艦隊これくしょんーDeep Sea Fleetー   作:きいこ

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投稿がすっかり遅くなってしまいました、それもこれもペルソナ5ってヤツが悪いんだ。

南西諸島海域のどこかでドロップしてから今日まで我が艦隊の主力を支えてきた!!!吹雪タイム!!!初戦艦の金剛が改二になりました!初戦艦で思い出深い艦娘なので嬉しいですね~。

【挿絵表示】

…その割には南西諸島のどのステージでドロップしたか思い出せないのですが。

そう言えばまとめサイトなどで「好きな艦これ二次創作は誰の何?」と言った話題を度々目にしますが、このテーマで大々的にアンケートとか取ったら面白そうだと思います。


第177話「東京湾沖海戦13」

「どういうこと…?“面影”って、深海棲艦が艦娘だった時の姿なんでしょ?」

 

 

「それが複数見えるとうことは、あの石像(ゴーレム)は何体もの艦娘から出来ている…ということ…?」

 

 

シャーロットの艤装についてそれぞれ考察する瑞鶴と加賀だが、それを許すほど敵の気は長くなかった。

 

 

シャーロットが石像(ゴーレム)を急接近させると、アリエス隊の駆逐艦娘をその剛腕で掴み、逆さ吊りの状態にする。

 

 

 

「…やれ、アルビオン」

 

 

シャーロットは艤装の石像(ゴーレム)…アルビオンにそれだけを命令する、アルビオンは駆逐艦娘の両足を器用に握ると…

 

 

 

 

 

そのまま思い切り引き裂いた。

 

 

「…え?」

 

 

何が起きたのか前衛の艦娘は理解ができなかった、ブチブチブチ!という物凄い音と共に駆逐艦娘の身体は裂けるチーズも裸足で逃げ出すほど綺麗に真っ二つになっており、その断面からは内臓や脳、そして大量の血液が海面を赤く染めながらドボドボと落ちていく。

 

 

前衛部隊がパニック状態になったのはその直後だった、アルビオンが砲を撃てば命中した艦娘は戦艦であろうが容赦なく大破状態にされ、接近されれば剛腕で殴られ頭を潰される、艤装の加護でもその威力を殺しきる事は出来ず、1体…また1体と艦娘が命を散らしていく。

 

 

艦娘たちは負けじと砲撃をアルビオンに浴びせるが、防御力が高いのかダメージはほとんど通っていない。

 

 

「まずいわよ!このままじゃ前衛艦隊がガタガタになる!」

 

 

「どうにかしないとマズいわね…」

 

 

瑞鶴とローマが対策を考えていたが、アルビオンのターゲットがとうとうレオ隊に向いてしまい、即死級のパンチが飛んでくる。

 

 

「はあっ!」

 

 

吹雪が手甲拳(ナックル)でアルビオンのパンチを受け止める、凄まじい衝撃と激痛が吹雪を襲い、骨が軋む音が聞こえる。

 

 

「…へぇ、艦娘にしては中々やるじゃない」

 

 

「それはどうも、あなたのその艤装…アルビオンも中々のものですね、いったい何体の艦娘を使ってるんですか?」

 

 

腕の痛みに顔をしかめながら吹雪はシャーロットにそう返す。

 

 

「あら、アルビオンの正体を見破られたのは初めてね、そうね…大体20体かしら、ヒュースに改造するときの失敗作をまとめたモノがこのアルビオンよ」

 

 

「っ!?失敗作の寄せ集め…!?」

 

 

シャーロットの言葉に吹雪たちは目を剥いた、吹雪たち元深海組は深海棲艦によって改造されて作られた存在だ、それが失敗した姿のなれの果て…それが目の前のアルビオンだというのか。

 

 

戦艦級(バトルシップ)飛行場級(エアポート)巡洋艦級(クルーザー)、全種の艦娘の遺伝子を寄せ集めて作られてるから能力は折り紙付きよ、アルビオン!」

 

 

シャーロットの指示でアルビオンは再び吹雪たち目掛けてメガトンパンチをお見舞いする。

 

 

「させないわよ!」

 

 

すかさず暁が棘棍棒(メイス)を拳に叩きつけて防御、その衝撃で暁が数メートル後ろにずり下がる。

 

 

「いたた…中々クルわね…」

 

 

両腕の痺れに耐えながら暁はシャーロットとアルビオンを睨み付ける、棘棍棒(メイス)を直に殴ったにも関わらずアルビオンの拳には傷ひとつ付いていなかった。

 

