異世界御伽草子 ゼロの使い魔!   作:ユウジン

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おまたせして申し訳ない!


ホントの気持ち

『……』

 

戦いを終え、戻ってきたルイズと闘夜は、ベットに腰を掛けていた。

 

「二人で話したいこともあるでしょうし」

 

とシエスタはテファと一緒に別の部屋だ。

 

「あ、あの」

「ね、ねぇ」

 

同時に声を掛けてしまい、若干気まずい空気が流れる。そっちが先に、いやそっちが、と譲り合い。

 

「じゃ、じゃあ俺から」

 

と闘夜が先に話し出す。

 

「きゅ、急にこんなところまでどうしたんですか?」

 

ルイズも、きっとそこが気になるだろう、と思っていた。

 

だから聞かれたら、なんて言おうかと、ずっと考えていた。そして決めていた。

 

「トーヤに会うためによ」

「え?」

 

そんな答えが来るとは思わず、闘夜は慌てる。そんな姿を見てルイズは、

 

「トーヤ。貴方に言いたいことがあるの」

 

ルイズは闘夜の目を真っ直ぐ見つめ、ずっと言いたかった言葉を紡ぐ。

 

あの時言えなかったこと。伝えたかったこと。全てを乗せて、放った言葉。

 

「好きよ。貴方のことが」

「ルイズ様……」

 

闘夜は呆然と言葉を聞く。

 

「年上だからとか、貴族だからとか、そんなのどうでもいい。貴方が居なくなって、そんなのに縛られるくらいなら、ちゃんと伝えればよかったって、そう思ったの」

 

ルイズは体を乗り出し、闘夜の眼前に迫った。

 

「もう遅い?」

「そんなこと……ないです」

 

闘夜がそう答えると、眼前に迫っていたルイズの顔との距離がゼロになる。

 

キスされた。と思い至るのに、たっぷり五秒使うと、

 

「好き。大好きよ。トーヤ」

「お、俺も好きです。ルイズ様」

 

そう言って、今度は闘夜の方からキス。ルイズも抵抗せず、それを受け入れた。

 

その後も、色々な話をした。学園を飛び出してからの、ルイズとシエスタの珍道中や、ここでの子供たちとに話。

 

でも話が節目を迎えると、またキスをする。

 

話も尽きてくると、キスの時間が長くなって来た。段々息継ぎ位でしか離れなくなってくる。すると、

 

「いたっ」

「あっ」

 

ルイズが呻き、闘夜が慌てる。

 

「す、すいません」

「ううん。でも気をつけないと危ないわね」

 

油断し、闘夜の牙に当たっただけで、別段血が出たわけじゃない。だから心配しないで大丈夫だと言わんばかりに、またルイズはキスをした。

 

「ルイズ様……」

「なぁに?」

 

キスのし過ぎで、段々酸欠みたくなってきた二人。そんな中闘夜が、

 

「解んないんですけど、何か凄くモヤモヤするっていうか、ドキドキが止まらないっていうか」

「……」

 

頬を紅潮させ、切なそうな声をだす闘夜に、ルイズの中の何かが崩れそうになる。

 

(お、落ち着きなさいルイズ。す、好きは好きだし、気持ちを抑えるつもりはない。た、ただまだ早い)

《そんなことはないぞ!ルイズ!》

(あ、悪魔の私!?)

 

脳裏に浮かぶのは、悪魔の羽と尻尾をはやした自分だ。

 

《トーヤは何も知らないんだぞ!ならアタシがトーヤをリードしてトーヤに手取り足取りしちゃおうぜ!》

《イケませんよ。ワタシよ》

(て、天使の私!?)

《まだ年端もいかない少年です。ゆっくり時間を掛けて愛を育むのです》

 

悪魔の自分と天使の自分に挟まれ、ルイズは内心悶えていると、

 

「ルイズ様……」

 

ギューッと抱き締められた。その時だ。何か腰というかお腹の辺りに、当たる感触。

 

武器はシエスタが邪魔になってはいけない(特にデルフリンガーとか)と言って、持っていってしまった。

 

なので当たるものなど無いはずなのだが……

 

(つ、つまりこれはそういうことっ!?)

 

闘夜は、自分が今どうなっているのかわかっていない。意味が分からず、でも興奮している。

 

《イケませんよルイズきゃあああああ!》

 

天使のルイズがなにか言おうとしたが、エクスプロージョンで消し飛ばした。最早自分を阻むものはない。

 

「と、トーヤ」

「は、はいっ」

 

突然意を決したルイズに声を掛けられ、何事かと固まると、

 

「わ、私に任せなさい!」

「ひゃ、ひゃい」

 

ルイズもあまり詳しくないし、経験なんて勿論ないが、ここまで来たらどうとでもなれだと言わんばかりに、ルイズは闘夜の上に乗り、

 

「好きよ。闘夜」

「好きです。ルイズ様」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、最後までしちゃったと」

「う、うん」

 

明くる日、川で、シーツを洗っていたルイズの元に、背後からシエスタが忍び寄り、問い詰めた所ルイズはあっけなく吐いた。

 

「い、意外と血って出るものねー」

 

アハハ〜っと笑ってごまかそうとするが、半目のシエスタに見られ、すぐに黙った。

 

「ルイズさん。仮にも年上の貴方が、ホイホイと手を付けるというのはいかがなものかとおもいますけどね」

「ご、ご尤もです」

 

ガックリと肩を落とすルイズ。だが、

 

「る、ルイズさん」

「ん?」

 

シエスタはルイズにこっそり耳を寄せ、

 

「ど、どうでした?」

「ど、どうって?」

「相性ですよ相性」

 

突然の話題に、ルイズはひっくり返りそうになったが、少し悩んで、

 

「く、癖になりそう」

「ほうほう」

 

ニヤニヤしてくるシエスタに、ルイズは顔を真っ赤にしながら、そっぽを向くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっくしょん!」

「何だ相棒。風邪か?」

「いや、風邪なんて引いたことないんだけどなぁ……」 




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