艦隊これくしょんーDeep Sea Fleetー   作:きいこ

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ここからは後日談となります。


スマブラSPをプレイしていますが、弱いので黒星を積み重ねている日々です、早くマイキャラを定めたいところ。ルキナとカムイ(女)が見た目的に好み。

DLCファイターにジョーカー(ペルソナ5)が来ると知って超驚いた。


エピローグ
第216話「後日談1」


 

「電探に反応あり、数は6体、会敵(エンカウント)まであと数分って所かしらね」

 

 

「了解、それじゃ各自警戒しながらそのまま航行」

 

 

暁からの敵艦隊情報を元に、吹雪は他のメンバーに指示を出す。

 

 

「…はぁ、全くもう、こんなクソ寒いのに出撃任務だなんて、ついてないわね」

 

 

「暖房の効いた部屋でアイス食べたいです…」

 

 

「こたつでゲームってのもいいよね」

 

 

「こら暁、三日月に雪風も、無駄話してないで周囲の警戒をする!いつ敵が撃ってくるか分からないんだよ」

 

 

「そうは言っても吹雪さん、来る日も来る日も終わりが見えない残党狩りばかりじゃ退屈しますよ」

 

 

無駄口が減らない暁たちを吹雪がたしなめるが、暁はどこかだるそうに反論する。

 

 

「…まぁ、それはそうだけどさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの戦いから1ヶ月が経とうとしていた。

 

 

 

だが、海の平和は、戻っていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

七海からの終戦宣言後、すぐに関係各所が対応に追われることになった、まずはこの戦争に関する関係者、つまり榊原や南雲などのヒュース製造に関わった当時の関係者の責任追及が始まった。

 

 

これにはヒュースの被害にあった各国の首脳たちも集めた会議で討論されたが、ヒュースが生み出されたのは第三次世界大戦…責任の追求がしようのない戦争の最中であったこと、当時の日本は火の粉を飛ばされた被害者的立場にもあったこと、日本以外でも人造人間(ヒューマノイド)の企画、製造の事実が判明したことなどもあり、特に具体的な刑罰などには問われなかったが、その代わりに深海棲艦の残党をすべて駆逐するまでその職務を全うするよう言い渡された。

 

 

七海から榊原に手渡されたデータには研究所の支部の場所のGPSデータが入っており、榊原含む造船所や海軍警察の人員が現地に調査に向かった。

 

 

そこには今まで製造された深海棲艦のデータや製造中の個体サンプル、そして今現在放たれている深海棲艦のデータなどが見つかった、研究所本部のバックアップがあったとはいえ、それらのデータの基礎をを七海一人で作り上げた事には榊原を驚かせた。

 

 

そしてそのデータによると、今現在放たれている深海棲艦の数が少なく見積もっても3桁後半…多く見積もると4桁前半にも上る事が判明し、当分は残党狩りで戦いは終わらないという事実を突きつけられることになった。

 

 

それらの事実をまとめ、海軍警察や大本営、日本政府は今後の具体的な対応を発表した、深海棲艦の残党がすべて駆逐されるまでは今まで通り海軍や艦娘は運営を続行、ただし敵の増援の可能性が消えたため今後は地方の小規模鎮守府や駐屯基地を中心に少しずつ解体&統合を行い数を減らしていく。

 

 

そして完全に深海棲艦の駆逐が完了と判断された場合、海軍警察や大本営などの艦隊運営組織は解体され、かつての海上自衛隊へと戻される、艦娘は引き続き海上自衛隊所属の護衛艦として引き続き任に就くか、退役して人間社会に出るかのどちらかを任意に選ばせる事になった。

 

 

社会復帰に関する国民に対する艦娘への認知や理解は未だ課題もあるが、渋谷奪還作戦での一件や海原のテレビでの発言、各関係者の努力などにより、少しずつではあるが良い方向へと向かっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、それにしてもこんなに忙しくなるなら窓際のままの方が良かったわ」

 

 

「そんなこと言わないの、ようやく開発や建造が堂々と出来るようになったんだから、そこは喜ばないと」

 

 

「そうですよ、資材の支給だって他の鎮守府同様相応の量をもらえるようになったのですから」

 

 

暁の愚痴に吹雪と篝がそう言ってなだめる、終戦や今後の残党駆除にあたり、台場が正式に鎮守府として認められる事となった、これまでの作戦での戦績や功績を鑑みての措置らしいが、一刻も早く残党駆除を終わらせるための戦力保持が主な理由だろう。

 

 

今まで以上に忙しい日々を送ることになったDeep Sea Fleetだが、吹雪の言ったように建造や開発が自由に行えるのはこれまでにない利点だ。

 

 

「そのおかげで艦隊全員が電探を持てるようになったんだし、それには感謝しないとね」

 

 

「それはそうなんだけど、早くも今までのスローライフが懐かしいわ…」

 

 

もう戻っては来ないであろう自堕落な生活を懐かしむ暁であったが、敵艦隊の接近でそれは中断されることになった。

 

 

「…えっ?」

 

 

「何…?あれ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしそこに現れた敵艦隊は、武装もなにも施していない、丸腰の輸送棲艦たちだった。

 

 

 

 

「…えーっと…」

 

 

「これは…」

 

 

目の前で何もせずにこちらを見つめる輸送棲艦たちに、吹雪たちは戸惑いを隠せない、攻撃してくるわけでもなく(そもそも武器がないので無理だが)、それでいて何か行動を起こすわけでもなく、ただこちらを見つめるだけ、そんな輸送棲艦に吹雪たちもどう行動すればいいのか決めあぐねていた。

 

 

「えっと、もしかして、何か私たちに伝えたいことがある…とか?」

 

 

吹雪が恐る恐るそう問いかけると、旗艦(リーダー)と思われる輸送棲艦の一体がゆっくりと首を縦に振る、吹雪はそれを“肯定”と捉えると、自分たちがどうすればいいかを再び問う。

 

 

すると輸送棲艦たちはこちらに背を向けて航行を始め、旗艦(リーダー)の輸送棲艦をこちらを振り向きながらゆっくりと動き出す。

 

 

「…付いて行けばいいの?」

 

 

吹雪の問いに輸送棲艦は再び頷くと、吹雪たちは輸送棲艦の後へ付いて行く。

 

 

「あれは…」

 

 

「入り江…みたいですね」

 

 

しばらく進むと、岩で出来た小さな入り江が見えてきた、入り江の中心は岩盤の洞窟になっており、中には十数人が入る事が出来るスペースが見える。

 

 

輸送棲艦は入り江の入り口まで来ると、船体下部から4足の足を出して上陸する、輸送棲艦が陸に上がれるという衝撃的な事実に驚きつつも、吹雪たちもそれに続いて中へ入る。

 

 

「…ここは…?」

 

吹雪が周りを見渡しながら呟くと、輸送棲艦の球体状の船体が開き、そこから何かが転がり落ちる。

 

 

「っ!?」

 

 

「これは…!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中から出て来たのは、七海、ベアトリス、シャーロット、エリザベート、メアリー、マーガレット…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの時に自決したヒュースそのものだった。

 




次回「未練と責任」

まだだ、まだ死なせんよ。

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