超次元ゲイムネプテューヌmk2 ─もう一人の協力者─ 作:らい
そんな彼は今、彼らと一緒にギルドに向かっているところだった。
「へぇ、って言うことは、君達はギルドメンバーって言うことなのか」
俺はそう言って驚きの声を漏らす。
見たところ、戦闘経験があまりなさそうな奴しかいなかったしね、リント君以外は。
ま、新人の教育係なんじゃないのかな、なんて想像をしてみる。
「まぁ、こいつ等はまだヒヨッコですけどね」
リント君はそう言いながら俺たちの後を付いてくる新人君たちを指差す。
当の本人達は、「リントさん、ヒデェなぁ」などと言いながら、俺たちの後を追うように付いてきていた。
…なるほど、信頼関係はよさそうだな、このパーティー。
「そういえばケイスさん。何であんなところに?」
新人君の一人が、俺にそう問いかけてきた。
彼の名前は聞いていないから、今はA君とでもしておこう。
「あー、気が付いたら空から落ちてる最中だった」
うん、嘘は言ってない。
願わくば、あまり追求しないでほしいなぁ、と思うことしきり。
が、そんな願いも空しく。
「モンスターか何かに投げられたってことっすか!?」
…あぁ、そう解釈してくれたのね。
リント君たちと色々と話しながら歩いていると、目的の街のめと鼻の先に来ていた。
そこは黒の建物が犇めきあっている街だった。
リント君に確認すると、そこはラステイションという街とのことだった。
…って、ラステイション!?
俺が街の入り口で呆然としていると。
「ケイスさーん、早く行きますよー!」
そんなリント君の声が聞こえてきた。
見れば、リント君たちと俺の間はすでに50メートルほど開いてしまっていた。
「おぉ、すまねぇ!」
俺はそう言うと、リント君たちに追いつくべく駆け出した。
そして俺たちは、リント君達のギルドが拠点としている酒場へ歩を進めるのだった。
「では、出会いを祝して。乾杯!」
それぞれに飲み物が行き渡ったところで、全員でそう声を掛けながら杯を交わした。
キンッと小気味良い音を立てたあと、それぞれの飲み物で喉を潤した。
その後、俺達の座っている席に様々な料理が並び、胃袋をそれらで満たしていった。
食事も終わりに差し掛かった頃。
リント君が話を切り出した。
「ケイスさん、よかったらだけど、うちのギルドに入りませんか?」
この世界で身寄りのない俺には、嬉しい申し出だった。
が、まだ今の能力をフルに使っていないから、もう少しソロでいて修行するという考えもある。
結局のところ、基本的にはソロでいることを選択させてもらい、たまに一緒に狩りを行うというスタンスにさせてもらった。
加えて、明日仕事の結果を報告しに教会へ行く、ということだったので同行させてもらうことにした。
次の日の昼頃、リント君と俺は教会へ向かった。
教会に着き、重い扉をギギギッと開ける。
するとそこには。
「やぁ、待っていたよ。それと、知らない顔が一緒にあるようだけど」
その声に導かれ、俺達は教会の中へ入っていった。
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