艦隊これくしょんーDeep Sea Fleetー   作:きいこ

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NicoBoxというバックグラウンドで音楽を再生出来るニコニコ動画のアプリがあるんですけど、それで別のゲームのBGMや音ゲーの曲を再生しながら艦これをやることにハマってます。

・天照/太鼓の達人
・忘却のティルナノグ/太鼓の達人
・狂花水月/星のカービィトリプルデラックス

個人的に上の3曲は戦闘BGMとして流すと盛り上がります。


第179話「東京湾沖海戦15」

「飛行場姫が乗っているのは艤装じゃない?」

 

 

「どういうことだ?」

 

 

ローマと摩耶は吹雪の推理を聞いて首を傾げる。

 

 

「さっき魚雷をエリザベートにぶつけたときに思ったんです、もしあの艤装が本当に魚雷を無効化するなら、たとえエリザベートの足元からぶつけてもエリザベートにはダメージがいかないハズです、もちろん“無効化”の範囲にもよるかもしれませんが、少なくともさっきの攻撃では普通に爆発してました」

 

 

「…なるほど、そういうことなのね」

 

 

「…ごめん、アタシまだ分かんない」

 

 

吹雪の言わんとしていることを理解したローマに対し、摩耶はさらに首を傾げる。

 

 

「つまりエリザベートが乗っている物体は身体の一部である艤装ではなくただの浮島…鉄の塊です」

 

 

「…てことは、艤装じゃないただの鉄の塊に魚雷を当ててるだけだから飛行場姫自身にはダメージはいかない、噛み砕けばイカダやボートに乗りながら戦ってるようなもの…って事か?」

 

 

「はい、ボートの底を棒で突いてもその上にいる人には当たりませんから」

 

 

吹雪の説明に摩耶はあっけらかんとした表情になる、雷撃無効化などというトンデモ性能な艤装かと思えばふたを開けてみればただの鉄塊(イカダ)、全く笑わせてくれる。

 

 

「それじゃああの飛行場姫に雷撃を当てるには…」

 

 

「あの浮島を破壊するか、もしくはエリザベートを浮島から下ろすかのふたつしかないと思います、砲撃や空撃が盾で防がれてしまう現状では足元を狙うガード不能の雷撃が一番効果的ですから」

 

 

「まぁ、そうなるわよね、問題はどうやってあの浮島を破壊するかだけど…」

 

 

「ギャガアアアアアアァァァ!!!!!」

 

 

レオ隊がエリザベートの攻略法を話し合っていた時、突如耳をつんざくような雄叫びが七海陣営の方から聞こえてきた。

 

 

「何事!?」

 

 

「おいおい!何だありゃ!?」

 

 

見れば敵陣から弾丸の如きスピードでこちらに向かってくる1体の深海棲艦が見えた、体格は駆逐艦娘よりやや高いくらいで、首には黒い首輪(チョーカー)が付けられている、その背後からは大蛇を思わせる太長い尻尾が生えている、その尻尾の先端は歪な形をした口になっており、その奥からは砲身を覗かせている。

 

 

「ガアアアアアアアァァァァアアアァァァ!!!!!!!!!」

 

 

謎の深海棲艦は尻尾をうねらせながら前衛艦隊に向かってくると、アリエス隊の戦艦娘に尻尾の主砲で砲撃を食らわせる、その荒れ狂う姿はまるで旧約聖書の海の悪魔、レヴィアタンのようであった。

 

 

「がはっ!」

 

 

殴られた戦艦娘は勢いよく後方に吹き飛ばされ、中破のダメージを負う。

 

 

「はぁ!?戦艦娘が一撃で中破!?」

 

 

「あいつ戦艦棲艦!?」

 

 

レヴィアタンは続けて魚雷を3方向に扇状に撃ち出し、辺りの艦娘に命中させていく、食らった艦娘たちは戦艦だろうと空母だろうと大ダメージを負う、レヴィアタンは態勢が崩れた隙を見て一気に中衛の方まで進んでいく。

 

 

