ラブライブ!ワンライSS劇場ッ!   作:HEAT

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誕生!新たなる生徒会長(お題:なし)

 ラブライブの決勝や、卒業式やらで忙しかった春が終わり、夏が始まった頃、西木野真姫は思い悩んでいた。真姫にとってこれほど悩んだのは生まれて初めてだ。

「もぅ……ホントに意味わかんないっ!」

 

 事の始まりはつい昨日、真姫の通う音ノ木坂学院生徒会室で起こった。生徒会長の高坂穂乃果は昼休みに急に真姫を生徒会室へ呼び出したのだ。穂乃果は真姫にとっての数少ない友人であり、μ'sとして共にスクールアイドルをやってきた仲間の一人である。

 

 真姫が部屋に入ると、正面に穂乃果が、その両隣にμ'sであり、生徒会役員の園田海未と南ことりが座っている。滅多に来ない部屋に来たせいか、真姫は緊張しながら穂乃果を見つめていた。

 

 緊張する真姫に対し、穂乃果は微笑みながら話しかけた。

「あのさ、真姫ちゃん。突然だけど、生徒会長やってみない?」

 真姫は驚き、その場に硬直してしまった。それも当然だ。まさか穂乃果が自分なんかに次期生徒会長になることを勧めるなんて。真姫は夢でも見ているのかと思った。

 真姫は直ぐさま断ろうと思った。「お断りします」なんていつもなら言っていただろう。しかし、今回に限っては何故かその言葉が出なかった。自分でもよく分からないのだが、きっとμ'sのメンバーとして、穂乃果達の友人として、そして仲間として1年以上一緒にいたからだろう。仲間の頼みを素直に断われない自分が1年間で形成されてしまっていたのだ。

 なんたって、真姫にとってμ'sの8人の仲間は数少ない心の拠り所であり、数少ない信頼出来る人達だ。そう簡単に断れるはずない。

 

「あれ……どうしたの? 真姫ちゃん……おーい! 真姫ちゃーん!」

 穂乃果は硬直して放心状態になってる真姫を呼んでみる。返事がない。

 穂乃果の隣で海未が呆れ顔で話しかける。

「穂乃果……急にあんなこと言うから真姫が固まってしまったじゃないですか……」

「でもでも! 他に思い当たる言葉がなかったんだもん!」

 穂乃果は可愛らしくぷぅーっと頬を膨らませ、海未に反論する。

「全く穂乃果は……」

 海未は穂乃果から顔を背けた。

 

 真姫は生徒会の面々が困惑している様子を見て何か言わねばと考える。そして考えに考えた結果がこうだ。

「あの、穂乃果……ちょっと考えさせて」

 真姫は戸惑って中途半端な返事をしてしまい、自分がどれだけ予測できない状況にいるかを把握した。

「真姫ちゃん……?」

 穂乃果の隣にいることりが不思議がって真姫に問う。それもそうだ、いつものようなクールで冷静沈着な真姫ならしっかりとした意見を言うからだ。

 

 真姫は考える。穂乃果の頼みは断われない。でも自分なんかが生徒会長になっていいものかとも思う。穂乃果は明るい性格と強いリーダーシップがあって生徒会長をやっているし、前の生徒会長の絢瀬絵里もリーダーシップがあったから生徒会長の仕事をやり遂げたのだ。

 果たしてリーダーシップのない自分に生徒会長の役が務まるだろうか?

 

「あ、あのね、真姫ちゃん」

 気まずそうな雰囲気の中、穂乃果が口を開く。

「真姫ちゃんは皆の事をしっかり分かってて、それで相手の為にいつも頑張ってるから、生徒会長に向いてると思って誘ったんだ」

 分かってる。そんなことは自分でもよく分かってる。でも自分はセンターじゃない場所で誰かの為に動くのが性に合ってると思っている。

 だから、生徒会に誘われたとしたら入っていたかもしれないが、生徒会長となると話が別だ。

 

