艦隊これくしょんーDeep Sea Fleetー 作:きいこ
あと刀剣乱舞では2-4を攻略中、敵は
猛ダッシュでマックスの所へ戻ってきた島風は目の前の光景を見て我が目を疑った。
「うそ…」
マックスが重巡棲艦を含む敵艦隊に囲まれていたのだ、それを見た島風は“ありえない”と思った、このあたりの海域は自分含む主力出撃部隊が深海棲艦の掃討を徹底的に行ってきた、メタい言い方をすれば1-1程度の敵くらいしか出ないはずだ、なのになぜこんな強力な敵艦隊が現れたのだ?バグか?なら運営出てこい。
と…まぁ冗談はこれくらいにして、重巡棲艦8体、軽巡棲艦12体の計20体構成の敵艦隊に島風は身震いする、いくら彼女の能力が高いとはいえ勝ち目は無いに等しい。
「待っててマックス!今助けるから!」
島風は重巡棲艦に向けて主砲を撃つが、まともにダメージを通すことが出来ない。
「いえ先輩、この敵の数では私たちだけで勝つのは難しいでしょう、先輩は鎮守府へ戻って応援を呼んで下さい」
「何言ってるのさ!そんな事してる間にマックスがやられたりなんかしたら…!」
「でも、私たちだけじゃこの敵艦隊には勝てません」
「それは…」
図星を突かれた島風は言葉に詰まる、いくら駆逐艦の枠を超えた戦闘能力を持っている島風でも、格上の重巡棲艦を何体も相手にするなど無理な話だ、バックアップの戦艦や空母がいるならまだしも、駆逐艦2体ではどうすることも出来ない。
「…分かった、マックスの案に乗るよ」
島風は悔しさに唇を噛み締めると、やがて絞り出すように言った。
「でも!絶対に生き延びてね!私も必ず助けを呼んでくるから!」
「はい、約束します」
マックスのその言葉を聞くと、島風は
「…先輩、“いなくなってほしい”と“生き延びてほしい”、どちらがあなたの本音なんですか?」
小さくなっていく島風の背中を見て、マックスはぽつりと呟いた。
◇
「提督!」
マックスと別れてから3分で鎮守府に着いた島風は艤装を仕舞うのも忘れて猛ダッシュで提督室へ入る、話し中だったのか金剛も一緒にいた。
「どうした島風、艤装も外さずに入ってきて」
呉鎮守府の提督である川原木と金剛は突然入ってきた島風に驚く、島風はそんなふたりのリアクションなど完全無視で先ほどの事の顛末を川原木に報告する。
「それは大変だ!すぐに支援艦隊を向かわせよう!」
それを聞いた川原木は目を剥いて立ち上がると、急いで支援艦隊を編成、出撃させる。
「よし、あとは支援艦隊の連中がマックスを助けてくれる、お前は安心して待ってろ」
「…はい」
島風は提督室に置かれているソファに座ると、祈るように震える手を合わせた。
「大丈夫よ、マックスが簡単にやられたりするわけないわ」
「そう…ですよね」
金剛はそう励ましてくれるが、島風はどうしても不安が拭えなかった、マックスの戦闘能力の高さは島風も知っている、しかしあれだけの規模の敵艦隊を相手にするとなれば話は別だ、いくら時間稼ぎでも長くは保たないだろう。
支援艦隊が出撃して10分が経った頃、提督室に通信が入った、島風は勢いよく提督のそばに駆けより、通信機のスピーカーに近づく。
『こちら支援艦隊旗艦高雄、目標地点の敵艦隊の掃討が完了しました』
「そうか、ご苦労さん、マックスの救出は成功したか?」
『…その事なのですが、海域全体をくまなく探して、潜水艦の子たちにも海中を探してもらったんですけど…』
高雄の言葉を聞いて、提督室にいる全員が最悪の答えを予想してしまった。
『マックスの発見は、出来ませんでした…』
その最悪の答えを突きつけられた島風は、糸を切られた
◇
「…これが大まかな内容です」
島風の話を聞いた海原たちは揃って難しい顔をする。
「なんて言うか、それって島風の自業自得…へぶっ!」
遠慮が無いにも程がある発言をした暁に吹雪が
さすがに自業自得とまでは言わないが、今回の件は島風にも少なからず非がある、もしそのせいでマックスが島風を怨んでいるような事になっていれば、2体を会わせるのは却って逆効果になるかもしれない。
「たとえそうだとしても、私はマックスに会いたい」
海原がそれを伝えると、島風が身を乗り出して訴える。
「私はどうしてもマックスに会って謝りたいの、それでマックスに殺されても構わない、どんな事をされてもマックスに会いたい!」
そう言って島風は海原の目を見据える、それを見て彼女の言うことが本気だということが分かった。
「…分かった、もとからそのつもりでお前を呼んだんだからな、でも本当に危なくなったら止めるからな」
「うん」
こうして、マックス・シュルツ艦娘化計画が本格的に始動した。
そろそろマックスの深海棲器を考えねば。