「雷撃!?」

 

 

「しかも何よあの威力!?」

 

 

レオ隊がレヴィアタンの戦闘力に度肝を抜いている時、吹雪と暁はあることに気付いた。

 

 

「…えっ?“面影”がある…?」

 

 

新種の戦艦棲艦に2体の“面影”があったのである、しかも常に見えている訳ではなく、映りの悪いノイズ混じりのテレビのように途切れ途切れに見えたり消えたりしている、まるでその“面影”の艦娘の自我が消えていこうとしてるような…。

 

 

 

そして、その“面影”にひどく見覚えがある艦娘がいた。

 

 

 

 

 

 

「嘘…で…しょ…?」

 

 

アリエス隊にいた三日月と雪風は自分の脇を駆け抜けていくレヴィアタンを見て我が目を疑っていた、何せそこに見える“面影”は…

 

 

「秋月…?夏潮…?」

 

 

かつて室蘭鎮守府で共に過ごした秋月と夕月のモノであったからだ。

 

 

「秋月!夏潮!」

 

 

三日月と雪風は艦隊行動も忘れてレヴィアタンの後を追い掛ける。

 

 

「あっ…!待ちなさい三日月!雪風!」

 

 

勝手に艦隊を離れていく2体に旗艦(リーダー)の矢矧が止めるが、三日月たちは構わず追い掛けた。

 

 

 

「秋月!夏潮!三日月よ!私のこと分かる!?」

 

 

三日月はレヴィアタンに呼び掛けるが、レヴィアタンも“面影”も何も反応がない、完全に自我を乗っ取られているようだ。

 

 

「グギャ…?」

 

 

すると、今声を掛けたせいかレヴィアタンがこちらを向き、三日月たちと目が合う。

 

 

「ガギャアアアアアァアアアアァ!!」

 

 

三日月たちを視界に捉えるなりレヴィアタンは尻尾の主砲を向け、猛スピードで向かってくる。

 

 

「っ!!」

 

 

溢れんばかりの殺気に満ちた鮮血のような眼に射竦められて三日月たちは固まってしまう、見知った“面影”を持つ深海棲艦から向けられる殺気に気圧されてしまったのだ、殺される、そう確信した三日月たちだったが…

 

 

「…えっ?」

 

 

その尻尾が三日月を捉える寸前のところでレヴィアタンはその動きを止めた、まるで彼女には攻撃できないという本能があるかのように…

 

 

「…ミ…カ……ヅキ…………?」

 

 

「っ!?」

 

 

レヴィアタンの口から呟かれたその言葉は、間違いなく自分の名前であった。

 

 

「秋月!?夏潮!?私が分かる!?」

 

 

「私だよ!雪風だよ!」

 

 

消えそうになっている“面影”や自我を呼び覚ませないかと三日月たちはレヴィアタンに呼び掛け続けるが…

 

 

「…ガギャ…?」

 

 

レヴィアタンの腕が、足が、胴体が溶けるように組織崩壊を起こし、どんどんその原型を失っていく。

 

 

「…えっ…?嘘嘘!?待ってよ秋月!夏潮!嫌だよ!消えちゃ嫌だよ!」

 

 

「待ってよ!私たち…もっと話したいこととかいっぱい…!」

 

 

 

三日月と雪風はレヴィアタンを逝かせまいと手を握って引き留めようとしたが、その手もついには崩れて無くなってしまった。

 

 

「…そんな…」

 

 

「秋月…夏潮…」

 

 

戦場のド真ん中ということも忘れ、三日月たちは泣き崩れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…やっぱり持続時間は短かかったわね、あまり役には立たなかったかな」

 

 

 

 

 

そんな様子を見ながら、ベアトリスはそう吐き捨てた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…おい」

 

 

「今…何て言いました…?」

 

 

その言葉を聞いた三日月と雪風は、完全に自制心を無くしていた。




次回「始まりの深海棲艦」

子供は親から生まれる、じゃあ最初の親はどうやってこの世に生まれたんだろうね?
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