「だからね、生徒会長やらない? 真姫ちゃんならきっと出来るよ!」

 穂乃果がそう言ってくれるのは嬉しい。しかし、迷いに迷っている真姫にとっては迷いを加速させるだけの言葉でしかなかった。

 そして頭がパンクしそうになった時、真姫の口からふいに言葉がこぼれた。

「何それ、意味わかんない!」

 そう言葉を残して真姫は生徒会室から立ち去った。

「あれ……真姫ちゃん……?」

 穂乃果は顔をしょぼんとさせる。そんな姿を見たことりは穂乃果にフォローを入れる。

「穂乃果ちゃん。きっと真姫ちゃんも分かってくれるはずだよ」

「そうだといいのですが……」

 海未は自身なさげな目でことりを見ていた。

 

 

 真姫は生徒会室を後にし、そのまま音楽室に向かった。真姫はいつも昼休みになると音楽室でピアノを弾く。ピアノは趣味であり、自分の特技だ。そして、音楽室でピアノを弾いていたところを穂乃果に見られ、アイドルになることを誘われた思い出の場所でもある。

 真姫はグランドピアノのカバーを開け、鍵盤に手を乗せる。そして、軽やかに鍵盤を叩く。ピアノから弾むような音が鳴り、それにあわせるように真姫も歌いだした。

 

「あー! 真姫ちゃん! こんな所に居たにゃー!」

 ピアノの音を遮るかのように甲高い声が聞えた。この声は星空凛、μ'sの仲間の一人で、同じ一年生だ。元々体育会系の人間だからか、元気で明るく、色で例えるならイエローな少女だ。

「真姫ちゃーん! 今日は部室でかよちん達とご飯食べるって約束だよ!」

 忘れてた。完全に忘れてた。さっきあんな事があったのだ。そのインパクトが強すぎて約束の事をすっかり忘れてしまっていた。

「ご、ごめん。今から行くわ」

 真姫は焦る。約束は絶対に忘れない真姫だからこそ、この予想外の事態に対応できずにいた。

 真姫はすぐにピアノを片付け、教室へ弁当を取りに行き、そのまま部室へと向かった。

 

 

 真姫はアイドル研究部に所属している。アイドル研究部は元々、二つ上の先輩の矢澤にこがたった一人で守ってきたところであり、μ'sを結成する際に穂乃果たちがみんな揃って入部した。

 そんなアイドル研究部はにこの卒業と同時に部長が、真姫と同じ学年の小泉花陽に後継され、今に至る。

 にこも花陽も筋金入りのアイドルオタクであり、μ'sの活動によってアイドルに興味がわいてきた真姫はよくアイドルについて教えてもらっている。

 

 部室に着くと、寂しそうな顔で花陽が待っていた。少し悪いことをしたかな、と真姫は反省した。

「真姫ちゃん! ずっと待ってたんだよ!」

 花陽は真姫に少しキツく言う。

「花陽……ごめん。ちょっと色々あってね」

「色々って……何?」

 花陽はご立腹なのか、真姫に色々聞きたいようだ。

「真姫ちゃんったら音楽室でピアノ弾いてたんだよ!」

 凛は言い訳しようとする真姫を遮って真姫を発見したときの事を言う。

「それもあるけど……穂乃果達に呼ばれて話があったのよ」

「話って?」

 真姫はようやく言い訳ができたとホッとしていたが、すぐさま花陽から聞き返される。

「生徒会長にならないか? って言われたの」

 その言葉を聞いた花陽は椅子から転げ落ち、凛は飲んでいたお茶を吹き出した。

「いてて……真姫ちゃん、それ本当?」

「嘘言ってどうするのよ。ってか、二人とも驚きすぎ」

 真姫は内心焦った。まさか二人にこんな反応をされるとは思ってなかったからだ。全くもってビックリだ。

「それで、真姫ちゃんは生徒会長やるの?」

 花陽からそう聞かれ、真姫は言葉が詰まる。なんせまだやるかどうかを決めてないからだ。

「あれ……どうしたのかにゃ?」

 凛は不思議そうに真姫を見つめる。ここで「まだ迷ってる」と正直に言えばいいのだが、そんな事を言えば格好がつかないと思い、そのせいでさらに言葉が出なくなる。

「真姫ちゃん。もしかして……迷ってたりする?」

 花陽、ご名答。もうバレてたら仕方ないと思い、真姫は開き直った気になって口を開く。

「そうよ! まだ迷ってるの! 生徒会長なんて私には荷が重過ぎる! でも穂乃果の頼みだから断れないし!」

 真姫はこれ異常ないほど顔を真っ赤にして大声で喋る。花陽は適当に言ったことがまさか的中するとは思ってなくて唖然とし、凛は目の前にいる赤い髪の女の子は真姫じゃないのではないかと思うほど真姫らしくない発言に驚いた。

