艦隊これくしょんーDeep Sea Fleetー   作:きいこ

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第六駆逐隊を1-5に出撃させる任務を達成するために1-5に出撃したところ、ボスマスの潜水棲艦がflagshipになってて目が点に、あれ?こいつ前までeliteだったよね…?アプデの影響なのだろうか?。


第131話「大演習祭11」

次の試合はいよいよ決勝戦、この試合で大演習祭(バトルフェスタ)の優勝が決まるというだけあって会場もかなり盛り上がっている。

 

 

そんな興奮の中、両鎮守府の艦娘たちが入場してくる。

 

 

○横須賀鎮守府

・艦隊名:無敵艦隊

 

・戦艦:大和 Lv.160

・戦艦:比叡 Lv.155

・戦艦:ウォースパイト Lv.155

・戦艦:出雲(いずも) Lv.155

・正規空母:煌鶴(こうかく) Lv.155

・正規空母:赤城 Lv.153

 

 

○室蘭鎮守府

・艦隊名:インビジブル・サブマリン

 

・重雷装巡洋艦:大井 Lv.140

・重雷装巡洋艦:北上 Lv.132

・正規空母:ヨークタウン Lv.99

・軽空母:鳳翔Lv.148

・戦艦:アイオワ Lv.102

・潜水艦:まるゆ Lv.140

 

 

 

「うわぁ…よりによって大和さんだよぉ…勝てる気がしないよ…」

 

 

「戦う前から怖じ気づいてどうするんですか、いくら艦娘最強クラスの大和さんでも私たち雷巡の雷撃なら有効打になると思いますよ」

 

 

「だと良いんだけどね…」

 

 

勝つ気満々の大井とは対照的に北上は弱気である、大和は言わずとしれた横須賀鎮守府の最高戦力であり、全艦娘の中でもトップクラスの基礎能力(ステータス)を誇っている、大演習祭(バトルフェスタ)では必ずここぞという時に登場し、対戦相手の艦隊を薙ぎ倒してきた。

 

 

「行きますよ北上さん!」

 

 

「こうなったら行くしかないよね…!」

 

 

試合開始と同時に雷巡コンビが先陣をきって前に飛び出す、それと同時に互いの戦艦、空母たちがそれぞれ行動を開始。

 

 

「まるゆさん!妨害役、よろしくお願いします!」

 

 

「お任せください!」

 

 

潜水艦のまるゆも海中に身を潜め、機会をうかがうために水中を遊泳する。

 

 

相手の砲撃や空撃をかわしつつ、魚雷の射程距離まで近づいた雷巡コンビはありったけの魚雷を戦艦たちに向けて発射する。

 

 

「…えっ!?」

 

 

「かわさない…!?」

 

 

しかし、魚雷が迫ってきてるというのに大和たちはかわす気配がない、いや、それ以前に開戦直後から戦艦たちがほぼ動いていないのだ。

 

 

大井と北上の魚雷は大和と出雲に命中、凄まじい衝撃とともに水柱が上がる。

 

 

「いくら戦艦でもこの数の魚雷を食らって無傷でいられるわけがないわ」

 

 

「中破くらいなら望めるかもね」

 

 

しかし、雷撃を直撃で食らった大和と出雲は小破にすらなっていなかった。

 

 

「嘘でしょ!?」

 

 

「戦艦の装甲が厚いからって流石にこれは…!」

 

 

ありえない、大井がそこまで言い掛けたとき、大和たち戦艦の身体が普段と違うことに気付いた。

 

 

両手両足、そして腹周りに紫色のプロテクターのようなものを身に付けていたのだ、例えるならSF映画などで見るパワードスーツのパーツを部分的に装着していると言えば分かりやすいだろうか。

 

 

「…なるほどね」

 

 

強化装甲(バルジ)…ですか」

 

 

北上と大井が忌々しげに顔を歪める、強化装甲(バルジ)とは艦娘が身に付ける兵装の一つで、艤装の加護を強化して防御力を飛躍的に上げる効果を持つ。

 

 

基本的にどの艦娘も装着できるが、その一方で強化装甲(バルジ)は装備すると艤装の速力が落ちるという欠点も併せ持つ、ただでさえ遅い戦艦がさらに遅くなっては艦隊行動に支障がでるということで戦艦が装着するのはかなり稀である。

 

 

「これじゃあまともにダメージを与えられないよ!」

 

 

「たしかにそうですね、でもこれで横須賀の作戦が大体分かりました」

 

 

「作戦?」

 

 

