艦隊これくしょんーDeep Sea Fleetー 作:きいこ
と言うわけでタイトル通り
この小説の艦娘設定を一部公開、ありきたりだって?まぁそう言うな。
『造船所』
艦娘の建造や艤装の開発など、現在各地で活動している艦娘の管理を一手に担っている組織だ、その技術やテクノロジーなどの詳細は一切の極秘とされており、海軍元帥でも知る権限を与えられていない。
「そろそろかな」
造船所所長の榊原は造船所のエントランスホールで腕時計を見ながら呟いた、今日は注文していた建造部で使う荷物が届く日なので待っているのだ。
「シロアリヤモメです~」
5分後、宅配業者が荷物を持ってきた、2mほどの長方形をしたダンボール箱を台車に乗せている。
「ご苦労様です」
榊原は宅配伝票の受領書にサインをすると、ダンボール箱の荷物を受け取る。
「さてと、とりあえずこいつを運ばないとな」
榊原はダンボール箱を造船所の台車に乗せ替えると、建造部の部署が入っている部屋へ持って行く。
「今川、例のモノが来たぞ」
榊原が台車を押して建造部の中へ入ると、建造部責任者の
「榊原所長!それくらい俺が…!」
「良いって良いって、最近建造データが増えてるんだろ?そっちに集中しろよ」
榊原が笑ってそう言うと、今川はすみません…と申し訳無さそうに頭を下げる。
「保管室に入れればいい?」
「はい、43番に空きがありますので、そちらに…」
「了解~」
榊原は鼻歌を歌いながら台車を奥の部屋に運ぶ、そこにはコインロッカーのような収納スペースがものすごい数並んでいた。
「うぅ~、やっぱり冷えるな」
榊原は保管室に入るとダンボール箱を開封する、中には紙に包まれた1.6mほどの長モノが入っていた。
その紙を全て剥いだ先にあったのは、人間の女性の死体だった。
「いつ見ても思うけど、トチ狂った趣味してるぜ」
榊原はそう言いながら43番の収納スペースを開ける、すると物凄く冷たい冷気が吐き出され、空気中の水分が凍っているのかスモークのような煙がわき上がる。
この部屋は艦娘の素体を保存しておく部屋になっている、あまり知られてはいないが、艦娘は人間の死体を
「…そういえば新しい艦娘を建造してるんだっけか、ちょっと見てみるか」
榊原は今川に声をかけて保管室に隣接して造られている建造室に入る。
そこは強化ガラスで作られた円柱型のカプセルが30台は置かれている大きな部屋だった、ここは建造部のメインとも言える建造室、艦娘の建造は全てここで行っている。
カプセルは薄緑色の液体で満たされており、中央にはバスケットボール程の大きさがあるオタマジャクシのような生物が浮かんでいた、これが建造中の
艦娘建造にはいくつかの
そして組織形成が次の
「お、目が開いた」
ギョロッ!という効果音が聞こえてきそうな勢いで目が開いた、その眼球はこちらを認識しているのかしていないのか、四方八方にギョロギョロ動かしている、続けてオタマジャクシに変化が現れ、球体状の身体を突き破るように細い手足が飛び出す、雑に例えるならバスケットボールにストローを張り付けたようなモノを想像すると分かりやすいだろう。
続けて頭部が少しずつ伸びていき、生物の教科書などでよく見る受精直後の胎児のような姿になる、これが
ここからは成長が著しく早くなり、1時間から2時間ほどで身体が出来上がる、その後は中の液体を抜いて生成器から出せば建造は完了する。
「ん?この生成器の艦娘はすでに建造が終わってるな」
榊原が視線を移した先にある生成器には完全にヒトの姿になった艦娘が薄緑色の液体の中で眠っていた、榊原が内線でそれを伝えると、今川が建造室にやってきた。
「ありがとうございます榊原所長」
「いやいや、物のついでだよ」
今川は榊原にお礼を言うと生成器に入っている液体を抜き、中の艦娘を取り出す。
「この艦娘はどこの依頼なんだ?」
「横須賀ですね、あのクズまた戦艦を沈めてしまったので、もう一度戦艦造ってほしいって出力出来るデータギリギリの資材を送ってきたんですよ」
「またか、戦艦を捨て艦にするなと言っているのに…懲りないな」
「本当ですよ、資材が多くたって戦艦になるわけでもないのに…」
今川がため息をついて言う、鎮守府の提督の間では資材を多くつぎ込むほど強力な艦娘を建造出来るという認識が広がっているが、それは間違いである。
提督が建造の時に払った資材は全て建造された艦娘の艤装の製作に回される、当然つぎ込む資材が多ければ戦艦用の艤装を造ることは容易いが、その分要求される体力や身体の耐久性が高くなるので艦娘がそれに扱えるだけの力が無ければ意味がない、つまり建造された艦娘の艦種はその艦娘がどの艦種の艤装まで扱えるかで決まる。
艦娘がどの艦種の艤装まで扱えるのかは素体であるヒトの死体の生前のスペックに大きく影響する、生前丈夫な身体を持っていた素体であれば戦艦クラスの艤装でも扱えるので戦艦の艦娘になるが、生前病弱な体質だった素体の場合は巡洋艦や駆逐艦の艤装しか扱えなかったりするので艦種は巡洋艦や駆逐艦になる、いくら遺伝子や組織を再形成していても土台のヒトの遺伝子が一番大きく影響するのだ。
同じ資材を投入しても建造される艦種にバラつきが出たり、資材を大量に注ぎ込んでも駆逐艦になったりするのはこれが理由である。
もう一つ言うと、艦娘のスペックを無視して大型艦の艤装を使わせると身体がそれに耐えられなくなり艦娘が壊れてしまう、なので巡洋艦の艤装までしか扱えない艦娘を無理に艦種を戦艦にする事は出来ない。
「で、この艦娘は何の艦種になるんだ?」
榊原は目の前でへたり込んで眠っている艦娘を見て言う。
「…駆逐艦ですね、この身体性能では巡洋艦の艤装すら扱えません」
今川が検査装置のディスプレイを見て言うと、榊原は大笑いした、データギリギリの資材を出して建造されたのが駆逐艦とはとんだお笑い草である。
「じゃあ作成する艤装は駆逐艦用ですね、お釣りがすごいことになりそうだ」
ちなみに補足すると、このように戦艦を建造しようとして駆逐艦などの小型艦が出来た場合、当然作成されるのは駆逐艦用の艤装である、しかしそれで資材が余ったとしてもそれは返して貰えず、そのまま造船所の備蓄となってしまうのだ。
「横須賀のがっかりした顔が目に浮かびますね」
「まったくだ」
ふたりは笑いながら建造されたばかりの艦娘を見る。
艦娘の設定はもう少し捻りを入れたかったところ。
そしてこのエピソード少し続きます。