「あんまり格好つかないから言いたくなかったけど、こういう時、二人ならどうする?」

 真姫からそんな問いを投げかけられ、二人は困惑する。今まで、悩みを打ち明ける時はいつも真姫が力になってくれていた。そのせいか、真姫は自分達より大人な人間と認識していた。そんな真姫に的確なアドバイスができるのか不安になった。

 しかし、今まで真姫に助けてもらってきたのだから、これを恩返しの機会として真姫に考えを述べようと二人は決心した。

「私なら、生徒会長になるかな。だって、生徒会は一人じゃないでしょ? 助けてくれる仲間がいる。だから、真姫ちゃんは生徒会長になることを重荷だと感じなくてもいいんじゃないかな?」

「凛もそう思うにゃ!」

 花陽の意見はもっともである。確かに生徒会は一人じゃない。穂乃果達の今の生徒会を見ても分かる。穂乃果のできない事は、海未やことり達、他の生徒会役員が代わりにやる事で生徒会としての運営を可能にしている。

「ありがとう、二人とも」

 不安がる事はない。そう思いたかった。でも、まだ真姫の中にある不安は全て消えてはいなかった。

 

 

 それから放課後になった。今日は特に放課後に何かあるわけでもないので、真姫はそそくさに校門を抜けて一人で帰ることにした。

「はぁ……。結局どうしよう」

 花陽たちにああ言われて少しやろうと思ったが、それでもまだ何か心の中で何かが引っかかっていた。その気持ちは表情に大きく現れていた。だから、真姫は少しでも気を明るくしようとして、いつもならしない寄り道をする事にした。

 

 とりあえず真姫はゲームセンターに来てみた。ここには何度か穂乃果達と来た事のある場所だが、一人できたのは初めてだ。ゲームセンターに来たなら何かをして遊ぶのがゲームセンターにおける普通の楽しみ方であるのだが、正直そういった事がよく分からない真姫はぶらぶらと他人のプレイを眺める事にした。

「珍しいわね、アンタがゲーセンに来るなんて」

 ふと、真姫の耳に聞き覚えのある声がした。この声は分かる。μ'sのメンバーの中でも真姫が特に仲良くしていた先輩、矢澤にこだ。

「……にこちゃん」

「どうしたのよ、そんなしょぼくれた顔。アンタらしくないわね」

 真姫と特に仲良くしていたにこには真姫の気持ちがよく分かるのだろうか。にこは心配そうな表情で真姫を見つめる。

「それより、にこちゃん。こんな時間にどうしたの?」

「バイトよ。このゲーセンのね」

 こんな昼にゲーセンにいるにこに疑問を抱いた真姫に対して、にこはすぐさま返答する。そういえばにこは高校卒業後、自分の家族を養うために毎日何種類ものバイトをこなしていると聞いた。そのせいか、高校を卒業して以来、数えるほどしか会っていない。

「それで、何かあったの?」

 にこは真姫に問う。真姫は少し期待していた。にこに打ち明ければ自分の心に引っかかった何かを取り除いてもらえるのではないかと。

「あのね、にこちゃん……」

「ちょっと待って、真姫。話が長くなるんなら後30分待って。それで私の仕事終わるから」

 にこはそう言って、仕事へと戻っていった。

 

 

 その頃、穂乃果、海未、ことりの3人は生徒会の仕事を終え、帰路についていた。

「ねぇねぇ、海未ちゃん、ことりちゃん。久しぶりにちょっとお茶していかない?」

 穂乃果は目の前のハンバーガー屋を指差して言う。ことりは「行こう」と即答し、海未は少し戸惑っていたものの、結局行く事に決めた。

 

