艦隊これくしょんーDeep Sea Fleetー   作:きいこ

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アーケードで4-1「ジャム島攻略作戦」に挑戦したところ、敵の潜水カ級にE敗北しました、こちらは叢雲が大破でカ級には一ミリもダメージ無し、そりゃE敗北にもなるね(クリアはしましたけど)、ちなみに追撃戦で島風を初ゲット(しかも中破カード)。




第75話「大鯨の場合10」

「自沈か、これは厳しいかもしれないな」

 

 

 

「どういうことですか?司令官」

 

 

海原の発言の意味が分からず吹雪が問う。

 

 

「自沈ということは自分から轟沈を選んだって事になる、つまり“もうこれ以上生きていたくない、死んでしまいたい”という気持ちから来る行動だ、つまり…」

 

 

 

海原の言わんとしていることが分かり、吹雪がハッとする。

 

 

 

「大鯨は復活を…艦娘化を望んでいない…?」

 

 

「その可能性はあるだろうな、自分から轟沈してるくらいだから未練やわだかまりなんかも無いだろうし、最悪艦娘化を拒否されるかもしれない」

 

 

「………」

 

 

提督室内に重苦しい空気が流れる、吹雪たちはこれまで深海棲艦化した艦娘たちを救ってきたが、その誰もが再び艦娘としての“生”を望んでいた、でも大鯨がそれを望んでいないとしたら…?

 

 

「…それでも」

 

 

何ともいえない空気が漂う中、吹雪が口を開く。

 

 

「それでも私は大鯨を助けたいです、司令官の言うとおり艦娘化を望んでいないかもしれないけど、それでも私は大鯨と話したいです、それで彼女には“生”の道を選んでほしい」

 

 

吹雪の確かな意志を持った言葉に、他の台場組が頷く。

 

 

「そうですね、吹雪さんの言うとおりです、大鯨さんにはもう一度やり直す権利があります」

 

 

「今まで辛い思いでしかなかったかもしれないけど、今度は楽しい思い出を作れるように、もう沈みたくないって思わせればいいのよ!」

 

 

口々に言う台場組を見て、榊原は自然と笑顔になっていた。

 

 

「君はいい部下に巡り会えたようだね」

 

 

「はい、俺もそう思います」

 

 

そう答える海原もいつの間にか笑顔を浮かべていた。

 

 

「…海原くん、身内の恥を忍んで頼みたい、大鯨を救うのに、どうか力を貸してほしい」

 

 

榊原は深々と頭を下げ、海原にお願いする。

 

 

「はい、もちろんです、力を合わせて大鯨を救いましょう!」

 

 

海原はもちろんと言わんばかりに快諾する。

 

 

 

 

榊原が帰った後、早速台場鎮守府では大鯨艦娘化に向けた緊急会議が行われていた、ちなみに舞浜組は午前中の特訓の疲労が残っていたようなので一足先に休ませた。

 

 

「さて、大鯨を艦娘に戻すための作戦を考える訳だが、どうしたもんか」

 

 

「出撃先で会話をする、というのがベターですが…」

 

 

「それだと他の敵艦やよその鎮守府の艦娘に邪魔される可能性もありますよね」

 

 

(ふむ…吹雪と三日月の言うことはどちらも一理ある、なら方法は…)

 

 

「よし、ならこうしよう、出撃先で大鯨との会話が困難だと判断したら、鎮守府に連れてきていいことにする」

 

 

「はぁ!?」

 

 

「司令官正気ですか!?」

 

 

「深海棲艦をオモチカエリだなんて…!」

 

 

海原の発言に吹雪たちが目を剥く。

 

 

「でも実際それが一番手っ取り早いだろ?」

 

 

「それはそうですけど…」

 

 

海原の提案はもっともだが、吹雪たち…特に三日月は浮かない顔をしている。

 

 

「司令官…大丈夫なのですか?その…」

 

 

「室蘭時代の襲撃のことか?」

 

 

三日月は黙って頷く、以前海原が室蘭鎮守府にいた頃、深海棲艦の主力艦隊に鎮守府を襲撃されたことがある、そのとき海原は陸に上がってきた深海棲艦に砲撃されそうになり、決して小さくないトラウマを植え付けられた。

 

 

「確かにあれは怖かったが、いつまでも昔のことでビビっていられない、それにあの時は本物の深海棲艦だったけど今回は艦娘だ、それを忘れなければ怖いモンなんて無いさ」

 

 

それを聞くと吹雪たちはフッ…と不敵に笑う、そこからは“しょうがないですね”といった感情が見て取れた。

 

 

「分かりました、司令官の案に従います」

 

 

「司令官の思いに答えられるよう、Deep Sea Fleetは全力でがんばってみせます!」

 

 

吹雪たちは全員で海原に敬礼する。

 

 

(…本当に俺はいい部下を、家族を持ったもんだな)

 

 

それを見て、海原はいつの間にか笑っていた。




そう言えばこの小説はシリアス成分がすくないですね。

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