艦隊これくしょんーDeep Sea Fleetー 作:きいこ
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「提督、艦隊帰投しました」
出撃艦隊
「…以上になります」
一通りの報告を聞いた木村は顎に手を当て、考えるような仕草をする。
「ふむ…敵の増援を返り討ちに出来たのは上場だが、ひとつ気になる点がある」
木村が人差し指を立てて古鷹に問い掛ける。
「何でしょう…?」
「台場組が白兵戦で敵の増援の殆どを倒した…というのは事実か?」
今の報告で古鷹が言っていたことだが、木村は今一度確認するように古鷹に問う、台場組に白兵戦の心得があることは大和や武蔵から聞いていたが、木村は砲雷撃戦が出来なくなった時の緊急手段…
「はい、事実です」
古鷹は変な誤魔化しは一切無しで事実のみを伝える。
「…分かった、報告ありがとう、戻っていいよ」
木村がそう言うと、古鷹は失礼しますとお辞儀をして提督室を後にした。
「…台場鎮守府か、思った以上に面白そうじゃないか」
◇
「まさか今年の相互着任会があんたたちとはね、驚いたわよ」
「これから一週間よろしくね」
古鷹が報告を行っているのと同じ頃、吹雪たちは横須賀の食堂で夕食を食べていた、その隣にはかつて北方領土攻略作戦で共に戦った蒼龍と飛龍が座っており、楽しそうに談笑していた。
「よろしくお願いします!蒼龍さんたちは変わりないですか?」
「もちろん元気してたわよ、艦上戦闘機の扱いもだいぶ上達したし」
「そういえばあの時は持ってなかったわね、そのせいでクソの役にも立たなかったけど」
「うん、暁ちゃんはオブラートという言葉を覚えようか」
「ナニソレオイシイノ?」
蒼龍と暁が相変わらずの会話を繰り広げていると、武蔵と赤城がトレイを持ってこちらにやってきた。
「私たちも一緒にいいか?」
「いいですよ、こっちにどうぞ」
飛龍がその辺の空き椅子を並べ、そこに赤城と武蔵が座る。
「てか、赤城さん相変わらず少ないですね~、よくそれで動けますよね」
飛龍は赤城のトレイに乗っている鯖味噌定食を見て言う、飛龍の言うとおり赤城の分の量は他の艦娘が食べているモノの半分以下しかない。
「仕方ないじゃないですか、すぐにお腹一杯になるんだもん…」
赤城は少し恥ずかしそうにしながら言う、赤城は横須賀鎮守府の中でも1、2位を争うほど食が細い艦娘で有名だ、午前中目一杯訓練をした後の昼食でも文庫本サイズのお弁当で満腹になってしまうほどである。
「その点武蔵さんは馬鹿みたいに食べますよね~」
「お前は私に喧嘩を売っているのか…?」
自分のトレイに乗っている大盛りカレーを見ながら飛龍はケラケラ笑っているので、武蔵は拳をわなわなと震わせながら飛龍を見る。
「馬鹿になんてしてないですよ、ただ食べたものがお腹じゃなくてその胸の重りに行ってると思うとなんか笑えるなーって…」
「よし飛龍、ちょっと表に出ようか、悪いが暁、レフリー役を頼む」
「分かったわ!」
「ぎゃー!ごめんなさい!謝るから!謝るから髪引っ張って引きずるのは止めて!ハゲる!ハゲるから!」
「ふふっ」
横須賀の艦娘たちの仲むつまじい光景を見て、吹雪は自然と顔を綻ばせる。
「吹雪、今日の出撃でちょっと気になったことがあるんだけど…」
そんなとき、隣に座っていたマックスが吹雪に話し掛ける。
「ん?どんな事?」
「今日の出撃中に遭遇した電探持ちの増援艦隊なんだけど、どうしてわざわざ私たちに近づいてきたのかしら」
「…というと?」
「ほら、あの深海電探は艦娘の電探の電波をジャミングして姿が映らないようにするものでしょう?ならそのまま姿を消した状態で空母に超遠距離攻撃を仕掛けさせればよっぽど効率的だと思わない?なぜ反撃を食らう危険を覚悟で私たちに接近してきたのかしら」
マックスにそう指摘されて吹雪もハッとする、確かにそう言われてみればおかしな話だ。
「そう言えばそうだね、どうしてなんだろう…?実はあまり頭が良くないからじゃない?」
「それもあるかもしれないけど、第一そんな作戦も分からないような低脳なやつにそんなアイテムを持たせるかしら?」
「あー…確かに…」
その後も色々考えてはみたが、結局考察の結果は出ないままだった。
◇
「さてと、それじゃあ初日で得られた情報を整理しましょう」
相互着任会初日の深夜、台場鎮守府の客室で矢矧は天雲と秋霖を交えて極秘の定例会を行っていた。
「とりあえず今日得られた情報の中には海原提督が反逆者であるような証拠や証言は見当たらなかったですね」
「艦娘たちに関しても同じ感じです、一部の艦娘は血の気が多くて何だか穢らわしい感じですが、それ以外に気になる点はありません」
「ふむ…なるほど、初日でこれだけ分かれば十分だけど、もう少し切り込んだ捜査が必要になってくるわね、明日から本腰入れていきましょう」
「「はい!」」
◇
「ん?誰かのPitがメールを受信したな…」
所変わって横須賀鎮守府提督室、木村の机の中に保管してある台場組のPit…その中の吹雪のPitがメールを受信した事に気付いた木村は、机の引き出しの中からPitを取り出すと躊躇無くそれを見る、気づけば吹雪のPitには不在着信が十数件も溜まっているが、気にせず全て消去した。
・From:三日月
・time:2050/11/15
・no title
・no data
・本文
44**030152151345135132.515221**1522441293
「…なんだこれは?」
画面に表示されている内容を見て木村が首を傾げていると…
「提督!」
大和が息を弾ませて提督室に駆け込んできた。
「どうしたんだ?そんなに慌てて…」
「東京湾遠海に姫級の深海棲艦が3体、僚艦を大量に引き連れてやってきました!」