艦隊これくしょんーDeep Sea Fleetー   作:きいこ

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第二章終了です。

二章終わるのに半年か…長かったなぁ…。


第141話「大演習祭21」

「鎮守府運営法違反…!?何の話だ!」

 

 

佐瀬辺は爆乳リーダーの海軍警察に向かって否定の言葉を口にするが、その目からは明らかな動揺が見て取れる。

 

 

「それはあなたが一番よく知っているんじゃないかしら?」

 

 

「それは艦娘の扱いに関してか?それならお前らに何かを言われる筋合いはないぞ!俺が艦娘をどう扱おうがそれを取り締まる法律は無いからな!」

 

 

佐瀬辺の言うとおり艦娘の扱いに関しては法的な禁則事項は存在しない、言ってしまえば佐瀬辺が吹雪や大鯨にしてきたことも合法なのだ、しかし海軍警察もそれを知らないほど馬鹿ではない。

 

 

「いいえ、あなたを逮捕する理由、それはこれです!」

 

 

リーダーはポケットから紙の束を取り出すと、佐瀬辺に向けて突きつける。

 

 

「なっ…!?それは…!」

 

 

「やっぱり見覚えがあるようね」

 

 

リーダーが佐瀬辺に突きつけた紙の束の正体は、これまで佐瀬辺が行ってきた資材の不正利用や艦娘の轟沈理由を偽造した書類…不正の証拠の数々だ。

 

 

「何でそれがこんな所にある!?この書類は俺が保管してあるはず…!」

 

 

それを言ってしまえば罪を認めてしまう事になるのだが、今の佐瀬辺にはそんな余裕すら持てなかった。

 

 

「私たちが集めました」

 

 

すると、海軍警察と佐瀬辺の周りを囲っていた野次馬を割って2体の艦娘が近付いてくる。

 

 

「っ!!お前ら…!」

 

 

そこには大和と青葉がいた。

 

 

「以前から提督を告発しようという計画を青葉と立てて秘密裏に証拠を集めていました、提督は書類の管理に隙がないのでここまで集めるのに本当に大変でしたよ」

 

 

「そして集めた証拠品を海軍警察に提出してようやく逮捕に踏み切れました、わざわざこんな大勢の前で逮捕出来るようにこの日を選んだんですよ、感謝してくださいね」

 

 

大和と青葉が勝ち誇ったような顔で言ってのける。

 

「き…貴様らああああああああああぁぁあああぁぁぁぁああぁ!!!!!!!!」

 

 

 

「提督…」

 

 

「司令官…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「年貢の納め時(ゲームオーバー)ですよ」」

 

 

 

「さぁ来なさい、あなたにはキッツーイ取り調べが待ってるんだからね」

 

 

「ま、待て!これは陰謀だ!俺は何も知らない!」

 

 

「書類に覚えのある発言してた時点で説得力無いわよこのタコ」

 

 

海軍警察に連行されるも佐瀬辺は未だ抵抗を続ける。

 

 

「佐瀬辺くん…」

 

 

すると南雲が佐瀬辺の前に出てくる。

 

 

「元帥!私は無実です!この艦娘どもが私を陥れようと罠にはめたのです!私は何もしていない!」

 

 

「…君は誰よりも主戦力鎮守府の中で貢献してくれた、とても優秀な司令官だと思っていたのだが…残念だよ」

 

 

南雲は憐れみのこもった目で佐瀬辺を見る。

 

 

「元帥…!待ってください!私の話を聞いてください!私は無実です!」

 

 

子供のように喚き散らす佐瀬辺を鬱陶しそうに見たリーダーは佐瀬辺を連れて行くように部下に指示する。

 

 

「離せ!離せええええええぇぇぇぇ!!!!!!」

 

 

 

佐瀬辺はそのまま海軍警察に連行された。

 

 

 

その直後、横須賀鎮守府の艦娘たちが一斉に喜びの歓声をあげたのは言うまでもない。

 

 

 

 

佐瀬辺連行というサプライズなのかアクシデントなのか分からない出来事のおかげで表彰式は中断となった。

 

 

「良かった…良かったよぅ…」

 

 

「もうあんな思いしなくてもいいんだよね…!?いいんだよね!?」

 

 

横須賀の艦娘たちは未だうれし泣きをしながら佐瀬辺が逮捕されたことを喜んでいる、その様子を見ればどれだけ佐瀬辺が艦娘たちに酷いことをしてきたかが分かるだろう。

 

 

「大和、今回の件に関する非は佐瀬辺くんの不正に気付けずに艦娘たちへの非人道的な行いを見逃していた俺にある、海軍代表として謝罪しよう」

 

 

南雲は今回の佐瀬辺逮捕作戦の首謀者である大和に謝罪の意思を示す。

 

 

「…意外ですね、こう言っては失礼ですが、提督と元帥は癒着しているものだと思っていました」

 

 