「おーい! 穂乃果ー!」

 穂乃果たちがハンバーガー屋へと入ろうとしたとき、右の方から声がした。穂乃果たちが振り向くと、μ'sの仲間の絢瀬絵里と東條希が走ってきていた。

「絵里ちゃーん! 希ちゃーん!」

 穂乃果は二人を呼ぶ。結局、絵里と希を含めた5人でハンバーガー屋に入る事にした。

 

 久しぶりの再会でお互い興奮していたのか、穂乃果たちは絵里たちが卒業してからの音ノ木坂の事を、絵里たちは新たな大学生活の事を話した。

「そういえば、もうそろそろよね」

「何が?」

 絵里にはどうしても知りたい事があった。「次期生徒会長」の事である。かつて、音ノ木坂の生徒会長をやっていた絵里にとって、次期生徒会長の事は気になる事だった。

「次期生徒会長の事よ。もうそろそろでしょ」

「次の生徒会長かぁ、誰か候補は決めてたりするん?」

 希も絵里の話に同調するかのように話を盛り上げる。穂乃果は少し重たい雰囲気になり、数秒経った頃口を開いた。

「実はね、真姫ちゃんに次期生徒会長にならないかって相談したんだ。そしたら、すごく困った感じになってしまいに“意味わかんない”って言われちゃって……」

「真姫ちゃんが“意味わかんない”って言うなんていつもの事やろ? もうあれは口癖みたいなもんやし」

 希はツッコミを入れるが、わざわざそんな事を穂乃果が言うのは少し事情があるのではないかと感じていた。

「だから最初は生徒会長にはなりたくないんだなって思って別の人を探そうと思ったんだけど、ついさっき花陽ちゃんと凛ちゃんに会ってさ……」

 穂乃果は二人との会話を回想しながら話した。

 

「あのね、穂乃果ちゃん。実は真姫ちゃんが次期生徒会長になるべきかどうか悩んでるみたいで、私と凛ちゃんからも自信持ってなればいいと思うよって言ったんだけど、真姫ちゃん、まだ悩んでるみたいで……」

「良かったら、穂乃果ちゃんたちからも何か言って欲しいんだにゃ……」

 確か二人の言っていた言葉はこんな感じだった。自分達だけでは力不足だから何かしら真姫を勇気付けて欲しい、といったところだ。だが、そんな事を言われても、穂乃果が真姫を悩ませた要因であるから、真姫を勇気付ける自信などなかった。

 

「そういう事ね……。真姫ってもっとズバッと言う人だと思ってたけど、まさかそこまで悩むなんてかなりヤバいんじゃないの?」

「そうやね……。あの真姫ちゃんやからね……」

 二人は考え込んでしまった。

「海未ちゃんとことりちゃんは何かいいアイデアある?」

 穂乃果は生徒会組の二人にも聞いてみる。

「そうは言っても……」

「私達にもよくわからないよ……」

 二人は顔を伏せてしまう。

 

 

 一方、真姫は30分ほど待って、私服で出てきたにこと一緒にμ’sの頃よく行ってたハンバーガー屋で話をする事にした。

「真姫、これ私のおごりでいいから」

 にこはそう言うとレジで二人分のハンバーガーを受け取り、席に座った。目の前には真姫がいる。真姫の顔を見てやはり何かあったのだとにこは感じた。

「それで、何かあったんでしょ。早く話しなさい」

「分かったわ、実は……」

 それから真姫は、洗いざらい全て話した。穂乃果に生徒会長にならないかと誘われた事、それについて悩んでいる事、花陽と凛に相談して勇気付けられても何か心に引っかかってるものがあった事。

 それを全部聞いた後、にこは5分ほど考えてから、口を開いた。

「アンタが悩んでる事、大体分かったわ。じゃあ、私から話するけど、はっきり言って生徒会長になるかなんてアンタが決める事よ。でも、一つだけ言える事はあるわ」

「それは……?」

「それはね、“やりたいかどうか”よ」

 にこは言葉を続ける。

「今のアンタはなるべきかどうかに拘り過ぎてる。やるべきかどうかなんて問題じゃない。やりたいかどうかが問題なの」

 

