艦隊これくしょんーDeep Sea Fleetー 作:きいこ
いつかの前書きに書いたブラ鎮復興モノですが、書くかどうかは別として設定だけでも考えてみようと思い色々頭を捻ってたらいつの間にか“ロイヤル金剛と室蘭雪風、蔑むような目で見られるならどっちだ”などという二択に行き着きました、何でこうなった。
あと、この小説がハーメルンの投稿作品を紹介するブログで紹介されててめちゃ驚いた。
「みんな、とうとうこの日がやってきた」
海原はDeep Sea Fleetのメンバー全員を前に語る、10月31日、今日は
「今日の演習の結果でお前たちDeep Sea Fleetの運命が決まる、負けるとは毛頭思ってないが、十分気を引き締めて挑むように!」
「「はっ!」」
吹雪たちは一斉に海原に敬礼を返した。
◇
「司令官、本当に全員で来てよかったんですか?」
「良いんだよ、せっかくの大事な試合の日に留守番なんてさせられるか、最低限の貴重品は持ってきたから仮に深海棲艦に鎮守府襲撃されても何とかなる」
「本当に司令官はポジティブですよね」
そんな会話をしながら一行は
「うわ~、すごい盛り上がりようですね」
「出店の数も多いですし、
横須賀の敷地内に入った吹雪たちは感嘆の声を漏らす、中ではあちこちの鎮守府の艦娘たちが出店を開いて食べ物などを売っている、それこそ高校の文化祭のような光景だった。
「せっかくですから何か買っていきましょうよ!」
「あ、なら私が行ってきますよ」
「私も付き添います」
大鳳と篝が買い出しを名乗り出たので、全員が食べたいものをリクエストする、大鳳と篝はそれを手早くメモすると、手分けして目的のモノを探しに行く。
「さてと、演習が始まるまでまだ時間があるし、大鳳たちが戻ったらどっか見て回って…」
「おやおやぁ~?これは台場鎮守府の海原くんじゃないか~」
このあとの計画を簡単に立てておこうと頭を回し始めた時、無性なまでに腹立たしい猫なで声が聞こえる。
「…何の用だ佐瀬辺」
声の主は横須賀鎮守府提督の佐瀬辺だった、こちらを見下すような目で見ながら顔をニマニマさせている、正直気持ち悪い。
「いやね?海原くんが心配になって様子を見に来たんだよ、これから自分の部下が無惨にも雷撃処分されるとなれば…どんな気分かなぁ?ってね」
佐瀬辺はゲヒャヒャと笑いながら変わらず見下した目で海原を見る、本当なら今すぐにでもそのツラをぶん殴ってやりたいところだが、そこは我慢である。
「お前には悪いけど、俺たちは負けるだなんてこれっぽっちも思ってねぇからな、むしろテメェらの艦隊を完膚無きまでに叩きのめしてやる」
「おいおい冗談は止めてくれよ、台場鎮守府のメンバーは駆逐艦が中心の弱小艦隊、各鎮守府の精鋭を束ねた特別艦隊に勝てるわけがねぇ」
佐瀬辺はDeep Sea Fleetの面子を値踏み刷るように見ながら言う、ちょうど大鳳がこの場にいないのでむこうは都合の良い勘違いをしてくれている。
「さぁそれはどうだろうな~?油断してる時の格下ほど怖いモノはないんだぜ?」
「ケッ!言ってろ、どうせお前に勝ち目はない、精々命乞いのセリフでも考えておくんだな」
そう言うと佐瀬辺は高笑いをしながら去っていった。
「…みんな、絶対に勝つよ」
吹雪の言葉に全員が頷く、メンバーの士気が上がったのならあのクズも役に立ったな…などと海原はのんきに考えていた。
「「佐瀬辺を殺す!!」」
「目的変わってるぞ!?」
◇
それから1時間後、所変わって
「今日のために艦隊を鍛え、その
南雲はお決まりの挨拶を長々と語ると、鹿沼に大きなホワイトボードと白い箱を持ってこさせる。
「ではこれから対戦カードの抽選を行う」
抽選の結果、組み合わせは以下の通りになった。
・呉鎮守府VS舞鶴鎮守府
・舞浜鎮守府VS室蘭鎮守府
・佐世保鎮守府VS大湊鎮守府
「それではこれより…
南雲の声と共に、提督や艦娘たちがおおぉ!と雄叫びをあげた。
次回「呉鎮守府VS舞鶴鎮守府」
ようやく第二章も中盤を過ぎました。