艦隊これくしょんーDeep Sea Fleetー   作:きいこ

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カスガダマ沖海戦の攻略を引き続き行っています、ボスドロップで阿武隈(2体目)手に入れました。

以前はジャム島のドロップでゲットしたんですけど、金背景のわりに結構出てくる阿武隈さん。


第135話「大演習祭15」

 

「何だあれは!?」

 

 

「艦娘が近接兵装だと…!?」

 

 

深海棲器を構える吹雪たちを見て周りの提督や艦娘連中が次々と驚きの声をあげる。

 

 

「やっぱり第一印象は同じなのね」

 

 

「私たちはもう見慣れてるけど、初見だとこうなるわよ」

 

 

加賀とローマが周りを見てそれぞれ言う。

 

 

「というか、始めから白兵戦で戦えばよかったんじゃないですか?吹雪たちはそっちの方が得意でしょう?」

 

 

「別にそれでもよかったんだが、白兵戦は相手に接近する必要があるから相手の身体能力が高いとかわされたりカウンターもらったりするんだよ、だから砲雷撃戦であらかじめ艤装の耐久値を削って性能ダウンと艦娘の体力消耗を狙ったんだ」

 

 

「てことは、さっきまでの砲雷撃戦は相手を疲れさせて弱らせるために…?」

 

 

「いくら腕っ節が強い喧嘩番長でも、徹夜明けでフラフラの状態じゃまともに戦えないだろ?」

 

 

得意げに語る海原を見て瑞鶴は改めて思う、“台場は強い”と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「総員、突撃!」

 

 

吹雪の号令と共に暁、三日月、篝が吹雪の後に続いて突撃する、大鳳は引き続き航空戦での防空に回ってもらっている。

 

 

「怯むな!相手が近付いているなら当てやすくなっただけのこと!撃て!撃てえええぇ!」

 

 

武蔵たちは砲撃を再開、即死級の弾丸が吹雪たちに向かって飛んでいく、すでに武蔵たちにかなり接近しているのでかわすのはほぼ不可能だろう。

 

 

「はあぁっ!」

 

 

しかし、砲弾切りをマスターしているDeep Sea Fleetには無駄な心配である。

 

 

「何だと!?」

 

 

武蔵は目を剥いて脳が一瞬フリーズする、近接兵装だけでも驚きなのにそれを使って砲弾を切り裂く光景を見ればフリーズもするだろう。

 

 

雪月花(セツゲッカ)!」

 

 

吹雪が手甲拳(ナックル)で武蔵に右ストレートをお見舞いする、武蔵は腕をクロスさせてそれを防ぐが…

 

 

(重い…!!)

 

 

想像以上に身体にかかる衝撃が大きく武蔵は冷や汗をかく、ちらりと電光掲示板を見ると砲撃よりも耐久値が多く減っている。

 

 

「なるほど、これが台場の隠し玉というワケか…」

 

 

膠着状態になりながら武蔵は憎々しげに呟く、吹雪はこの状態では有効なダメージは与えられないと判断したのか、左手でナギナタを持つと武蔵の腹を横一線に斬りつける。

 

 

「くっ…!」

 

 

艤装の加護で傷はつかなかったが、鋭い痛みが武蔵を襲う、耐久値もそれなりの量を持って行かれ、中破の判定が下る。

 

 

一方暁と三日月は航空戦力を削ぐために翔鶴とグラーフを相手取っていた、空母は相手に接近されると対抗手段が無いため、かなりの苦戦を強いられていた。

 

 

「くたばれえええぇ!」

 

 

暁が棘棍棒(メイス)を翔鶴目掛けて振りかぶる、翔鶴はそれを飛行甲板で防御。

 

 

月下夜攻(ゲッカヤコウ)!」

 

 

その隙を狙って三日月が星球鎚矛(モーニングスター)で翔鶴の空いた脇腹を殴打、肉を抉るかのような衝撃が翔鶴を襲う。

 

 

「ぐほぉっ!」

 

 

翔鶴は激しい吐き気と激痛に襲われ、そのまま脇腹を抑えて片膝をついてしまう、すでにダメージは大破になっていた。

 

 

「申し訳ないですけど、ここで死んでくださいね、勝つためなんです」

 

 

三日月は屈託のない笑顔でそう告げると、無慈悲に槍斧(ハルバード)を翔鶴に振り下ろす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔鶴、戦闘不能。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「翔鶴!」

 

 

グラーフは翔鶴の方を見るが、すでに戦闘不能になり舞台袖に引っ込んでいた。

 

 

「くたばったお仲間の心配をしてる場合かしら?」

 

 

すると暁がバスターソードを肩に担いで立ちふさがっていた、ちなみにこのバスターソードは今回の大演習祭(バトルフェスタ)に向けて明石がこしらえたモノだ。

 

 

「出来ればこのバスターソードの初陣は演習じゃなくて実戦の方が良かったんだけどね、あぁ~、早くこれで敵の首を跳ねて肉をズタズタに切り裂く感触を味わいたいわぁ‥」

 

 

うっとりとした表情で刀身を舐め回す暁を見てグラーフは身震いする、この艦娘は狂っているんじゃないだろうか、そう思わずにはいられなかった。

 

 

「艤装の加護があるから斬れたりはしないと思うけど、骨折くらいは覚悟しておいてよ…ね!」

 

 

暁は猛スピードでグラーフに接近すると、バスターソードをグラーフの首もと目掛けて振り下ろす。

 

 

グラーフはそれを間一髪で避けると、巡洋艦の副砲で暁を砲撃する、しかし暁はその弾丸をバスターソードで軽々切り裂き防御、その様子にグラーフは目を剥くが暁は取り合わず果敢に攻撃を仕掛ける。

 

 

「調子に…乗るな!」

 

 

グラーフは暁の剣をかわしていくと再び副砲を発射、今度は暁の身体に直撃し、甲高い金属音と共に後ろにずり下がる、耐久値はほとんど減っておらず小破未満(カスダメ)だ。

 

 

「…殺す、絶対ぶっ殺す」

 

 

今の攻撃にイラついたのか、暁は狂気的な笑みを浮かべると再びグラーフに向かって突進する、グラーフは副砲を構えて砲撃準備をするが…

 

 

「うぐぅ…!」

 

 

三日月の投げた戦輪(チャクラム)がグラーフに命中、砲撃を妨害する。

 

 

「行くわよ三日月さん!」

 

 

「はい!暁さん!」

 

 

グラーフが怯んでいる隙に暁と三日月は互いに剣を構え…

 

 

「「暁月(アカツキ)太刀(タチ)!!!!」」

 

 

暁はバスターソード、三日月は騎兵軍刀(サーベル)での2体同時攻撃をグラーフに食らわせる。

 

 

「ぐわああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

グラーフ・ツェッペリン、戦闘不能。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何なんだ…!?この艦隊は…!!」

 

 

この短時間で2体も戦闘不能になっている状況に、武蔵の思考は段々と追い付かなくなっていく。




次回「一撃必殺」

いつも通りの台場艦隊ですね(白目

グラーフの砲撃シーンですが、空母にも副砲を装備できるのでグラーフには副砲も搭載しております、ちなみに空母に副砲乗せられるの最近になって気付きました。

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