艦隊これくしょんーDeep Sea Fleetー   作:きいこ

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太鼓の達人の家庭用作品に収録されてるミニゲームに100走があるんです、太鼓を連打して走るってだけのゲームなんですけど、頑張れば8秒台を出すことが出来るんですよね、どんちゃんってボルトより早かったのか…

どうでもいいけどそのミニゲームに出てくるパトリオッドンがクソ強くて7秒台狙わないと勝てない(記憶は曖昧だけどね)。


第55話「Z3の場合5」

臨時司令官会議の翌日、吹雪たちは出撃任務で海に出ていた。

 

「敵艦発見!戦闘態勢に移行します!」

 

 

今回の敵編成は重巡棲艦3体、軽巡棲艦4体、駆逐棲艦3体の計10体だ、戦艦や空母はいないので被弾にさえ気を付ければ勝つのは難しくないだろう。

 

 

「戦闘開始!」

 

 

吹雪の合図と共に全員が突撃、いつも通り砲弾斬りで敵に肉薄する、今回は陣形を意識して隊列を組んでいる、まず前衛に吹雪、暁、三日月を置いて敵を叩く、そして後衛はハチが拳銃で援護射撃をして敵を牽制…という流れだ。

 

 

 

「すごい!身体が羽根みたいに軽い!」

 

 

「これがケッコンカッコカリの恩恵…という事でしょうか」

 

 

「サイコーじゃない!」

 

 

全員がケッコンカッコカリによる機動力の大幅向上に感動しつつ、敵艦隊への距離を縮めていく。

 

 

「はあっ!」

 

 

まずは吹雪が手甲拳(ナックル)で駆逐棲艦2体を撃沈、残りの1体を暁が鎌で一撃必殺、10秒もかからないうちに敵の前衛を全滅させた。

 

 

「その首、頂戴いたします!死ね!」

 

 

続けて三日月が槍斧(ハルバード)で軽巡棲艦の頭部を一刀両断、これも一撃必殺だった、続けて星球鎚矛(モーニングスター)を振り回しながらその場で一回転、三日月の周囲にいた軽巡棲艦が全員大破になる。

 

 

「それっ!」

 

 

それを見たハチが拳銃で軽巡棲艦を狙撃する、別格威力が高いわけではないが、瀕死の軽巡棲艦には十分な致命傷になり、一気に撃沈となる、これで残りの敵勢力は重巡棲艦のみとなった。

 

 

吹雪と三日月が残っている重巡棲艦へ突撃する、途中雑魚の砲撃や雷撃が飛んでくるが、全て紙一重のタイミングでかわす。

 

 

「食らえ…!」

 

 

一撃で仕留める、その思いを込めて吹雪は全力で手甲拳(ナックル)を振りかぶり…

 

 

雪月花(セツゲッカ)!」

 

 

いつかの時にやった技名を叫び、重巡棲艦の顔面を思い切り殴りつける、当たり所が良かったのか、重巡棲艦の首がもげて撃沈となる。

 

弧月(コゲツ)!」

 

 

三日月も負けじと槍斧(ハルバード)で重巡棲艦を下から上に向かって斬り上げる、顎を砕かれた重巡棲艦はよろよろと蛇行し、まともに戦闘を行える状態ではなくなった。

 

 

月光刃(ゲッコウジン)!」

 

 

トドメに騎兵軍刀(サーベル)で重巡棲艦を一閃し撃沈させる、これで残りの敵勢力は重巡棲艦1体のみだ。

 

 

「それじゃサクッと倒して帰りましょうか」

 

「そうだね」

 

 

「夕飯は司令官特製カレーって言ってましたから」

 

 

「ホントに!?ならさっさとぶっ殺さないと!」

 

 

全員が深海棲器を構えて重巡棲艦に向かおうとする。

 

 

「ーーーー!!」

 

 

しかしその時、重巡棲艦が声にならない声で咆哮をあげる。

 

 

「いったい何を…?」

 

 

そう言って吹雪たちが身構えると、重巡棲艦の周りを囲むようにして駆逐棲艦が海中から湧いて出てきた。

 

 

「新手!?」

 

 

「でも駆逐棲艦よ!落ち着いて倒せば問題無いわ!」

 

 

暁が棘棍棒(メイス)を構えて重巡棲艦に向かおうとする、しかしハチがそれを止めた。

 

 

「待ってください!“面影”を持った深海棲艦がいます!」

 

 

「っ!!」

 

 

「えっ!?“面影”!?」

 

 

「どこどこ!!?」

 

 

「あそこです!」

 

ハチが指差したのは重巡棲艦の真正面にいる駆逐棲艦だ、吹雪たちもそれに意識を集中させると、確かに艦娘の“面影”を感じる事が出来た。

 

 

赤紫色のショートヘアーに濃紺色の軍服を来た艦娘で、どこか悲しそうな顔をしている。

 

 

「とりあえずあの“面影”持ち以外を倒さないとですね」

 

 

「そうだね、サッサとやっちゃいますか」

 

 

そう言って吹雪たちは敵艦隊へと突撃する、重巡棲艦には多少手こずったが、“面影”持ち以外の深海棲艦を全て倒すことに成功する。

 

 

「すみません」

 

 

吹雪は“面影”持ちに声をかけるが、俯いてるだけで何も返事がなかった。

 

 

「これは暁みたいなパターンかな」

 

 

「暁の?どういう事よ」

 

「暁の時もこうやって何かに取り付かれたみたいに俯いてブツブツ言ってたし」

 

 

「あぁ、そう言えばそうでしたね」

 

 

ハチがそれに賛同する。

 

 

「…暁って深海棲艦だったときこんな根暗だったのね」

 

 

少し複雑な思いを抱えながら暁は“面影”持ちを見る。

 

 

『…か……ぜ……………』

 

 

すると突然、“面影”持ちが声を発した。

 

 

「かぜ…?」

 

 

吹雪たちはよく聞こうと耳を近づける。

 

 

『……し…ま……か………ぜ……………』

 

 

 

「しまかぜ?」

 

 

「艦娘の名前…でしょうか?」

 

 

他にも情報を聞き出そうと思ったが、“面影”持ちがそれ以上言葉を発する事はなかったので情報は聞き出せず、吹雪たちはやむなく撤退した。

 

 




ちなみに艦これ改では現在ミッドウェー海域を攻略中。

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