艦隊これくしょんーDeep Sea Fleetー 作:きいこ
次はどの艦娘が出るでしょうか?
予想してみてください(当たっても何もありませんが…)
そして次の日の朝、響たちが舞浜に帰る日だ、“せっかくなので見送る”という海原の意向で全員が台場鎮守府の埠頭に集まっている。
「本当にいいのか?」
海原は暁を見て再度問い掛ける。
「えぇ、暁に二言はないわ!」
暁はドン!と胸を叩いて宣言する、どうやら台場に残るという答えは変わらないらしい。
「海原司令官、この度は本当にありがとう」
「暁をよろしくね!」
「お手紙書くのです!」
艤装を着けて海に浮かぶ3人はそれぞれ感謝の言葉を口にする。
「あぁ、お前らも気をつけて帰れよ」
「うん、では…」
「頑張ってね!暁!」
「今度会いに行くのです!」
朝焼けに染まる海を滑走しながら、3人の姿は水平線へと消えていった。
「…またね、みんな」
暁は小さくそう言いながら控え目に手を振った。
「さてと、それじゃあ改めてやりますか」
「?」
海原の声に疑問符を浮かべて暁は振り返る。
「ようこそ台場鎮守府へ、我々は君の着任を大いに歓迎する」
「これからよろしくお願いします」
「また賑やかになりそうですね」
海原、吹雪、ハチがそれぞれ暁に歓迎の言葉をかける、暁が志願書を出したのは夜中だったので改めて言う機会が無かったのだ。
それを察した暁は慌てて服装を整えると、つたない敬礼の姿勢をとり…
「暁型駆逐艦1番艦暁よ、一人前のレディとして扱ってよね!」
自信満々の表情で言うのだった。
◇
「すごーい!こんなにいい装備初めて見た!」
「おー、確かにこれはいいものですね」
「そ、そんなにスゴい…?」
入隊手続きを済ませた後、吹雪とハチは暁の装備を見せてもらったのだが…。
•10cm連装高角砲
•12.7cm連装砲
•61cm四連装酸素魚雷
…と、なかなかに高性能な装備品を着けていた、魚雷や主砲は吹雪やハチとあまり変わらないが「10cm連装高角砲」は対空装備を持っていない台場艦隊にとってはかなりの上物と言える。
「どれだけ装備が枯渇してるのよこの鎮守府は…」
吹雪とハチのリアクションに暁は呆れを隠せないといった様子でため息をつく。
「まぁいいわ、次は暁が装備を選ぶわよ」
「えっ?暁が?」
「この鎮守府開発出来ないですよ」
暁の言葉にふたりそろって首を傾げる。
「そうじゃないわよ!吹雪さんとハチさんが持ってた剣みたいなやつ!」
「えっ?それって深海棲器?」
「暁さんに必要でしょうか…」
「必要よ!一人前のレディとして、郷に入れば郷に従うのは当然じゃない!」
別に深海棲器を持つのがルールってワケじゃないのになぁ…と吹雪は心の中で思ったが、暁がどうしてもと言うので海原に頼んで武器庫の鍵を開けてもらった。
「へぇー、結構色々な種類があるわね」
暁は棚に並べられた深海棲器をまじまじと見ながら“コレだ!”と思うものを選ぶ。
「…えっ」
「それ…ですか…?」
「えぇ、これにするわ」
そう言って暁が選んだ深海棲器はふたつ。
一つ目は野球のバットより少し長太い棍棒に鋭いトゲがびっしりと付いている深海棲器…『
二つ目は暁の身の丈以上の長さがある『大鎌』、内側だけでなく外側にも刃がついている特殊な作りになっている。
「鎌はまだ分かるけど、
「仲間を守るために強くなるのもレディとして大切な事なのよ、だから強そうな武器を選んだの」
「完全に見た目重視じゃないですか…」
レディとは程遠い発想にふたりは呆れ顔で暁を見る。
「てか、それ重くないか?それなりに重量あると思うんだが…」
「ちょ、ちょうどいいに決まってるじゃない!」
海原の言葉に暁は即座に反論する、戦闘で武器に振り回されては自殺行為に等しいと海原は言いたかったのだが、暁にそれは察せなかったようだ。
(まぁ、暁が慣れてくれればいいか)
しかし説得がめんどくさくなって無責任に投げてしまう海原も似たようなモノなのだが…。
「さーて、早速コレを使いこなせるように訓練しないとね~」
暁は
「…(訓練演習の時にあれ食らったらスゴく痛いよね)」
「(はい…とりあえず軽い防具だけでも見繕っておきましょう)」
吹雪とハチの心労を増加させている事には全く気づいていないのだった。
コレを書いてるときにうちの暁のが鎮守府の肥やしとなりつつある事を思い出しました、改二にした意味が無いですね。