ディバインゲート 〜クインケとドライバの混合世界〜   作:シュウナ・アカネ

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〜決定事項〜
カネキ〜白髪・赫子(ムカデ)


聖なる扉は、ある意味開かれた

ディバインゲート・・・

それは、聖なる扉とも呼ばれる。

そのディバインゲートが開かれたことにより、人間たちが暮らす常界、妖精たちが暮らす天界、魔物たちが暮らす魔界が交じわりあい、世界の秩序はことごとく消え去った。それは古来から人間も、喰種も、共に目指す場所であった。

アオギリの樹が誕生する前までは・・・。

 

アオギリの樹は強力な喰種を寄せ集め、一つの大組織として裏世界の重鎮として暗躍していた。

表世界では世界評議会と喰種対策局が合併し、東京二十三区治安対策評議会が誕生した。

全ては、アオギリの樹を陥落させるために。

 

そして今日、東京都の20区に新たな門、聖なる扉が開かれた。その門とは・・・

 

カランカランッ

 

古間・入見「いらっしゃいませ!」

 

喫茶店″あんていく″の門だった。あんていくは喰種が経営する店で、その店のコーヒーの味に定評がある。喰種捜査官に見つかればただ事ではないのだが・・・

 

他「古間さん!コーヒー1杯お願い!」

 

古間「はいよ、魔猿スペシャルブレンド!」コトッ

 

他「古間さん!魔猿の話してくださいよ〜」

 

古間「お、いいよいいよ!たっぷり語ってあげるよ、僕の輝かしい魔猿の伝説を」

 

といった状況である。しかも彼・古間円児か話している相手は喰種捜査官である。本来、喰種捜査官にとって喰種は駆逐対象である。しかもこの古間円児は魔猿と呼ばれたSSレートの喰種で、駆逐すると巨額の懸賞金が出る。そんな彼に敵対心すら見せない喰種捜査官。それは、あるものによってその駆逐対象はアオギリの樹に所属する喰種のみに絞られた。そのあるものとは・・・

 

あんていく・二階にて

 

月山「トレ!!!ビアンッ!!なんだこの味は!僕の舌をなめらかに覆い尽くす芳醇なハァモニィィィ(香り)!」

 

部屋の奥から恍惚の声が響く。この部屋の中には5人。恍惚の声を漏らした彼は月山習。別称″美食家(グルメ)″。Sレートの喰種でかなりの変人。

 

月山「このシチューこそ究極の美食!ああ、思えば僕は人間の肉で美食を追い求めていた・・・が!今は違う!この″野菜″の美食を追い求めることこそ僕の生きるmean(意味)!」

 

そう。今まで喰種は人間の食すものを最も苦手としており、口にすれば強烈な吐き気に襲われる。それが食せるようになった。

 

カネキ「月山さん少し黙って下さい、一階のお客さんに響きます。あと本に集中できません」

 

アカネ「そうだぞ七三分け!ミドリとイチャイチャしてろよ!」

 

白髪の青年・金木研ことカネキが月山を軽く叱責し、赤髪の少年・アカネが強く叱責(?)する。

 

月山「相変わらずカネキ君はワーニングボーイだね。あとアカネ君はちゃんと僕の名前呼んでくれないかな?」

 

月山が悲しげな表情をアカネに見せる。扉から緑髪の少女・ミドリがコーヒーを5人分運んできた。

 

ミドリ「そうよアカネ!月山さんは先輩だよ?あとイチャイチャは余計!」

 

コーヒーを配りながらトゲトゲしい態度でアカネを咎める。

 

アカネ「なっ!聞こえてたのかよ!?」

 

ミドリ「ふん、私の聴力バカにしないでよね」

 

アカネがチェッと舌打ちをしてそっぽを向く。

 

月山「いや、いいのだよリトルミドリ。僕と君は後でpillow salesを」

 

ミドリ「やめてください、変態」

 

月山「変態?心外だな。仮にそうさせているのは君なのだから、君が責任を取り「ませんよ」・・・僕の負けだ、リトルミドリ・・・」

 

アカネ「へっ!ざまぁ見ろ七三!」

 

アカネが月山に勝ち誇ったような顔を見せる。月山はそれを見て膝をつき腕も地面についた。

 

月山「僕の完敗だ・・・idiot me(愚かな僕)」

 

アカネがニヤニヤしながら月山を見つめている。

 

べディヴィア「アカネ君!」

 

アカネ「うおっ!?」

 

急な大声にアカネが驚く。べディヴィアが口を膨らませながらアカネを見ている。

 

アカネ「べディヴィアさん急に叫ばないでくれよ!」

 

べディヴィア「私じゃ・・・ダメなんですか?」

 

アカネ「・・・へ?」

 

べディヴィア「私とイチャイチャしたくないんですか!?」

 

