艦隊これくしょんーDeep Sea Fleetー 作:きいこ
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三式弾とかの有効装備何一つ持ってなかったけどどうにかなりました!
でも音量OFFにしていたせいで撃破ボイス聞き損ねた…
てかクリア報酬のカタパルトって何ぞ?万年不調の利根に使うと喜ぶとか?
早瀬の艤装の準備を終えた後、今回参加する艦隊の電探、及びカメラ情報をディスプレイに投影させる作業に入る。
『リブラ隊、レオ隊の電探及びカメラ接続を確認しました』
早瀬は機械のような感情希薄な口調で確認作業を行っていく、普段は感情豊かな早瀬だが、オペレーターの本領を発揮する官制モードに入るとこのように淡々とした口調になる、何でも感情に流されず事実のみを正確に伝え、判断するための機能らしい。
今回参加する艦隊は12艦隊、それぞれに艦隊名が付けられており、作戦中はそれで艦隊を判断する。
『ヴァルゴ隊、タウロス隊、アクエリアス隊の電探及びカメラ接続を確認、サジタリウス隊のカメラに接続不良を確認、艦隊
12個のモニターを前に早瀬はまるで全てを同時に見ているかのように、素早く、かつ的確な指示を出していく。
「…すげぇな、流石はオペレーター艦として建造されただけのことはあるぜ」
「確かにそうですね、これには私も目を見張るものがあります」
海原と伊刈はその様子を見て目を丸くしていた、自分たちの
「でも、台場鎮守府の海原さんと一緒に任務につけて良かったです、海原さんとは一度会ってお話ししたいと思ってましたので」
「ん?俺の事知ってるのか?」
「えぇ、深海棲艦との
「とうとう異端呼ばわりか、別に気にしてねぇからいいけどさ」
伊刈の口から語られる自分に対する評価を海原は軽く流す。
「私は海原さんを異端だとは思いませんよ、むしろ私の目的を達成するために必要な事を知ってるかもしれない人だと思ってずっと会いたいと思ってました」
「伊刈の目的?」
「はい、深海棲艦との“和解”です」
伊刈のその言葉を聞いて海原は少し驚いた顔をするが、すぐに元の表情に戻る。
「和解か、そんな事を言う奴は今時珍しいな、何か理由があるのか?」
海原にそう問われた伊刈はどう答えようか悩んでいるようであったが、やがて口を開き、こう言った。
「私、深海棲艦に命を救われた事があるんです」
◇
「こちらレオ隊
東京湾近海、今回の作戦に参加する艦隊のひとつ、レオ隊の
『レオ隊の電探及びカメラの接続を確認しました、引き続き作戦を遂行してください』
ローマの耳に装着しているインカムから早瀬の感情希薄な声が返って来たのを聞くと、後ろを振り向いて僚艦の様子を見る。
「みんな、コンディションはどう?」
そう言ってローマが見る僚艦の姿は、とても懐かしさを感じる面子であった。
「大丈夫です!いつでも戦えます!」
「私も万全です」
「おう!アタシもだぜ!」
「当然じゃない!敵をミンチにする準備は万端よ!」
「私も大丈夫です!」
ローマ、瑞鶴、加賀、摩耶、暁、吹雪で構成されたレオ隊は、奇しくも北方領土奪還作戦で戦ったメンバーと全く同じだったのだ。
「でも、またこのメンバーで集まれるなんて思ってもみなかったわ」
「本当ですよね、何かの縁を感じます」
ローマと瑞鶴が楽しそうに談笑していると、加賀が思い出したように吹雪に聞く。
「そう言えば、あなたたち以外の台場組もここに来てるの?」
「来てますよ、サジタリウス隊に曙とマックスが、アリエス隊に台場鎮守府から駆り出された三日月と雪風がいます、残りは鎮守府の防衛でお留守番してます」
「そう、台場組がそんなに来てるのなら、今回の戦いは多少こちらに利があるかもしれないわね」
「いや…知ってるとは思いますけどみんな駆逐艦ですよ?」
「何を言うの、台場組の戦闘力の高さは私たちがよく知ってるわ、
「そうそう!頼りにしてるからな!」
合いの手を入れるように摩耶も会話に混ざる。
「はい!頑張ります!」
「摩耶さんも結構まともな事言うのね、流石は艦娘界の腹ボテ担当ね」
「勝手に変な二つ名つけんじゃねぇ!あと誰が腹ボテだ!妊娠なんてしてねぇよ!」
「だってそのお腹みたら…ねぇ?」
「もうアタシの腹弄るの止めてもらえませんかねぇ!てか見るな!触るな!摘まもうとするなぁ!」
暁と摩耶の微笑ましいやり取りに、助け船を出そうとする者は誰もいなかった。
◇
東京湾遠海よりもさらに遠海、七海たちは大量の深海棲艦を引き連れて東京湾へと向かっていた。
「…そろそろ目的地に到着する頃ね、あと15分くらいかしら」
先頭にいたベアトリスがレーダーを見ながらおおよその到着時間を予測する。
「七海様、お願いします」
ベアトリスが一番後ろを航行している七海に頭を下げると、七海は頷いて艤装を動かす、七海の艤装は至極シンプルなモノだった、腰のベルトから2本の支柱が横方向に一直線に伸びており、その左右両端には艤装の本体がある。
その本体もシンプルな作りであり、簡単に言えば抽選会などでのくじ引きで使われる穴の空いた黒い箱が巨大化したモノ…と言えば分かりやすいだろうか。
「…
七海がそう呟くと、艤装の穴の部分からメガホンのようなモノが付いた太いホースが飛び出し、それが上空を向く。
「
ボン!という音と共にメガホンから白い弾が飛び出し、上空に撃ち出される。
そしてそれは空中で数機の艦載機へと姿を変えた、本体は動物の頭骨を思わせるほど白く、目のように見える穴からは紫色の淡い光が漏れ出している、それはまるで鬼火を宿した
「…敵を捕捉、数は50以上」
ゆうに十数キロは離れている距離だというのに、七海の艦載機…御霊骸は敵の情報を大まかだが読み取って見せた。
「へぇ、艦娘たちも本気ってわけね」
「その方がやりがいがあるってものよ」
エリザベートとシャーロットもこれから始まるであろう戦いに胸を踊らせるように嗤う。
「
そう言ってシャーロットは従えている
「随分とやる気なのね、これなら今回は楽勝かな?」
シャーロットはそう満足げに言うと、後ろを航行しているメアリーとマーガレットの方を見る、大きなカプセルを乗せたボートを牽引しており、中には使い捨ての切り札が眠っている。
「あなたたち、しっかり引っ張るのよー」
「シャーロット先輩も手伝って下さいよ~」
「これ結構重いんですよ…」
メアリーとマーガレットはシャーロットに助けを求めるが、当の本人は朗らかに笑ってスルーしてしまう。
(この戦いで艦娘を多く失わせれば人間の守りは薄くなる、そこを突けば人類抹殺計画は大きく歩みを進められるはず)
(だから博士、もう少しだけ待っていてください、あなたの願いは、私が叶えます)
そんな和やかな光景を後ろで眺めながら、七海は密かに決意を固めていた。
次回「単体複心」
そう言えば神威ゲットしたはいいけどどう使えばいいのやら…