艦隊これくしょんーDeep Sea Fleetー 作:きいこ
一方こちらは三日月と電、
(これは…マズいのです…)
普通に砲撃をしても深海棲器で砲弾は切り裂かれる、雷撃を行っても主砲射撃で撃ち抜かれて誘爆させられてしまう、かと言って白兵戦をしても力量は相手の方が各段に上、明らかに八方塞がりだ。
(でも、三日月さんなら…!)
吹雪や暁相手なら勝てないだろうが、相手が三日月なら多少の勝機があると電は踏んでいた、何故なら…
「魚雷発射なのです!」
三日月は砲を持っていないからだ、この事は演習直前の艤装モード切り替えの時に確認している、砲が使えなければ魚雷狙撃は出来ない、よって三日月にはこの戦法は有効だと電は判断した。
電の放った魚雷は猛スピードで三日月の方へ向かって進んでいく、扇状に放っているので横方向へかわすのは難しいと言っていいだろう。
そんな状況にもかかわらず、三日月は不敵な笑みを浮かべる、この時電は大きな誤算をしていた。
「いつから私が砲を持っていないと錯覚していたんですか?」
そう言って三日月はあるモノを取り出す、艦娘の砲撃戦に使われるのは大砲とは限らない、その事に電は気づいていなかった。
「っ!?それは…!」
三日月が取り出したのは
「撃てえええぇぇ!!!!!」
三日月は
「これじゃあ…!」
水柱が視界の邪魔をして思うように行動できない、その一瞬の躊躇が電の致命傷となった。
「な…!」
水柱を突き破って三日月がこちらに突進してきた、その手には
「
三日月が
「
電が反撃に出ようと
「はにゃああぁぁ!!!!」
連続攻撃を受けた電に大破判定が下り、艤装からアラートが鳴り響く。
◇
こちらは雷とハチ、戦況は雷が大破寸前のダメージを受けており圧倒的に押されていた、今回雷は対潜水艦用装備を全く身につけておらず、主砲でハチを攻撃するしかなかった、そのため水中を縦横無尽に動き回るハチにはまともにダメージを与えられていない。
(でも、ハチさんの息継ぎのタイミングはだいたい掴めたわ!あとはその時を見計らえば…!)
いくら水中を自在に動き回れる潜水艦娘のハチといえど肺呼吸なのは他の艦娘と変わらない、連続無酸素活動時間は他の艦娘より長いが、いつまでも水中にはいられないのだ。
(…そろそろハチさんが飛び出す頃ね)
全身の神経を研ぎ澄ませ、ハチが飛び出す場所を予測する、そして…
「そこっ!」
雷は3時の方向へ主砲を放つ、ハチを狙い撃とうと全力で引き金を引き絞るが…
「えっ…?」
そこには誰もいなかった。
「私はここですよ?」
「っ!?」
刹那、いつの間にか自分の背後にいたハチに気づいたが、すでに遅い。
「
ハチが拳銃の引き金を引く、射出された深海棲器製の銃弾が雷に命中し、炸薬の効果で爆発する。
「
さらに追撃として2本の小太刀で雷に突きを食らわせる、強い衝撃を受けて雷は後ろに吹き飛ぶ。
雷の艤装から大破判定のアラートが鳴った。
中二病にハマってきた台場艦隊たち。
あと西方海域第4ステージ「アンズ環礁秘匿泊地攻撃/ステビア海アンズ諸島沖」もなかなかの難易度、港湾棲姫強すぎ。