艦隊これくしょんーDeep Sea Fleetー 作:きいこ
要は三川艦隊のメンバー忘れた。
「司令官、台場艦隊、舞浜艦隊帰投しました」
無事撤退作戦を成功させた吹雪たちは台場鎮守府の提督室で海原に報告する。
「おう、ご苦労さん、暁も無事に保護できたみたいで何よりだ」
海原は吹雪におぶさりながら眠る暁を見ながら満足そうに頷く。
「とりあえずはそこのソファに寝かせておけ、目を覚ましたら話を聞けばいいさ」
「そうですね、じゃあ交代で暁の様子を見ましょう」
吹雪は暁を提督室のソファに寝かせて毛布をかける。
「吹雪、暁の様子は私達で見るよ」
吹雪がそう言うと響たち第6駆逐隊が名乗りを上げる。
「せっかく暁と再会出来たんだ、一緒にいたい」
「…うん、分かった、じゃあ暁はみんなに任せるね」
吹雪とハチは響たちに暁を任せると一度提督室を出て行く、暁が起きたときの為の準備をしにいくらしい。
…暁が目を覚ましたのは、それから15分後の事だった。
◇
「…ん」
目を覚ました暁が最初に見たのは木製の見知らぬ天井だった。
「あれ、私…」
今の自分の状況を考えようと頭を働かせるが、あの日出撃してからの出来事が思い出せない、仕方ないのでとりあえず起き上がろうとするが身体全身が倦怠感に包まれ思うように身体が動かない。
「…暁?」
ふと自分の名前を呼ぶ声が聞こえ、暁は右の方を向く。
「…えっ?」
そこには、かつて姉妹として、同じ鎮守府の仲間として共に過ごした妹たちの姿があった。
「響…雷…電…」
暁が3人の名前を呼ぶと、響たちは嬉しさのあまり目尻に涙を浮かべる。
「良かった…本当に良かった…」
「ちょ、ちょっと!どうしたのよ、何で泣いてるのよ!?」
人目もはばからず涙を流す3人を見て、暁は困惑するしかなかった。
◇
「私が深海棲艦に…?」
響、雷、電、そして戻ってきた吹雪、ハチがこれまでの経緯を説明する、それを聞いた暁は驚きを隠せず目を丸くしていた。
「そのようだと、何も覚えてないみたいだね」
響がそう言うと、暁は何も言わずに頷く。
「雷とケンカした後の出撃で空母棲艦の空撃を受けて…そこから先は覚えてないわ」
その後も暁の話を聞いたが、やはりハチの時と同じで
「…
海原が椅子に座って伸びをしながら言う、“艦娘が轟沈すると深海棲艦になる”というのは既に事実として存在する、しかし“何故どうやって深海棲艦となるのか”という点についてはハチと暁のケースを見ても明らかにはならなかった。
「まだまだ調べなきゃいけないことが多いですね」
暁の話をまとめたメモを見て吹雪は軽くため息をつく。
「…じゃあ、次に目下の課題をどうにかしなければですね」
ハチがそう言って暁を見る、彼女が何を言いたいかは全員察しはついていた。
「暁が舞浜鎮守府に帰れるか、ということだね」
響が言うとハチがゆっくりと頷く、それとは対照的に暁は頭にクエスチョンマークを浮かべて首を傾げていた。
「えっ?私、舞浜鎮守府に帰れないの?除隊されてても艦娘に戻ったなら大丈夫なんじゃ…」
「…正確には純粋な艦娘ではありません」
ハチが暁の言葉を否定し、暁に服の裾を捲るように促す。
「…うそ、何これ」
「今の暁さんは、艦娘と深海棲艦の、
その無慈悲な現実を前にして、暁は何も言えずに固まっていた。
編成系クエスト「金剛型戦艦を全て揃えよ」がクリアできないので艦隊解放が進まない今日のこの頃。
比叡カモーン!