
(これは……)
祈祷書には今まで見たことのない魔法が書いてある。
(そうよ。この魔法なら!)
ルイズはその魔法を見ながら、ニヤニヤと笑みを浮かべていた。そんな光景を見ながら、
「君の恋人随分楽しそうだけど、何かあったのかい?」
「いやあの……恋人って訳では」
いやいや使い魔って言ってたけど、どうみてもそんな雰囲気じゃないだろ。と少年たちに詰め寄られる闘夜がいたのだが、ルイズがそれに気づくことはなかった。