 

「……」

 

 

ローマはチラリと他の艦隊の様子を見やる、控えの艦娘が入れ替わり立ち替わりで素早く交代しながら戦うスイッチ戦法のおかげで前衛はかろうじて持ちこたえているが、それも長くは続かないだろう。

 

 

「てか、戦艦棲姫自体は攻撃してこないのか?ずっとアルビオンが戦ってるけどよ」

 

 

摩耶の言葉に全員がはたと気付く、確かにシャーロットの攻撃は強力だが、それらは全て彼女の従えているアルビオンが行っており、シャーロット自身はアルビオンと繋がっているコードの長さに気を付けながら移動しているのみ、攻撃をしてくる様子はない。

 

 

「…もしかしてシャーロット本体はそれほど力を持っていない…?」

 

 

その仮説が正しいのであれば、こちらがやれることはひとつしかない。

 

 

「総員、戦艦棲姫本体に向けて攻撃!」

 

 

ローマの合図でレオ隊の全員がシャーロット本体に砲撃を行う。

 

 

「っ!!アルビオン!」

 

 

それに気付いたシャーロットはアルビオンを自身の前に立たせ、盾にして攻撃を防ぐ、戦艦や空母の攻撃をまともに食らったアルビオンは爆炎と硝煙に包まれる、しかしアルビオンにはそれほどダメージは入っていないようで、煙を振り払って咆哮する。

 

 

「かかったわね!」

 

 

するとそれを待っていたかのように吹雪がアルビオンに接近し、アルビオンの口の中に何かを投げ入れる。

 

 

「あの艦娘何を…?」

 

 

その行動にシャーロットは首を傾げたが…

 

 

「━━━━━━━━っ!!!!!」

 

 

刹那、アルビオンの外皮(がいひ)の一部が内側から吹き飛んだ。

 

 

「何だと!?」

 

 

突然ダメージを受けたアルビオンを見てシャーロットは目を剥いた。

 

 

「何かあったときのために大鯨さんから何個か貰ってきてましたけど、早速お役立ちですね」

 

 

そう言って吹雪が手にしたのは普段大鯨が戦闘で使っている手榴弾だ、外側がダメなら内側から…という事でアルビオンの口から体内に手榴弾を放り込み、内側から直接ダメージを与えたのだ。

 

 

「おのれ…!」

 

 

シャーロットは憎らしげに吹雪を睨みつけるが、アルビオンに攻撃をさせようとはしない、今の手榴弾によるダメージが堪えているようだ。

 

 

「シャーロット先輩!一度下がってください!ここは私が場を繋ぎます!」

 

 

そう言ってエリザベートがシャーロットと入れ替わりで現れた、5メートル四方の正方形の形をした艤装の上に立っており、その身には滑走路を思わせる防御兵装リコリスを、そしてDeep Sea Fleetを散々苦しめたけん玉を装備している。

 

 

「久しぶりねあの時の艦娘!今日は徹底的に追い詰めてやるから覚悟しておきなさい!」

 

 

「うぅ…エリザベートとは二度と戦いたくなかったのに…」

 

 

「あのけん玉を見ただけで胸の辺りが痛むわ…」

 

 

過去の戦いの記憶を刺激されて古傷が痛み出す吹雪たちと暁、特に暁は肋骨複雑骨折に内臓多数破裂の重傷を負わされたので尚更戦いたくはないだろう。

 

 

「さぁ!第二ラウンド開始よ!」

 

 

エリザベートが意気揚々とけん玉を掲げたが…

 

 

「っ!?」

 

 

その直後、エリザベートの艤装に激しい衝撃が走り、水柱が上がる。

 

 

『かかったみたいですね』

 

 

すると、ローマのインカムから早瀬の無機質な声が聞こえる。

 

 

『レオ隊のあなた達が飛行場姫と対話している隙に空母棲姫と交戦していた水雷戦隊の一部に雷撃をさせたんですよ、これだけの魚雷を食らえばいくら姫級といえど…』

 

 

大ダメージは免れない、と言おうとしたが…

 

 

 

「残念~、私に雷撃は利かないのよ、なんて言ったって私の兵装は雷撃を無効化するんですもの」

 

 

エリザベートの愉しそうな笑い声にそれは塗りつぶされた。




次回「イカダ」

陸上型の秘密。

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