コードギアス 反逆のルルーシュ ~全ての命に祝福を~   作:あーさぁ

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あまりオリジナル要素がなかったのでスザク転校~イジメられシーンは割愛しますた、というか学年違うから主人公と絡ませれなかった悔しい…

ま、まぁ2年生組もスザクへ自己紹介したのアーサー捕まえた後だし、主人公とスザクの初絡みがそこでも大丈夫だ、問題ない(たぶん)



TURN7 奪われた仮面
Phase29


 

 心地よい陽気に誘われて、着の身着のまま"彼(?)"が訪れたのはアッシュフォード学園。高い塀なんて何のその、生い茂った草木を掻き分け、舗装された地面を歩く小さな"彼(?)"。

 

 灰色の体毛、揺れる尻尾、金色の瞳、目の所だけが黒いイカしたやつ。"彼(?)"は猫である、名前はまだない。そう、いつぞやユーフェミアに治療され、スザクを目の敵にしていた猫だ。

 

 我が物顔で学園内をウロ付く猫、周りに人の気配はない。いまだに学園では授業の真っ最中、しかし、それもそろそろ終わろうかという刻限なのだろう。

 

 何故こんな場所を訪れたのか、それは"彼(?)"以外知る由もない。強いて言うなら、目的などないのだろう。ただ日当たりがよく、心地よさそうな場所を求めた末に辿り着いたのがアッシュフォード学園だったというだけの話。

 

 彼は楽園を求めて、放浪する。

 

 "彼(?)"は猫である、名前はまだない。

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★

 

 

 

 

「カレンさん? もう出ていったと思いますけど──」

 

「あ、そう──」

 

 放課後、カレンと共に帰宅しようと2年の教室を訪れたカイトは彼女へ先に帰られた事実にガックリと肩を落とした。ここ最近、どうにもカレンのカイトへ対する反応が冷たい。

 

 そのような事態へ陥った原因は、先日カイトが作った弁当。カレンいわく「美味しかったけどタコさんウィンナーで恥かいた」と「しばらく学園で話しかけないで」とのこと。

 

 これはもう、全力真性シスコンなカイトには死刑宣告でしかない。今にも首を吊りかねないほどの意気消沈ぶり、彼を知っている人物が見れば「誰?」というくらいの変貌ぶりだ。

 

「ありがと、引き止めてごめんね──」

 

「い、いえ、あの、──だ、大丈夫ですか──?」

 

「──? ああ、大丈夫、大丈夫──ありがとね」

 

 どこかオロオロした様子を見せる2年の女生徒、どうやら彼女は幽鬼のように生気のないカイトを心配しているようだ。しかし、カイトは生返事と同時に彼女へ背を向けている。背中へ向けられた視線も、今のカイトには気付けない。

 

 一人寂しくトボトボと帰路へ着こうとした、その時、カイトはポケットの中の携帯電話が震えたのに気付く。

 

(カレンかな──ッ!!)

 

 カイトは満面の笑みで取り出してみるもディスプレイへ表示された文字を読み、露骨に顔をしかめて大きく溜め息を吐き出した。着信は、ルルーシュから。

 

「────ていっ」

 

 通話拒否。

 

 ルルーシュに何があったかは知らないが、今の彼はそれどころではない、このままでは飢えてしまう、主にカレン分(?)不足で。ルルーシュには悪いとは思いながらも、カイトは携帯電話片手に再び歩き出──

 

「──しつこいなぁ」

 

 すことができなかった。

 

 再び鳴る携帯電話、またもや着信はルルーシュから。一度目の着信を拒否したというのに、直後に再度コールするということは重要なことなのかもしれない。そう考え直すと、カイトは嫌々ながらも携帯電話の通話ボタンを押した。

 

「はい、もしもs『猫だ、猫を捕まえろッ!!』──ッ!!」

 

 電話口の向こうから飛んできた大音量の叫び、それはルルーシュのものに違いないが、これほどまでに切羽詰まった声をカイトは初めて聞いた。よほどの事態なのだろうが、聞き間違えではなければ「猫を捕まえろ」と言っていたはず。

 

「待て待て、どういうことだよ?」

 

『だから、猫だ。猫に仮面を奪われたッ!!』

 

──思考すること数秒

 

──ルルーシュは何と言った?

 

──はて、仮面とは何だ?

 

──奪われた? 誰に? 猫に?