「信じてもらえないかもしれないが、佐瀬辺くんの不正は本当に知らなかったんだ、だから俺も驚いているよ」

 

 

南雲はそう言うが、大和はその言葉を全て信じているわけではなかった、不正の全てを知らなかったにしても、何かしら黙認している部分があるのでは…と疑っていた。

 

 

「君の疑心はもっともだ、その代わりというワケではないが、横須賀の次の提督はマトモな人間を着任させるということを約束するよ、あと艦娘に対する扱いをもっと考えるよう俺の方でも努力をしよう」

 

 

その南雲の言葉がどこまで本当なのか大和には分からなかったが、今後の自分たちの環境が改善されるのであればそれを少しは信じてもいいと思っていた。

 

 

「…そう言うことでしたら、今は何も言わないでおきます」

 

 

「そう言ってもらえると助かるよ」

 

 

そう言いうと南雲は今後の手続きのために補佐の鹿沼と何やら話をし始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しっかしあの佐瀬辺を告発するなんてよく考えたもんだな」

 

 

「バレたらどうしようかと内心ヒヤヒヤでしたよ」

 

 

南雲から解散命令が出されて他の鎮守府の提督や艦娘連中が帰りはじめた頃、海原と大和は横須賀の提督室で談笑していた。

 

 

「でも今後は新しい提督が来るんだろ?南雲の話が本当ならマトモなやつが来るとかなんとか…」

 

 

「そうですね、そこはそれなりに期待しながら待つことにします、でも本当のことを言うと、横須賀にはあなたに就いて欲しいって願望が私にはあるんです」

 

 

大和はそう言っていたずらっぽく笑う、それを聞いた海原は少し驚いたような顔をしたが、やがて口を開く。

 

 

「…今の俺は台場鎮守府の司令官だ、吹雪たちの居場所を離れるわけにはいかないよ、それにあいつらを横須賀に連れて行ったとしても、横須賀の艦娘たちが吹雪たちを受け入れてくれるかは分からない、お前が俺をそういう風に評価してくれるのは冗談抜きで嬉しいけど、その気持ちだけ受け取っておくよ」

 

 

ごめんな、と最後に付け加えて海原は笑う。

 

 

「気にしないでください、それにあなたならそう言うだろうと思っていましたし、何だか吹雪ちゃんたちが羨ましいです」

 

 

「そんな羨望されるような所じゃないけどな、台場は」

 

 

海原と大和は互いに笑うと、束の間の談笑を楽しんだ。

 

 

 

 

 

 

鎮守府へ戻った後、海原たちは特別演習勝利のお祝いとして祝賀会を開いていた。

 

 

「えー…それでは、演習の勝利とDeep Sea Fleetの存続を祝いまして、わたしく海原が乾杯の音頭を取らせていただきます」

 

 

「そんな似合わない挨拶いいからさっさと料理食べさせてよ、大鯨さん特性の祝い料理が冷めちゃうでしょ」

 

 

「司令官が言うと言葉のありがたみが薄れますね」

 

 

「てめぇらちょっとは気分と雰囲気出せよ!」

 

 

こんな時でも平常運転なDeep Sea Fleetを見て呆れる海原だが、やっぱりこれが台場鎮守府だな、と同時に思い安心した。

 

 

「それじゃお前ら!じゃんじゃん飲んで食え!この勝利に乾杯!」

 

 

「「かんぱーい!!!!!」」

 

 

このどんちゃん騒ぎは日付が変わるまで続けられ、吹雪たちは自分たちの居場所を守れたことを改めて実感しながら騒いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「●●、この世でもっとも恐ろしい兵器は何か分かるかい?」

 

 

突然の彼からの問い掛けに、私は一瞬固まってしまった。

 

 

しかし彼は真面目に聞いているようだったので、私も真面目に考えてみようと思う。

 

 

世の中にはたくさんの兵器がある、細菌やウイルスを使った生物兵器、毒ガスなどを使った化学兵器、数え上げればきりがない。

 

 

その中で私が最も恐ろしいと思うのは原子爆弾などの核兵器だ、爆風と熱風で全てを吹き飛ばすその威力は言わずもがなだが、内部被爆などの効果で使用後も対象を苦しめ続ける、攻撃性と持続性を併せ持つチートもいいところな兵器だ。

 

 

「なるほど、核兵器か、悪くない選択肢だが正解ではない」

 

 

彼の不正解という言葉に私は驚いてしまった、この世に核兵器を超えるモノが存在するのだろうか、私には思い浮かばなかったので彼に降参だと伝える。

 

 

「答えは簡単だよ、この世で最も恐ろしい兵器、それは…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「核兵器を含め、今●●が頭の中に挙げていた兵器を全て作り出してしまうことが出来る“人間”そのものさ、言わば人間は“兵器を生み出す生きた兵器”、●●もそう思わないかい?」

 

 

どこか自虐的な彼の物言いに、私は何も言うことが出来なかった。




次回「艦娘(ドラッグ)

次回より第三章となります。
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