北上が頭に疑問符を浮かべて首を傾げる、大和たちは強化装甲(バルジ)を装着している影響でほとんどスピードが出ない状態だ、つまり初めから攻撃をかわす気が無い、底上げされた防御力にモノを言わせて攻撃を受けきり、持ち前の大火力で敵を撃つ“固定砲台”の役割に徹するつもりでいるのだろう。

 

 

「相手が動かないのであればこちらは攻撃を当て放題、いくら防御力を上げても微量なダメージを積み重ねればいつかは倒せます!」

 

 

「気の長い話だね…」

 

 

北上は“めんどくせー”と言わんばかりの顔をすると、再び大和たちに攻撃を仕掛けようと魚雷を発射する。

 

 

「…やっぱりダメか」

 

 

やはりダメージは浅く、小破にするにはもう何発か当てる必要があるだろう。

 

 

「きゃあああぁっ!」

 

 

ここで大和の砲撃がアイオワに直撃、当たりどころが悪かったのか一撃で戦闘不能になった。

 

 

「なっ…!?」

 

 

「嘘でしょ!?掠り傷はあったけど小破になってなかったよね!?」

 

 

続けて比叡、ウォースパイトの砲撃がヨークタウンと鳳翔に命中、鳳翔が戦闘不能、ヨークタウンが大破になる。

 

 

「そんな…」

 

 

「圧倒的過ぎる…」

 

 

あまりの戦力差に北上と大井が絶望的な表情で相手艦隊を見る、これが主戦力鎮守府のトップの実力なのだろうか…。

 

 

「まだまだ!最後の最後まで諦めないのが艦娘よ!」

 

 

ヨークタウンが大破の身体に鞭打って艦載機を発艦させる、幸い飛行甲板は生きていたが、大破になった影響で艤装の能力がダウンしており発艦できた艦載機の数は少ない。

 

 

ヨークタウンの艦載機は煌鶴と赤城に難なく撃墜され、そのまま空撃を食らって戦闘不能になる。

 

 

「そんな…」

 

 

「あとは私たちとまるゆさんだけ…」

 

 

「きゃあっ!」

 

 

しかし、妨害役のまるゆも煌鶴の航空対潜攻撃で戦闘不能にされ、残るは大井と北上のみとなった。

 

 

相手は空母が小破になっているが戦艦は全員小破未満(カスダメ)、こちらは4体が戦闘不能、誰がどう見ても室蘭の敗北は明らかだった。

 

 

「でもここで降参したら…」

 

 

「艦娘の名が泣きますよね!」

 

 

それでも試合を諦めていない2体は攻めに転じようと横須賀艦隊に接近を試みたが…

 

 

「なっ…!?」

 

 

「へっ…!?」

 

 

トドメを刺そうと大和たちが一斉砲撃を行い、その一撃一撃が即死級の砲弾がこれでもかというほど雷巡コンビに降り注ぐ。

 

 

「があああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」

 

 

「ぐああああああああああああぁぁぁ!!!!!!」

 

 

大和たちの放った砲弾は2体に何発も直撃する、当然このダメージに大井たちが耐えられるわけもなく戦闘不能になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

決着、優勝…横須賀鎮守府。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…戻りましょう」

 

 

大和たち横須賀艦隊は強化装甲(バルジ)で遅くなった身体を引きずるようにして演習場から立ち去っていく、優勝したにもかかわらずその顔はとても暗いものであった。

 

 

「いやぁ、よくやってくれたよお前たち」

 

 

艤装を解除して通路を歩いていると、向こう側から佐瀬辺が我が物顔で歩いてくるのが見える、その顔を見て大和たちは艤装を展開させて最大威力で砲撃をぶちかましてやりそうになったが、なんとか堪える。

 

 

「これで今年も大演習祭(バトルフェスタ)の優勝カップは俺の物だ、俺の司令官としての株も上がることだろう、これからも俺のためにしっかり働いてくれよ」

 

 

そう言い残すと佐瀬辺は笑いながら観客席の方へと歩いていく、結局は自分の事しか考えていない佐瀬辺に沸々と怒りを沸き上がらせる大和であったが、それと同時に()()()()を実行したときの佐瀬辺のリアクションが見れることにとてもわくわくしていた。

 

 

「提督がどんな顔をするか、想像しただけでニヤニヤが止まりません」

 

 

大和は不気味に口の端をつり上げると、再び通路を歩き始める。




次回「台場鎮守府VS特別艦隊」

お待たせしました、次回より台場の連中が登場です。

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