艦隊これくしょんーDeep Sea Fleetー   作:きいこ

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艦これアーケードで沖ノ島海域(2-4)クリアしました!

ただし上2体の戦艦棲艦は夜戦込みでも落としきれなかった模様、夜戦の駆逐艦6体一斉砲撃でも倒せないとかどんだけ堅いんだflagship!


第39話「三日月の場合24」

 

 

室蘭を発ってから4時間、海原たちを乗せた輸送機は大本営の発着場に着く。

 

 

「…ここに来るのも任命式以来だな」

 

 

たしか室蘭行きが決まって南雲に猛抗議したっけ、と当時を思い出す。

 

 

「ううぅ…」

 

 

「気持ち悪い…」

 

 

一方三日月たちは慣れない輸送機に長時間乗ったせいで酔ってしまい、完全に疲労困憊(グロッキー)状態だった。

 

 

 

「室蘭鎮守府司令官の海原です、大規模作戦への参加命令を受け馳せ参じました」

 

 

海原は大本営本館の入り口で受付をしている役員に挨拶をしている。

 

 

「…はい、確認いたしました、中へどうぞ」

 

 

受付を済ませた海原はすでに死にかけている部下を連れて本館へ入る。

 

「第1会議室だから…ここだな」

 

 

指定された部屋に入ると、すでに他の鎮守府の提督と艦娘が席に着いていた。

 

 

(呼ばれた司令官は俺だけじゃなかったのか)

 

 

海原は後ろの方にあった空席に三日月たちを座らせる、5席しか空きが無かったので海原は立っていることにした。

 

 

「司令官を立たせるなんていけません、私の席へどうぞ」

 

 

「いいっていいって、ずーっと長話聞かされるんだ、疲れるだろ」

 

 

 

三日月が自分の席を譲ろうとしたが、別に疲れるわけでもないので座るように言う。

 

 

 

「…すみません」

 

 

三日月が申し訳無さそうに席に座り直す。

 

 

(今まであまり意識してなかったけど、三日月って結構気遣いとか出来るやつなんだな)

 

 

デートとかに行ったら逆にエスコートされてしまうかもしれない、などと海原はのんきに考える。

 

 

海原の入室から10分後、会議室の扉が開いて南雲元帥と鹿沼が入ってくる。

 

 

「元帥の南雲だ、今日は集まってくれて感謝する、早速だが作戦の概要を説明させてもらう」

 

そう言うと南雲は黒板にチョークを走らせながら今作戦の内容を説明する。

 

 

「今回の作戦の舞台となるのは大平洋上に位置する沖ノ鳥島だ、この島を狙って深海棲艦が度々出没しているという報告が今年に入って20件を越えている、島民への被害は今の所報告されていないが、敵の強さも日に日に増してきており駐屯基地の警備艦隊だけでは限界があると判断した、よって各鎮守府の精鋭艦隊で構成する“特別連合艦隊”で敵の大本を叩く!これが今作戦の目的だ」

 

 

南雲は一息で作戦内容を説明した、心の中ではドヤ顔とかしてるんだろうか、と考えずにはいられない海原だった。

 

 

「なるほどな…これは腕が鳴る」

 

「ウチの戦力を上に見せつけるチャンスがやってきたな…」

 

 

「うまくやれば昇進出来るかも…」

 

 

説明を聞いた周りの提督たちはこそこそと自らの思惑を呟く、どうやらこの作戦を出世の足掛かりとしか考えていないようだ。

 

 

(本来は現地の島民を守る作戦なのにな、目先の利益にばかり気を向けてたら勝てる戦いも勝てないぜ)

 

海原はそうこっそり周りの提督に忠告しておく、面倒事になりそうなので口にはださなかったが。

 

 

 

 

作戦内容の説明が済んだ後、特別連合艦隊のメンバーが発表された。

 

○第1艦隊

・戦艦 陸奥

・戦艦 長門

・戦艦 金剛

・空母 信濃

・重巡 ザラ

・軽巡 長良

 

○第2艦隊

・戦艦 リットリオ

・戦艦 アイオワ

・戦艦 紀伊

・軽母 龍驤

・駆逐 夕立

・駆逐 神風

 

○第3艦隊

・空母 ヨークタウン

・軽母 瑞鳳

・軽巡 神通

・軽巡 天龍

・駆逐 睦月

・駆逐 皐月

 

○別動隊

・駆逐 三日月

・駆逐 雪風

・駆逐 夕月

・駆逐 夏潮

・駆逐 秋月

 

 

 

「…このメンバーで出撃してもらう」

 

 

「はい質問」

 

 

南雲が締めに入ろうとしたところで海原が手を上げる。

 

 

「…何だ、室蘭の海原」

 

 

「うちの艦隊が全員別動隊ってのに振り分けられてるんですが、これは?」

 

 

「追って説明する、今は話を聞いていろ」

 

 

海原の質問はあっさりと流されてしまった。

 

 

その後は細々とした説明などがなされて説明会は終了となり、編成表どおりに艦娘たちが集まり始めている。

 

 

「別動隊って何やりゃいいんだよ…」

 

 

追って説明すると言っておきながら結局何の説明も無く説明会が終わってしまったのでどうすればいいのか全くわからない海原。

 

 

『元帥の南雲より通達する、連合艦隊の編成が終わったら全員講堂に集合するように、繰り返す…』

 

 

すると、南雲から連合艦隊に向けて館内放送が入る。

 

 

「…行くか」

ぞろぞろと講堂へ向かっていく艦娘たちの後ろを室蘭はついて行った。

 

 

 

 

 

「それではこれより艦隊の配置を伝える」

 

 

講堂には南雲と鹿沼が待機しており、プロジェクターの映像を差し棒であちこちつついている。

 

 

「第1艦隊と第2艦隊は深海棲艦の根城になっていると思われるこの無人島への攻撃を、第3艦隊は沖ノ鳥島本島の警護だ、そして別動隊には巨人の剛腕(タイタン・アームズ)の見張りをしてもらう」

 

 

巨人の剛腕(タイタン・アームズ)?何でまたあんなモンの見張りを?」

 

 

「もし本土付近で戦闘になるような事があったら損傷する可能性があるからな、念のためだ、言っただろう?別動隊だと」

 

 

(…こりゃ相当暇な任務になりそうだな)

 

 

説明を聞いて複雑な気分の海原だった。




大規模作戦はこんな流れが通例のようです。

ちなみにアーケードでモーレイ海(3-1)もクリアしたんですけど、ボス戦のみでクリアというブラウザー版の理想型みたいな勝ち方でした。

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