艦隊これくしょんーDeep Sea Fleetー   作:きいこ

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今更ですがあけましておめでとうございます、今年もDeep Sea Fleetをよろしくお願いします。

自分は正月早々出勤したり先週の雪の影響で終電間際まで修羅場だったりと、鬼灯様にキレられそうな状況でした。


第202話「渋谷奪還作戦16」

そしてこちらは戦闘班、吹雪たちがユリアナと戦闘を開始してから30分以上経過しているが、戦況は確実に悪くなっていた。

 

 

「きゃあっ!」

 

 

「青葉!」

 

 

ユリアナの砲撃で青葉が大破になり、追撃しようとするユリアナを止めようと比叡が主砲を撃ち出す、しかし駆逐戦車が飛び出して盾となり、砲撃がユリアナに命中することはなかった。

 

 

「くそっ!こいつら次から次へと…!」

 

 

「武蔵さん!空母隊がそろそろガス欠です!」

 

 

「分かった!赤城たち空母隊は青葉を連れて拠点へ退避!交代が来るまでは舞浜の防空駆逐隊が死ぬ気で対応だ!」

 

 

「「了解!」」

 

 

武蔵の指示で戦場の艦娘たちはそれぞれ動き出す、高速修復材を湯水のように使い、艦娘をローテーションで回してユリアナを全力で攻撃しているが、ユリアナに与えられたダメージは小破相当で膝をつかせるまでには至っていない、艤装であるユミルの多彩な攻撃手段や装甲といったスペックもさることながら、ユリアナを守るように立ちはだかる駆逐戦車がその攻撃を邪魔しているのだ。

 

 

戦線は少しずつだが後退していき、あともう少しで拠点があるスクランブル交差点に差しかかかってしまう程まで来ていた。

 

 

「てやあぁっ!」

 

 

吹雪が手甲拳(ナックル)で駆逐戦車の脳天の装甲を砕き、篝がパイルバンカーでその脳髄を貫く、かれこれ50体以上は倒しているが、駆逐戦車の控えが尽きる気配は無い。

 

 

「武蔵さんと大和さんももう下がった方がいいですよ!いくら大和型とは言えもう持ちません!」

 

 

古鷹がユリアナの砲撃をかわしながら大和たちに退避を具申する、大和たちは開戦からずっと戦いっぱなしだったため、既に大破寸前のダメージを負っていた。

 

 

「…すまない、すぐに戻る、扶桑!山城!指揮を頼む!」

 

 

「了解しました!」

 

 

「お任せください!」

 

 

大和と武蔵は護衛の駆逐艦娘に連れられながら拠点へと退避する。

 

 

「…ふん、どれほど我を楽しませてくれるのかと思ったが、存外大したことはないのだな」

 

 

期待はずれといった様子でユリアナが言う、その余裕綽々とした態度に周りの艦娘たちが一斉にムカついた。

 

 

「ナメるんじゃないわ…よ!」

 

 

扶桑がユリアナに主砲と副砲を同時に撃つ、砲撃は全て命中しているが、ユミルに致命的なダメージを与えられていない。

 

 

「無駄だ、ユミルの装甲は戦艦級(バトルシップ)の艦娘の兵装や肉体組織を取り入れている、生半可な攻撃では壊せまい」

 

 

そう得意げに言うと、ユリアナはユミル正面の中口径主砲を扶桑にロックオンし、的確に狙撃する。

 

 

「ぐあっ!」

 

 

「扶桑!」

 

 

砲撃を受けて転倒する扶桑を山城が受け止める、ダメージは中破相当で済んだようだが、左足の骨にヒビが入ってしまった。

 

 

「トドメだ」

 

 

ユリアナが中口径主砲と小口径主砲を全て扶桑と山城に向ける。

 

 

「させるかぁ!」

 

 

「させません!」

 

 

しかしそれを阻止するために曙と蛍がそれぞれスティレットとハープーンガンでユミルの足を攻撃する。

 

 

『ー!?』

 

 

硬い皮膚と分厚い筋肉でダメージこそ少なかったが、ユミルの痛覚を刺激する事は出来たらしく、その巨体を苦しそうに揺らす、そのせいで砲撃の照準がずれ、弾丸は扶桑と山城の両脇のアスファルトを抉るだけで終わった。

 

 

「ふん、少しは頭を使うようだな、なら…これでどうだ?」

 

 

ユリアナはユミルを操作して体の向きを変えると、口を大きく開けさせる。

 

 

「ファイアー!」

 

 

刹那、ユミルの口から激しい火炎放射が放たれ、正面にいた艦娘たちを焼いていく。

 

 

「今だユミル!前進!」

 

 

ユリアナの指示により、ユミルは艦娘たちを蹴散らしながら前進していく。

 

 

「しまった!炎に怯んで攻撃の手が緩んだ隙に…!」

 

 

「追うわよ!」

 

 

艦娘たちはユリアナを追って攻撃を加え続けたが、ついにユリアナ率いる陸上艦隊がスクランブル交差点に到達してしまった。

 

 

 

 

「…ん?木村から…?」

 

 

海原がポケットの中で振動している携帯電話を取り出すと、ディスプレイには横須賀の木村の名前が表示されていた、確か今は地上の救護所で艦娘の応急処置をしていたはずだ。

 

 

「もしもし?どうした?」

 

 

『大変な事になった!泊地棲姫がスクランブル交差点まで進軍してきやがった!』

 

 

「はぁ!?」

 

 

木村の言葉に海原が驚愕する、地上では大和型含む横須賀の精鋭たち、そして舞浜や幕張の主力部隊が戦っているはずだ、それらを押す泊地棲姫の戦闘力とはいったいどれほどのモノなのだろうか。

 

 

『そのせいで泊地棲姫の射程距離が拠点にまで届くようになっちまったんだ!だからこれから救護所だけでもシェルター内に移す!このままじゃろくな処置も出来ないからな!』

 

 

「分かった、こっちも準備しておく」

 

 

海原は電話を切ると、シェルター内にいる自衛隊や海軍の連中にそのことを伝え、急遽艦娘用の救護所を用意することになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…しかし、設営途中で問題が発生した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「冗談じゃねぇ!何であんな化け物たちを中へ入れなきゃならねぇんだよ!」

 

 

「そうよ!断固反対するわ!」

 

 

シェルター内の避難住民たちが反対して騒ぎ始めたのだ。

 

 

 




次回「一番偉いのは?」

少なくとも、お前らよりは偉い。

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