艦隊これくしょんーDeep Sea Fleetー   作:きいこ

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スピードワゴン「見てるか!?ツェッペリンの姐さん!レ級は死んだ!大げさかもしれねぇが、世界は救われたんだアアアァァ!」

↑グラーフ・ツェッペリンを見て真っ先に考えついたこと。


第63話「Z3の場合13」

○最終戦 吹雪VS金剛

 

 

「プリンをゲットするのは私です!」

 

 

「プリンは食べなくてもいいんですけど、ここまで来たら勝ちたいですね」

 

 

お互い闘志満々でキャラクターを選ぶ、マックスが現れるまでの暇つぶしで何を熱くなっているのやら…

 

 

なお、今回は2体ともキャラクターを変えている。

 

 

吹雪のキャラは“アリシア=シャロット”、白雪のような白髪のショートヘアーに鮮血のような赤い目、先端が緑がかった白い耳と雪兎のような姿をした少女のキャラだ、スタイルは遠距離と近距離のオールラウンダーで氷の魔法を使いこなす。

 

 

金剛のキャラは“エオリア=ノール”、長い金髪にサファイアのような蒼い目を持つ少女のキャラで、音楽に関する魔法を使う遠距離タイプだ。

 

 

 

『Battle Start!』

 

 

試合開始の合図と共に両者が動き出す、先に攻撃を仕掛けたのは吹雪。

 

 

霊氷の創雪者(アイス・メイカー)霊氷弾(アイスバレット)!』

 

 

コマンド入力と共にアリシアが氷塊をエオリアに向けて撃ち出す。

 

 

霊音の喚幻楽団(リズム・オーケストラ)朱の霊譜(プレリュード)!』

 

 

しかしそれに応えるかのように金剛もコマンドを入力、魔法陣から五線譜のようなモノが飛び出し、それに呼応するように音符とメロディーが流れてくる、するとその音符たちが突如炎を纏い、アリシアに向かって扇状に飛び出した。

 

 

音符はアリシアの氷塊を全て粉砕しただけでは飽きたらず、その向こう側にいるアリシアにもダメージを与える。

 

 

「これは最先がいいですね」

 

 

「本当に金剛さんが初心者なのかが疑わしくなってくるよ…」

 

 

そうぼやきつつも吹雪は次のコマンドを入力。

 

 

霊氷の創雪者(アイス・メイカー)氷剣山(アイスバーグ)!』

 

 

アリシアの前方に魔法陣がいくつも出現し、そこから鋭い氷柱が剣山の如く飛び出した。

 

 

これはエオリアに命中し、体力を削る。

 

 

霊音の喚幻楽団(リズム・オーケストラ)蒼の霊譜(アルペジオ)!』

 

 

金剛も負けじと反撃する、青色の五線譜と音符が魔法陣から流れると、音符がフィールド上空に打ち上がり拡散する、打ち上げ花火のように拡散した音符たちは辺り一帯に降り注ぎ、その射程圏内にいたアリシアに大ダメージを負わせた。

 

 

霊氷の創雪者(アイス・メイカー)氷牙姫(グレイセス)!』

 

 

アリシアが氷の鉤爪を装着してエオリアに突撃、近接戦闘で着々とダメージを与えている。

 

 

順調に攻める吹雪だったがここでタイムアップ、結果は超僅差で金剛の勝利となった。

 

 

「まさか金剛さんが勝つとは…」

 

 

「あんた本当に初心者とは思えないわよ」

 

 

「偶然ですよ」

 

そうほがらかに笑う金剛を見て、全員が何ともいえない表情をしていた。

 

 

ちなみに賞品のプリンだが、期限切れだからいらない、と金剛が辞退したため準優勝の吹雪が貰うこととなった。

 

 

 

 

ゲームが終わりそろそろ夕食の支度でもしようかと思っていたとき、台場鎮守府に深海棲艦接近の報せが入った。

 

 

「マックスでしょうか?」

 

 

「詳しい艦種は分からないが、大型艦の気配ではないらしい」

 

 

「と言うことは駆逐棲艦や軽巡棲艦…」

 

 

「マックスの可能性も十分あるって事だな!」

 

 

何はともあれ、ここで予想の話をしていても何も始まらない、台場艦隊と呉艦隊は台場近海へと出撃していく。

 

 

 

出撃海域へと到着した吹雪たちは摩耶や金剛の電探(レーダー)を頼りに目標の深海棲艦を探す。

 

 

「…あ!あそこです!」

 

 

何かを発見した金剛が前方を指差す、すると駆逐棲艦が1体単艦でうろついているのが見えた。

 

 

「どうだ?吹雪」

 

 

摩耶がどこか期待するような声色で聞いてくる、吹雪も祈るような気持ちで眼前の深海棲艦を見据えた。

 

 

「……ビンゴです、あの深海棲艦はマックス・シュルツに間違いありません」

 

 

吹雪たち台場艦隊の目には、マックスの“面影”がハッキリと見えていた。

 

 

「よし、問題はどうやってマックスを艦娘に戻すか…だな」

 

 

「ここはやっぱり島風に話させた方がいいんじゃない?」

 

 

「まぁ、それが一番妥当な線でしょうね」

 

 

手短な打ち合わせの結果、マックスと一番因果関係のある島風をメインに会話をする、という事になった。

 

 

「…ねぇ、ひとつお願いしたいことがあるの」

 

 

マックスの所へ向かおうとした島風が、唐突に口を開いて言う。

 

 

「何?」

 

 

「もし私がマックスに襲われるような事があっても、みんなは手を出さないで」

 

 

「…えっ!?」

 

 

耳を疑うような提案に全員が驚く、それは、もしマックスが島風を殺したいほど怨んでいて、かつそれでマックスが島風に襲いかかってきて殴るなり蹴るなりされるような事があっても助けに入るな、という事である。

 

 

「自分勝手な事言ってるのは分かってる、けどどうしてもマックスに謝って私の気持ちを伝えたいの、お願い!」

 

 

島風は全員に頭を下げてお願いする、吹雪としては危険すぎる行為なのであまり首を縦に振りたくはなかったが、金剛と摩耶が笑って頷くのを見て、はぁと軽く息を吐く。

 

 

「…分かった、それでいいよ」

 

 

「本当に!?」

 

 

「ただし、本当に危ないってこっちが判断したら介入するから、それが島風の提案に乗る条件」

 

 

吹雪が釘を刺すと、島風は大きく頷いてマックスの方へと向かう、通訳として三日月も同行する。

 

 

「マックス!」

 

 

島風がマックスに近づいて名前を呼ぶ、しかしこれといった反応は無い。

 

 

「私だよ!島風だよ!」

 

 

『……シマ…カ…ゼ』

 

 

島風が名前を名乗ると、マックスはゆっくりとこちらへ視線を向ける。

 

 

『ッ!島カゼ!シマ風!』

 

 

マックスは島風の姿を確認すると、猛スピードでこちらへ駆けてくる。

 

 

「マックスさんは島風さんの事を認識してます、これなら話せそうですね」

 

 

「そう?良かった…」

 

 

『島風!シマカゼ!』

 

 

マックスは島風の名前を呼びながら彼女のもとへ向かう、そして勢いよく島風に飛びかかり…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『死ネエエエエエエエエェェェェ!!!!!!!!!!!」

 

 

島風に零距離で砲撃した。




北方棲姫や港湾棲姫といった、ダメージ表示に「混乱」って出る敵は三式弾を持たせるとダメージ上がるらしい、艦載機飛ばしてくる空母系の敵だから対空上がる装備が有効なのか…?ならヲ級にも三式弾特化を実装してほしいもんだが…

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