べディヴィアの顔が真っ赤になり涙目になっている。表向きでは分からないが、アカネとべディヴィアはどうやら付き合っているらしい。本当かどうかは全く分からないが・・・。

 

アカネ「し、したいけどさ・・・カネキがいるじゃん!?」

 

カネキに指を指しながら答える。

 

カネキ「そこを僕に振る!?」

 

かなり驚愕した顔になる。まさか振ってくるとは思ってもいなかっただろう。

 

アカネ「カネキがいるとイチャイチャしずらいんだよ!」

 

カネキ「僕だってトーカちゃんとラブラブしたいよ!でも最近トーカちゃんにジトジトした目で見られるから精神的にかなりきついんだよ!?」

 

一応カネキとトーカちゃんは付き合っている。声が大きすぎてしまったのだろう。扉の奥から、、、

 

トーカ「うるさいクソカネキ!」ドンッ!

 

シーンッ

 

トーカちゃんこと霧嶋董香がカネキを扉越しで怒鳴りつけ扉を殴った。

 

カネキ「・・・・・・」

 

アカネ「・・・なあカネキ」

 

カネキ「・・・何?」

 

アカネ「・・・手打ちにしよう」

 

カネキ「・・・うん」

 

月山さんも再度シチューに虜になってるしべディヴィアはまだプルプルしながら涙目だしミドリはヤレヤレと言わんばかりの表情を浮かべている。

 

アカネ「んでミドリ、アオトはまだ来ないのかよ?」

 

ミドリ「え?もう来てるはずだけど」

 

コンッコンッ

 

誰かがこの部屋の扉をノックした。アオトだろうか。

 

アーサー「失礼するぞ」アオト「失礼します」

 

ミドリ「ほら、アオトいたじゃん」

 

男が2人入ってきた。1人は今話題に出てた金髪の少年・アオト。そしてもう1人が、、、

 

アカネ「アーサー・・・」

 

ミドリ「アーサーさん!」

 

彼は、東京二十三区治安対策評議会の中の世界評議会・常界代表のアーサーであった。

 

アーサー「久しぶりだな、カネキ」

 

カネキ「お久しぶりです、アーサー先生」

 

月山「ミスターアーサー、僕に挨拶は?」

 

アーサー「ああ、そうだったな。美食家」

 

月山「半年ぶりかな?こうした形で会うのは」

 

アーサー「ああ、手合わせをしてからだからな。コーヒーを淹れてくれるか?」

 

ミドリ「は、はい!」

 

立っていたアーサーとアオトは空いている席に腰を下ろす。

 

ミドリ「どうぞ」コトッ

 

アーサーとアオトはミドリの淹れたコーヒーを口に流し込む。

 

アーサー「ふぅ、生き返る。あんていくのコーヒーが1番美味しいし香りもいい」

 

アオト「美味しい」

 

ここにアーサーが来るということは並大抵の用事ではないことは分かっていた。

 

カネキ「何かあったんですか?」

 

アーサー「お前らに、アオギリ所属の喰種、ナキとその手下共を駆逐して貰いたい」

 

ナキは月山習と同じ甲赫でSレートの喰種。かなりの強者であることは間違いない。

 

アカネ「ナキ・・・喰種収容所コクリアの輸送車から脱走したっていうあのナキか?」

 

ミドリ「Sレートって、私たちだけで倒せるんですか?ドライバはありますけど・・・」

 

世界評議会のアカデミーはドライバを所持している。必ずしも強力なドライバと言うわけでもないが、戦闘には必須である。

 

カネキ「大丈夫、僕と月山さんがいる」

 

月山「僕らの別名を、忘れたかい?」

 

アオト「眼帯と美食家・・・どちらもSレート以上」

 

月山習はSレートだが、カネキに至ってはSSレートである。

 

カネキ「でもアーサー先生、何故ナキを倒すことを選んだんですか?」

 

アーサー「今ならそれがいいと判断したからだ。六聖人には無理を言って目を瞑ってもらった。これで邪魔者は入ったりしまい」

 

六聖人は、いわば世界評議会で最も権力のある部分。

現に東京二十三区治安対策評議会のトップでもある。喰種対策局のトップは六聖人の管轄下に置かれている。

 

アーサーが立ち上がり、自分の信念を語り始めた。

 

アーサー「俺は必ず、ディバインゲートにたどり着く。アオギリが到着する前に、どんな手を使ってでもたどり着く」

 

アオト「じゃあ、作戦会議を」

 

アーサー「ああ、今から作戦ブリーフィングを始める」

 

物語は、まだ始まったばかりだ────。

 

 

 

 

あんていく・閉店前〜

 

カランカランッ

 

芳村「いらっしゃいませ・・・なんだ、君か」

 

店長・芳村さんの前にいたのは、、、

 

サンタクローズ「久しぶりだな、フクロウさん」

 

子供の味方だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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