異世界御伽草子 ゼロの使い魔!   作:ユウジン

78 / 81
帰還

「うーん。痛いよー」

 

ベットの上でウンウン唸っているのは、ギーシュである。

 

さて、タバサ救出作戦から2日。闘夜達はトリステイン領土まで戻ってきたのだが、

 

「このまま帰るのはまずいだろうね」

 

と、コルベールは言った。というのも、表面上は、闘夜達の大立ち回りの上で脱出したことになっているため、真っ直ぐ帰るには不味いとのこと。

 

「一度僕が陛下の話をしに行く。ここで待っていてくれ」

 

とコルベールとキュルケは、アンリエッタの元まで行ってしまい、残った面々で、ギーシュの看病をしながら待っていた。

 

とは言え、ギーシュの怪我も、致命傷はギリギリで避けており、タバサの治癒魔法もあってか山は越えている。

 

ただ単に大袈裟なだけだ。

 

因みに闘夜はもう治っている。

 

「先生どれくらい掛かりますかね」

「さてねぇ」

 

闘夜とルイズとタバサとシルフィードの四人でトランプをしながら、時間を潰す。

 

そんな平和な時間だったのだが、

 

「っ!」

「?」

 

ルイズはビクンと体を揺らし、顔を青ざめる。

 

「どうかしました?」

「い、いやなんかすごく今嫌な予感が……」

 

謎の第六感が働き、顔をルイズが振った時、

 

「ルイズゥウウウウウウウウ!」

『っ!』

 

轟く怒声に、闘夜達の体がビクッと跳ね上がる。ルイズは同時に顔色が真っ青になり、

 

「嘘でしょ?」

 

恐る恐るオストランド号から下を覗くと、

 

「アレって」

 

闘夜には見覚えがあった。それはルイズの実家に行った時に見た、ルイズの母親だ。

 

「ルイズ様のお母様?」

「こ、殺される……っ!」

 

ルイズは震えながらアワアワと下がるので、どうしたのかと聞くと、

 

「お母様はね。昔烈風の二つ名で言われたメイジで、規律を重んじる人なのよ。普段はお父様を立てて表にはでないけど、あの状態のお母様は全力で殺しにくるわ!」

「そ、そんな怖いんですか!?」

「あの状態のお母様はお父様も逆らえないわ。我が家で一番大事怒らせてはいけない人なのよ!」

 

だがそんな中、

 

「ルイズ!でてきなさい!出てこないと船を壊すわよ!」

 

そういうが早いか、船風の塊を叩きつけてくる。バコン!っと凄まじい音がし、皆で顔を見合わせる。

 

「ど、どうします?」

「どうしようもないわよぉおおおおおおお!」

 

ルイズの叫びが木霊する一方、ガリア領の一角にある森の中に、

 

「もう治ったのか」

「回復力を高める薬を何十本も飲んでなんとかね」

 

未だに体に残る違和感は拭えないが、それはおいおいだろう。

 

「全く。まさかあの魔剣にあんな技があったとはね」

 

それでこれからどうするのだ?と問い掛けるビダーシャルに、シェフィールドは、

 

「一先ず帰りましょう。この仮はいずれ返すわ」

 

シェフィールドはそう言って歩き出し、ビダーシャルは付き従う。

 

未だ、悪意は終わることはない。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。