異世界御伽草子 ゼロの使い魔!   作:ユウジン

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第十二章 英雄の帰還
来訪者


「穏やかですねぇ」

 

シエスタがのんびりと空を見ながら、そんな事を呟く。

 

今、皆で青空の下でピクニックに来ていた。平和である。

 

パンを食べながらお茶を飲む。そんな時間が何とも愛おしい。そこに、

 

「何を、している?」

『ん?』

 

突然掛けられた声に、闘夜達が振り返ると、そこにいたのは、

 

「確かエルメスさん!?」

「アニエスだ」

 

そこに立っていたのは、アンリエッタの腹心。アニエスだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「つまり、貴方も陛下の命で闘夜を探してここに?」

「えぇ、ミス・ヴァリエール。戦争が終わり、生き残った者たちから聞いた話に、一人の白髪の少年に滅ぼされた、という話がありましてね。生きていると踏んだ陛下が、私をこの地に派遣したのですよ。まさか先を越されていたのは驚きでしたが」

 

成程。と闘夜達が頷くと、

 

「え?戦争終わってたんですか!?」

「うむ。まだ一月も経っていないがな」

 

闘夜が驚きの目で見ると、アニエスはなんてことないように言い、

 

「戦争中であれば、私が陛下のそばを離れるわけがないだろう。彼女達も、ここに来れるわけがあるまい」

「そういえばいってなかったわね」

 

ルイズとシエスタは遠い目をしつつ、アニエスは続ける。

 

「この戦争の首謀者である、クロムウェルは、ガリアの手によって倒された。砲撃で拠点を破壊され、死体も残らなく、呆気ない結末だ」

「がりあ?」

 

アニエスの説明に、闘夜は首を傾げると、

 

「大陸でも最大級の軍事国家よ。まぁでも、今の王様は無能王なんて呼ばれてるらしいけどね」

「そんなにヤバいんですか?」

「何でも、当時跡目争いをした弟を謀殺し、その地位を得たって言われてるわね」

「跡目争いってどこの世界もあるんですねぇ」

 

戦国時代でも良く聞く事なので、闘夜も何となくそれは分かる。

 

「まぁ一先ずだ。王宮に連絡して使いを寄越させる。そしたら早急にお前には帰ってきてもらう。構わないな?」

「ま、まぁルイズ様もいつまでも学校休ませるわけにいかないので」

 

学校サボってきてたのか……とアニエスの冷ややかな目線を、ルイズは目を逸らしてかわしつついると、

 

「そ、そっか。トーヤ帰っちゃうんだ」

 

と、テファが口を零した。その時、

 

「あぁ!テファおいていくわけに行かないじゃん!」

『はい?』

 

急に叫ぶので、皆がポカンとすると、

 

「だってルイズ様!テファも虚無の担い手なんですよ!」

「ば、馬鹿!ここで担い手の話は……ってティファニアも!?」

 

ルイズは思わずビックリ眼。テファはそれを見て困った顔をする。

 

「成程。ミス・ヴァリエールと同じか」

 

そんな中、アニエスは至って冷静だ。

 

「知ってたの?」

「陛下から一応な。だが他にもいたのか」

「多分まだいます」

 

何?と闘夜の言葉に、アニエスが眉を寄せると、

 

「実は……」

 

と、先日襲われた件を話すと、アニエスはますます顔を顰めた。

 

「それは早急に陛下に伝えなければならないな。分かった。彼女も連れて行こう」

「ま、待ってください。子ども達は……」

「それなら心配ない。国が管理する孤児院がある。先日の戦争の後、陛下が設立したものでな。人員を増員させているから、ここにいる子供達が増えた所で問題はない」

 

何より、このままここに残るほうが子供たちまで危険だ。というアニエスに、ではそれならと頷いた。テファも、争いが得意な訳では無いし、使い魔がいるわけでもない。

 

「あ、それとテファも使い魔呼んだほうがいいんじゃないかな?いざって時に守ってもらえるように!」

「え?あ、あぁうん。でも呼んだ人が怖かったら嫌だから、今はいいかな。呼び方もわからないし……」

 

そう言って困った顔をするテファに闘夜は、

 

「じゃあいざって時は俺が守りますね!」

「う、うんよろしくね」

 

はにかみながら笑うテファに、ルイズとシエスタの勘が警鐘を鳴らす。

 

「駄目よ」

「え?」

「駄目ったら駄目です」

 

ルイズとシエスタにそう言われ、テファは再び困った顔をするのだった。

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