艦隊これくしょんーDeep Sea Fleetー   作:きいこ

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演習で香取を使っていたらいつの間にかレベル97になっていました。




第11話「暁の場合5」

「…大丈夫、響の声は暁に聞こえてるみたい」

 

 

暁が響の呼び掛けに応えたのを確認すると、会話を続けるように促す。

 

 

『響!雷!電!本当に、みんななの!?』

 

 

暁は響たちに呼び掛けるがその声は響たちには届かない、なので吹雪が通訳として暁の言葉を伝える。

 

 

「本当だ、ずっと会いたかったよ」

 

 

「暁…」

 

 

「…良かったのです」

 

 

響たちは涙ぐみながら姉との再開の喜びを噛み締める。

 

 

「暁!あの時はごめん!轟沈(しず)めなんて言って…本当にごめんなさい!」

 

 

雷が我先にと暁の前へ飛び出してあの時のことを謝罪する、ずっと言いたかったのに言えなかった、でも今なら言える、雷は全身全霊で今の気持ちを暁にぶつける。

 

 

『そんな、私の方こそ…プリン食べられたくらいであんなに怒っちゃって、ごめんなさい…』

 

 

暁も雷に向けて頭を下げて謝罪する、轟沈(しず)んだ後もずっとその事を考えていたようだ。

 

 

「…良かった、暁に言えて良かったよおおぉ!」

 

 

雷は号泣しながら暁を抱き締め、それにつられて響と電も抱き締めた、深海棲艦となってしまった彼女の身体は深い海のように冷たかった。

 

 

「こんなに冷たくなっちゃったのに、私たちに謝ろうとしてくれて、ありがとう…」

 

 

『お礼を言うのは私の方よ、こんな身体になった私に会いに来てくれて、本当にありがとう…』

 

 

そう言う暁の表情(かお)は、引きずり続けた未練が断ち切れたように晴れやかだった。

 

 

「っ!?」

 

 

その時、暁の身体が光り始め、身体の表面にヒビが入る。

 

 

「あ、暁!?」

 

 

「どうしちゃったの!?」

 

 

「は、はわわ!」

 

 

突然の出来事に3人は狼狽するが、台場艦隊の面子はとても落ち着いていた。

 

 

「…“艦娘化”が始まった」

 

 

「これで暁さんは…」

 

 

やがて光はどんどん強くなり、身体のヒビも全身に広がっていく、そして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「艦娘に戻る」

 

 

刹那、乾いた破裂音と共に駆逐棲艦の装甲が砕け散り、かつての駆逐艦暁がその姿を表した。

 

 

 

 

「あ…暁…?」

 

 

「ど、どうなってるの?」

 

 

「深海棲艦から艦娘に戻ったんだよ」

 

 

困惑する響たちに吹雪が間に入って説明する。

 

 

「…これが吹雪の言っていた“艦娘化”、なんだね?」

 

 

「たしかハチさんがこれで艦娘に戻ったって…」

 

 

「そう、ハチの時もこんな感じだったよ、深海棲艦の装甲の内側から艦娘としてのハチが出て来て…」

 

 

「といっても、私は覚えて無いんですけどね…」

 

 

ハチは苦笑しながら頬を掻く。

 

 

「じゃあ、暁は艦娘になったって事でいいのよね…?」

 

 

「またみんなと過ごせるんですよね…?」

 

 

雷と電は響の腕の中で眠っている暁を見ながら吹雪に訪ねる。

 

 

「それはそうなんだけど…」

 

 

ふたりの問に吹雪は歯切れの悪い言い方をすると、暁に近づいて服を捲る。

 

 

「っ!?」

 

 

「これは…!?」

 

 

「これをどう説明するかにもよるかな…」

 

 

そこには、腹部から右腕の付け根にまで広がっている深海棲艦の装甲痕が残っていた。

 

 

「深海棲艦だったときの名残ですね、私が舞浜で見せたのと同じものです」

 

 

「これは…司令官にどう説明したらいいんだ…」

 

 

「深海棲艦だったってバレたら、もしかして解体されちゃうの…?」

 

 

「それはイヤなのです!」

 

 

暁がどうなってしまうのかと不安になる響たちだが、それよりももっと大きな問題が近づいていることに全員気づかなかった。

 

 

「っ!?電探(レーダー)に敵艦隊の反応アリ!その数…5体!」

 

 

気付いたときには、深海棲艦の主力艦隊に周りを囲まれていた。

 

 

 

 

「いつのまにこんなに…!」

 

 

「…これはいささか不利ですね」

 

 

吹雪たちを取り囲む敵艦隊は5体。

 

•重巡棲艦

 

•軽巡棲艦

 

•軽巡棲艦

 

•駆逐棲艦

 

•駆逐棲艦

 

 

…と、なかなかバランスのとれている面子だ、おまけに全員雷撃を行えるので厄介なことこの上ない。

 

 

「司令官、作戦命令を」

 

 

吹雪はインカムを口に近づけ、海原に指示を仰ぐ。

 

 

『…今回は暁の保護が最優先だ、敵艦にある程度ダメージを与えて突破口を作れ、少しでもチャンスが出来たら全力で鎮守府まで待避』

 

 

「了解しました」

 

 

そう言って吹雪はインカムを離すと、響たちの方を向く。

 

 

「ここは私とハチが逃げ道を作るから、その間3人は暁を守っててね、突破口が出来たら合図を出すからその時に全力で撤退、OK?」

 

 

吹雪が手短に作戦を伝えると3人が頷く。

 

 

「行くよ!ハチ!」

 

 

「はい!」

 

 

吹雪は手甲拳(ナックル)とナギナタを、ハチは拳銃を構えて旗艦(リーダー)である重巡棲艦を見据える。

 

 

「突撃!」

 

 

「ファイアー!」

 

 

 

戦いの幕が切って落とされた。

 




建造で2体目の香取が来ました、多分演習要員になると思います。
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