艦隊これくしょんーDeep Sea Fleetー   作:きいこ

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艦これアーケードでイベントが始まるみたいですけど、3-4クリアまで駆逐艦しか使っていなかったので重巡や戦艦のレベリングが追いついていないのが現状です。

イベントPVの泊地棲鬼がめちゃかっこよかった。


第109話「篝の場合11」

「どうして篝がここにいるんですか!?」

 

 

吹雪は驚愕した表情で海原に聞く。

 

 

「俺が居ない間に暁たちがオモチカエリしたみたいなんだ、とりあえず大鯨と同じくしばらくうちで預かることになった」

 

 

「そうだったんですか、なら川内さんと篝が話しやすくなってプラスになりますね」

 

 

吹雪と海原が話している間、川内は身を震わせながら篝を見ていた。

 

 

「…ねぇ吹雪、本当にこの子が篝なの…?」

 

 

「うん、篝の“面影”があるから間違いないよ」

 

 

吹雪は篝を見ながらそう言った、その“面影”は以前見た時と同じ和ゴスを着た少女を映している。

 

 

「川内さん、篝さんと話してみてはいかがですか?」

 

 

「えっ?話せるの?」

 

 

雪風の提案に川内は面食らった。

 

 

「直接はムリですけど、混血艦(ハーフ)の私たちを通訳に通せば間接的に会話が出来ます、やってみますか?」

 

 

「うん、お願い」

 

 

川内がそう返答すると、雪風が篝のそばに付いてスタンバイする。

 

 

「…篝?聞こえる?私だよ、川内だよ」

 

 

川内が篝に声をかけると、篝はゆっくりと川内さんの方に首を動かす。

 

 

『…川内さん?』

 

 

すると篝は思いの外あっさりと川内の声に反応する、一応川内の事は認識出来ているようだ。

 

 

「…本当に篝なんだね…」

 

 

川内はそう呟くと篝に向かって手を伸ばす、会えてよかった、自分が深海棲艦(こんなすがた)にしておいて言えたことではないが、また会うことが出来て、また話をする事が出来て本当によかった。

 

 

まずは思い切り抱きしめたい、篝を肌で感じたい、そして篝に謝りたい…

 

 

 

『触らないでください、私を殺したくせによくもいけしゃあしゃあと』

 

 

しかし、川内の伸ばした手は篝に拒絶されてしまった。

 

 

「…か…篝…?」

 

 

『私、川内さんを許すつもりはありませんので』

 

 

はっきりと、篝は川内にその言葉を突きつけた。

 

 

「あんたを撃っちゃったのは本当にごめん、でも私も夜嫌いを克服出来るように…!」

 

 

『失礼します』

 

 

「篝!待って…!」

 

 

篝は川内の言葉を遮ると、海原に一礼して提督室を出て行ってしまった。

 

 

「篝…」

 

 

川内は泣きそうな顔で俯いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『…ごめんなさい、川内さん』

 

 

 

 

 

 

 

「ありゃ相当恨んでるみたいだな」

 

 

「和解は難しそうですね…」

 

 

海原と吹雪は提督室で頭を悩ませる、川内は篝との一件でショックを受けて再起不能になってしまったのであてがった部屋に帰した。

 

 

「暁たちの話じゃ篝は特に自分の未練とかは話してなかったみたいだしなぁ、今回は骨が折れそうだ」

 

 

ふたりは互いにため息をつきながらお茶を飲む。

 

 

「そういえば司令官、緊急会議はどんな内容だったんですか?」

 

 

思い出したように吹雪は海原に聞く。

 

 

「この前の秋葉原防衛戦で姿が確認された深海棲艦についてだ」

 

 

「あぁ、駆逐戦車とエリザベートですか」

 

 

「そうそれ、駆逐戦車の出現を受けて今後は陸上での砲雷撃戦の訓練も取り入れようって話になったんだよ」

 

 

「…それよりも白兵戦やったほうが早くないですか?」

 

 

「白兵戦は砲雷撃と違って1から鍛えなきゃいけないような技術だからな、それに大本営の連中も深海棲器の事なんかすっかり忘れてるだろうし」

 

 

「そういう所能無しですよね、大本営」

 

 

吹雪の容赦ないつっこみで海原も“だな”、と同意して笑う。

 

 

「まぁ大まかな内容はこんなとこかな、あとはエリザベートのコードネームも決まったぞ、『飛行場姫(ひこうじょうき)』だそうだ」

 

 

「飛行場姫?空母棲姫や戦艦棲姫とはまた違ったネーミングですね」

 

 

「戦闘中に使ってた盾みたいな艤装が滑走路みたいだからそんな名前になったらしいぞ」

 

 

「最早艦種制定する気ないですよねそれ」

 

 

「艦種は一応航空戦艦って事になるらしいぞ、艦載機飛ばすし砲撃もするし」

 

 

「それも十分脅威ですけど、一番の脅威はあの白兵戦能力ですよ、あれは強すぎますって…」

 

 

その時の事を思い出して吹雪は苦い顔をする、出来ればエリザベートとは二度と戦いたくない。

 

 

「あ、そういえば数日後に新しい艦娘が台場に来るぞ」

 

 

「うえぇ!?いきなりすぎやしませんか!?」

 

 

唐突な海原の発表に吹雪が素っ頓狂な声を出す。

 

 

「会議の後に造船所に寄って艦娘の建造を依頼したんだよ、2~3日もすれば届くと思うぞ」

 

「軽いですね司令官、軽石持たせたゴースより軽いですよ…」

 

 

吹雪が呆れ顔でため息をついたまさにその時…

 

 

「っ!?」

 

 

「何!?」

 

 

突如凄まじい爆発音が鳴り響いた。

 

 

「大変です司令官!深海棲艦がここに夜襲を仕掛けてきました!」

 

 

三日月が大慌てで提督室に入ってきたのは、その直後のことだった。

 

 

 




次回「夜戦」

艦これ改で吹雪が重巡リ級eliteを一撃必殺(クリティカル有り)するのを見て(゚Д゚?)ってなった。


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