艦隊これくしょんーDeep Sea Fleetー   作:きいこ

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艦これに限った話じゃないですけど、ソシャゲとかで特定のキャラだけが被ると「好かれてるのかなぁ」って変に運命感じたりするときってありません?

何が言いたいかと言うといい加減パズドラで水と木のソニア来てください、火だけ4体来られても使い道に困ります。

艦これではアーケードで2-4を駆逐艦だけで周回させてます、キス島撤退作戦向けレベリングです。




第53話「Z3の場合3」

大規模作戦から一週間が経った頃、海原は台場艦隊を召集してある資料を見せる。

 

 

練度上限艦娘限定改装(ケッコンカッコカリ)についての概要資料』

 

 

 

「ケッコンカッコカリ?」

 

 

「何ですかこれ?」

 

 

資料に表記されている事が理解できず、吹雪と三日月が首を傾げる。

 

 

練度(レベル)上限って、今の暁たちの状態の事よね?」

 

 

「そうだ、そもそも艦娘の練度(レベル)ってのは出撃や演習、自主訓練なんかで鍛えられた基礎能力(ステータス)がどれくらい伸びたかを数値化したものだ、当然その伸び代はずっとあるもんじゃないし、どこかで上限を迎える、それが練度(レベル)99…いわゆるカンストの状態だ」

 

 

「つまり、練度(レベル)99の私とハチと暁はこれ以上基礎能力(ステータス)の上昇は望めないって事ですか?」

 

 

「端的に言えばそうだな、そしてその無くなった伸び代をさらに伸ばす、練度(レベル)99の上を目指せるようになるのがこの特別な改装…ケッコンカッコカリだ、艦娘の新たな強化方法として造船所から資料が送られてきたから紹介しておこうと思ってな」

 

 

「てことは練度(レベル)100以上になることが出来るってわけ?」

 

 

「そんなとこだ、火力の伸びはあまり期待出来ないらしいが、機動力の大幅な上昇が見込めるらしい、つまりヒット&アウェイを専売特許とする駆逐艦や潜水艦のお前らには大きなアドバンテージになる」

 

 

海原がそう言うと、吹雪たちの顔が途端に輝き出す、予想通りの反応だったので思わず笑ってしまった。

 

 

「私、ケッコンカッコカリやりたいです!」

 

 

「わたしも!」

 

 

「暁もやりたいわ!一人前のレディなら、もっと強くならないと!」

 

 

吹雪、ハチ、暁のカンスト組が一斉に名乗りを上げる、しかし三日月だけは浮かない顔をしていた。

 

 

「私は出来ないんでしょうか…?」

 

 

現在の三日月の練度(レベル)ではカンストにはまだ足りない状態だ。

 

 

「三日月には悪いが、練度(レベル)上限の艦娘にしかケッコンカッコカリは出来ないらしい、基礎能力(ステータス)が上がりきった艦娘の艤装じゃないとこの改装は上手くいかないんだとさ」

 

 

「…そうですか」

 

 

三日月はしょんぼりした顔をする、ケッコンと聞いて三日月の乙女心が反応したらしいが、今の自分では練度(レベル)が足りない。

 

 

「心配するな、別に今回きりの話って訳じゃない、お前が練度(レベル)上限になったらすぐにケッコンカッコカリの用意をしてやるよ」

 

 

 

「っ!!本当ですか!?」

 

 

「あぁ、だからお前は何も心配せず普通に練度(レベル)を上げていけ」

 

 

「はい!ありがとうございます!私、頑張ります!」

 

 

 

そう言うと三日月は満面の笑みで海原に敬礼する。

 

 

「…吹雪さん、三日月の練度(レベル)っていくつだっけ?」

 

 

「たしか93だったはず…」

 

 

「これ、次の日あたりには上限になってるんじゃ…」

 

 

「いやぁ、流石にそう簡単にはいかないでしょ…」

 

 

そんな事を吹雪たちは話し合っていたが、次の日の自主訓練で三日月はわずか一日で練度(レベル)をカンストさせ、鎮守府中を驚かせたのはまた別のお話である。

 

 

 

 

「そういえば司令官、ケッコンカッコカリってどうやるんですか?」

 

 

「造船所に申請を出して艤装を送れば改装してくれるみたいだぞ」

 