 

 すごく嫌な予感がしたが、カイトは聞かなければならない。

 

「仮面って、ゼロの?」

 

『──そうだッ!!』

 

「奪われたって、猫に?」

 

『だから、そうだと言っているッ!!』

 

「何それギャグなの? 馬鹿なの? 死ぬの?」

 

 聞きたくない事実を突き付けられ、カイトは眩暈を覚えた。死ぬことはないだろうが、ゼロの仮面が衆目に晒された場合それは死と同意だ。

 

 いや、もしかしたらゼロの熱心なファンで通るかもしれない、そう思いながらも「いや、それはない」と頭の一部分では冷静な分析とツッコミが入った。現実逃避したいが、それすら出来ないほどに冷めた自分に自己嫌悪するカイト。

 

 だが、それ以上に、カイトにとって忌避すべき事実がある。

 

『お前は俺の指揮下へ入れ、包囲作戦を展開する』

 

「ムリムリムリッ!! 俺には無理ッ!!」

  

『──ッ──な、何故だッ!?』

 

 電話口の向こうのルルーシュが、本気で驚いたのだろう。すこし裏返った声で、カイトが手伝えない、と言った理由を聞き返す。

 

「────────俺、猫アレルギー持って、ます」

 

 ルルーシュの問い掛けに、心の底から申し訳なさそうにボソッ、と呟くカイト。相手からの返事はない、一秒、二秒が経過し、とうとう三秒の沈黙が交わされる。おそらくルルーシュは猫アレルギー持ちのカイトを入れた上で作戦を考えているのだろうが、上手くまとまらないのだろう。まぁ当然と言えば当然である。猫アレルギーを持っている人物へ猫を捕まえろ、など、そもそも無理な話なのだから。

 

 すでに十秒が経過したが、まだ相手からは具体的な作戦は伝えられない。もしかしたら、ルルーシュも突然の事実にフリーズしてしまっているのかもしれない。

 

 カイトは、いたたまれない。

 

「じゃ、そういうことで──」

 

『待て、まだ作戦を考えて──ッ!!』

 

 耳から離してもルルーシュの声が聞こえていたが、カイトは無慈悲に通話終了ボタンを押す。それと同時に合掌、もはや逃げ道はない、手立てもない、安らかに眠れと言わんばかりだ。

 

──しかし、そんな彼へ

 

──校内スピーカーから悪魔の囁きが聞こえた

 

『こちら、生徒会長のミレイ=アッシュフォードです。猫だ、猫を捕まえろッ!!』

 

「──────はぁッ!?」

 

 カイトは、自分で耳を疑った。

 

 つい先ほどルルーシュから言われたことを、そっくりそのまま生徒会長のミレイの口から聞いたのだから仕方がない。

 

 しかし、今度は、それに加えて──

 

『校内を逃走中の猫を捕まえなさい、部活は一時中断、協力したクラブは予算を優遇します。そして、猫を捕まえた人にはスーパーなラッキーチャンス。生徒会メンバーからキッスのプレゼントだッ!!』

 

 高笑いに紛れそうだったが、カイトは確かに聞いた。猫を捕まえた者には生徒会メンバーからキスが送られる、という言葉。

 

 言葉の意味を理解するのに数秒。

 

 ふと、生徒会メンバーを思い出す。生徒会長のミレイ、副会長のルルーシュ、あとはシャーリーに、ニーナ、そういえばとリヴァルのことを思い出し、そこではたと気付いた。いや、気付いてしまった。

 

──生徒会メンバーには、自分とカレンも含まれるということを

 

「──ふ、ふざけんなァァァァァァッ!!」

 

 カイトが、吠えた。

 

 先ほどまでの幽鬼のような、生気の抜けきった風船のような彼はもう居ない。そこに居たのは、悪鬼羅刹の如き形相を浮かべるカイトが立っていた。

 

 自分が景品にされるのは別に良い、しょせんはゲームであり罰ゲームだと笑って辱しめられてやる覚悟はある。だがしかし、彼は断固として許せない、愛する妹、カレンの唇が狙われるということに。

 

 そこから、彼の行動は早かった。

 

 すぐさま走り出した彼は同時に携帯電話を取り出し、履歴を検索、ルルーシュの名前を選択し通話ボタンを押す。何度かコールが鳴った後に、向こうと電話口が繋がるや否や──

 

『放送を聞いたな? フッ、俺の指揮下へ入る気に──』

 

 ほれ見たことか、とルルーシュが鼻を鳴らす。しかし、カイトにルルーシュの言葉は聞こえていない。もはやカイトの頭にあるのは猫のこと、そしてカレンの唇を狙う愚か者達への怒りのみ。すでに自分がアレルギーを持っている、などという頭はない。

 

 

 

「さっさと作戦考えろ、すぐ教えろ、い ま す ぐ にッ!!」

 

 

 

 もはや、どちらが指示を与える側なのか分からない。カイトの殺気だだ漏れな言葉は、電話の向こうへ居るルルーシュでさえ背筋が凍ってしまうほどの威圧。

 

『─────はい』

 

 蚊が鳴くような小さな声、ルルーシュの震えた声が聞こえた。カイトの耳に入ったかどうかは、甚だ疑問である。廊下を全力で駆け抜け、階段を飛び降り、あっという間に外へ出た彼は雄叫びを上げる。

 

「──猫はどこだァァァァァァッ!!」

 

 と。

 

 

 

 

──後に"ご乱心"とまで言われることになる彼の奇行は

 

──まだ、始まったばかりである

 

 

 

~scene out~

 






ノリに任せて書いた、反省はしているが後悔はしていない。
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