 

「ねぇ、絵里ちゃん、あれって真姫ちゃんとにこちゃんだよね?」

 考えるのを諦めかけていた穂乃果は少し遠くの席に座っている真姫とにこを見つけた。

「そうね……何か話してるみたい」

「少し聞いてみいへん?」

 希はニヤリと笑って穂乃果に告げる。

「そうだね……」

 5人は真姫とにこの会話に耳を傾けた。

 

 真姫はにこの言葉に心を揺さぶられる。

「やりたいかどうか……?」

「確かに生徒会長は責任重大な仕事よ。でも、やる気があればあとはどうにでもなるものよ。やる気があればね」

「私は……生徒会長をやりたい。自信ないけど、やってみたいの!」

 真姫ははっきりとした意見をにこに言う。

「やればできるじゃない。でも、その言葉は私に言うべき言葉じゃないわ。じゃあ、またね。私、これから別のバイトが入ってるから。また悩む事があったら言いなさいよね!」

 にこはにっこりと微笑むと、急ぐように席を外し、店から出て行った。

「ありがとう……にこちゃん」

 真姫は、にこの言葉に勇気付けられた。明日言わなきゃ。そんな気持ちでいっぱいだった。真姫も、にこの後を追うように席を外した。

 

「にこっち、良い事言うやん……」

「結局私達の出る幕なかったわね……」

 希と絵里は少しがっかりしたような表情をした後、ホッとした表情に変わった。

「良かった……真姫ちゃん。明日、真姫ちゃんの気持ちしっかり聞かせてもらうよ!」

 穂乃果は真姫が店を出て行く姿を見つめていた。

 

 

 翌日、生徒会室前。真姫は花陽と凛と一緒にいた。

「なんであなた達まで着いて来るのよ……」

「いいじゃん! この方が落ち着くでしょ?」

 凛は真姫の肩に手を乗せ、微笑む。

「それじゃあ行くわよ!」

 真姫は生徒会室の扉を開いた。

「あ、真姫ちゃん! やっと来たね!」

 生徒会室には昨日と同じく、穂乃果と海未とことりが居た。真姫は、3人の姿を見た瞬間、昨日の出来事を思い出して、固まってしまった。

 額から汗が流れ、目の焦点が合ってない。そのことに気付いた花陽は凛に小声で囁く。

「ねぇ、凛ちゃん。真姫ちゃんに」

「そうだね」

 二人はお互いに頷き合い、真姫の背中を押す。真姫は、急に背中を押され、声が出るくらいに驚いた。そして、それが前に花陽と凛にやった事と同じ事だと気付いた真姫は二人に対して感謝の念を抱き、勇気が出た。

 そして、真姫は穂乃果をしっかりと見つめ、口を開く。

「あの、穂乃果! 私……生徒会長やりたい! いい……?」

 恥じらいが感じられる告白は穂乃果の心に響いた。

「ちゃんと言ってくれてありがとう、真姫ちゃん」

 穂乃果は笑顔で真姫に話しかける。

 

「良かったね……真姫ちゃん」

「良かったにゃあ……」

 花陽と凛はしっかりと言えた真姫に対して感動していた。

「あなた達のおかげで、私はちゃんと言う事ができた。勇気が出せた。ありがとう、花陽、凛」

 真姫は花陽と凛に感謝の気持ちを述べた。

 

 

 それから、穂乃果は生徒会長を引退し、新たな生徒会長に真姫が選ばれ、副会長は凛になった。そして、新たなメンバーと共に新生生徒会が誕生した。

 

「皆さん、初めまして。私が音ノ木坂学院の新生徒会長、西木野真姫です! これからよろしくお願いします!」

 敬語を使う真姫の姿は違和感しかなく、少し可笑しかったがそれもまた真姫が生徒会長として一人前になったらサマになるはずだ。




久しぶりのあとがきです。
こんにちは、ペンネームを変えたいHEATです。
今回は特別編として過去に書いた長めの作品を一つ掲載しました。
今後の公開状況としましては、この作品は一時休止、別作品の執筆に取り掛かりたいと思っております。
また、新作を公開したときはよろしくお願いします!
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