 

三日月がカンストした日の夜、海原は吹雪たちのケッコンカッコカリ申請書を書きながら言う、三日月の奮闘もあり無事全員ケッコンカッコカリをする事が出来る。

 

 

「なんか面倒くさいですね」

 

 

「艤装の細かい設計技術は機密情報(ブラックボックス)だからな、俺たちが弄れるほど単純なモノじゃないってワケだ」

 

 

「それなら初めからケッコンカッコカリなんてやらなきゃいいんですよ、手間がかかるったらありゃしない」

 

 

「お前も辛口だな」

 

 

苦笑しながら言う海原に吹雪は普通ですよ、と言う。

 

 

「とりあえずケッコンカッコカリをするのは吹雪、ハチ、暁、三日月の4体だな、まさかうちの鎮守府にいる艦娘全員がカンストするとは思わなかったぜ」

 

 

「ずっと訓練しかしてない暇な連中ばかりですからね、そりゃカンストもしますよ」

 

 

「お前にだけは言われたくないと思うぞ」

 

 

海原はジト目で吹雪を見ながら言う、台場に来てからほぼ訓練しかしていない吹雪が言ってもなんの説得力も無い。

 

 

「サーナンノコトデショー?」

 

 

吹雪は海原のつっこみを棒読みではぐらかすと、急に海原の後ろに来て首に腕を絡める。

 

 

「急にどうした?」

 

 

「こうしていると、私と司令官のふたりきりだったときの事を思い出すな…と」

 

 

吹雪は海原の肩に顔を乗せると、思い出すように言う。

 

 

「そういえばお前しかいなかったときは毎晩こんな感じだったな、あれから二ヶ月くらいしか経ってないのに、随分と変わったもんだ」

 

 

思えば、吹雪がここに来たのが全ての切っ掛けだった、混血艦(ハーフ)の秘密を探す事になったり、艦娘の深海棲艦化の事を知ったり、二度と会えないと思ってた三日月にも会えた、それもこれも吹雪と出会えたおかげだと言っても過言ではないだろう。

 

 

「…吹雪、ありがとな」

 

 

海原は吹雪の手を取る、すると吹雪は海原の指に自分の指を絡める。

 

 

「私は何もしてませんよ、自らの過去の過ちを認めて前に進もうとした司令官が自分で勝ち取った結果です、だから司令官は胸を張っていてください、司令官は私たちの誇りなんですから」

 

 

 

「…ありがとう」

 

 

吹雪の言葉を聞いた海原は、もう一度吹雪にお礼を言った。

 

 

 

 

 

それから2日後、ケッコンカッコカリの改装を終えた吹雪たちの艤装が造船所から届いた。

 

 

「…なんか、あまり変わってませんね」

 

 

「というか全く変わってない気が…」

 

 

「これ本当に改装されたんですか…?」

 

 

試しに装着してみたが、見た目などは特に変わっていなかった、それこそ改装されたのかを疑いたくなるレベルで。

 

 

「艤装の内部にちょっと施しをする程度らしいからな、見た目は変わらないんだと」

 

 

海原がそう言うと吹雪たちはつまらないだの味気ないだの文句を言う、海原はそれを予想していたのでケッコンカッコカリの目玉であるアレを取り出す。

 

 

 

「艤装は変わらないが、副産物としてコイツがついてくる」

 

 

そう言って海原が取り出したのは指輪だった。

 

 

 

「指輪?」

 

 

「ケッコンカッコカリをした証として艦娘に配られるモンだ、指輪自体には特別な効力は無いから階級証の一種として考えればいい」

 

 

「ケッコンカッコカリって言うだけあって無駄に凝ってますね」

 

 

「こんなモノに金かけるなら艤装に金をかけてほしいわね」

 

 

「全くです」

 

 

相変わらずぶつくさと文句を言うが、指輪は素直に付けている、案外満更でもないらしい。

 

 

「まぁ、色々言いたいことはあるだろうが、ケッコンカッコカリおめでとう」

 

 

海原がそう言うと、吹雪たちははずかしそうにしながらも、嬉しそうに笑った。




そう言えばグリムノーツで主人公(男)が赤ずきんに変身したときに「性転換!?」って考えたのは僕だけじゃないはず。

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