ハイスクールD×D 内戦地帯のクリムゾン・デビル   作:出張L

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Life.39  ハイスクールD×D

 兵どもが夢のあと。無限と夢幻の頂きに手を伸ばした四大魔王の野心の象徴は、巨塔諸共に崩壊していっていた。

 無限の加護で無敵といっていいだけの耐久力を備えた巨塔も、その加護を失ってしまえば『崩壊』に抗う術はない。

 夢の終わりはいつも呆気ないもの。もしもそれを眺めていたのが悪魔であれば、崩れゆく巨塔に物哀しさを覚えたのかもしれない。だが生憎とそれをルシファードから離れた山の上から見下ろしている者は、悪魔ではなくドラゴンだった。

 無限の龍神オーフィス。彼女はなんの表情も浮かべず、光のない双眸で巨塔を見つめている。

 

『……計画は失敗だ。すまないが君との〝約束〟を果たせそうにない。せめてもの詫び――にもならんかもしれないが、私の屋敷にあるものは慰謝料代わりに好きに持って行ってくれ。どうせ引き取られる宛てもない財産だ。魔王派の戦費として徴収されるくらいなら、君が持って行った方が建設的だろう』

 

 アポカルスの『鍵』を通じて、エネルギーを供給していたオーフィスへヴィシュナのメッセージが送られたのが五分ほど前だ。

 アポカルスにエネルギーを供給してグレードレッドを操る手伝いをする代わりに、ヴィシュナが目的を果たし終えたら、グレードレッドを倒しオーフィスが故郷たる『次元の狭間』へ戻るのに協力する。それがオーフィスとヴィシュナの交わした約束だ。それがもう果たせないのならば、オーフィスがエネルギーを供給し続ける義務はなく、冥界に留まる理由もない。

 なのにどうしてかオーフィスは巨塔が崩壊していく様を見続けていた。

 オーフィス自身もどうしてこんなことをしているか自分で理解できなかった。オーフィスの願いは故郷へ帰ることであって、それ以上も以下もなく、それ以外もないのだ。なのに視線は崩壊する巨塔に釘づけとなっている。強いて理由をあげるのであれば『気紛れ』という曖昧な表現がピッタリときた。

 

「惜しかった。我、今回も失敗した。残念」

 

 無限のオーフィスは、夢幻を手繰る感覚を掴んでいた。恐らくもう少しでオーフィスはグレードレッドを倒し、故郷へ戻るという悲願を叶えられていただろう。

 だが失敗したのであれば仕方ない。ヴィシュナと一緒に『シュミ』というものに没頭した間は、故郷に居るのにも似た気分を味わえたが、当のヴィシュナがいなくなってしまった以上、それも終わりだ。

 地響きをたてながら、巨塔が完全に崩れ落ちる。それを見届けてからオーフィスは踵を返した。

 行く宛てはない。帰るべき場所はあるが、帰ることは出来ず。居るべき居場所はない。そんなオーフィスはまたいつものように世界を流れる。いつの日か、故郷へ戻れることを信じて。悠久の旅を続ける。

 無限の龍神オーフィス。彼女が表舞台に現れるのはこれより数百年後。『禍の団』と呼ばれる組織の登場を待たなければならない。

 

 

 

 アポカルスでの死闘より三日後。魔王派の軍師ダリオ・シャックスに呼ばれ、イザロ・フォロカルは彼の部屋を訪れていた。

 親しいどころか寧ろ険悪な仲といってもいい相手からの呼び出しに、警戒心を露わにしながらイザロは、胡散臭い軍師に問い質す。

 

「私をこんな所に呼び出して、何の用だ? ダリオ・シャックス」

 

「ははははははは! つれませぬな、誉れ高き魔蒼騎士団の長たる貴殿と仲良くお喋りに興じたかったというのに」

 

「世迷言を。私とそなたはそのような間柄ではあるまい。前置きは良いから、本題を言え」

 

 宮廷道化師を地で行く性格のダリオと、欲望を良しとする悪魔の中で例外的に堅物のイザロでは水と油といっていい。気に入らない相手と仲良く話す趣味はないイザロは、顔に好意的な仮面を貼り付けているダリオの猫撫で声を、ばっさりと切って捨てる。

 だがダリオは特に気にした様子もなく、胡散臭い笑みのまま――――驚くべきことを言い放った。

 

「では失礼して……。フォロカル卿、いつ魔王派を裏切るのですか?」

 

「…………なんのことだ?」

 

 表情を崩さなかった自分を褒めてやりたい気分だった。イザロは剣の柄に手をかけながら、慎重にダリオの様子を伺う。

 

「いやはや、隠さなくても宜しいですぞ。一連の戦い、魔王派は些か以上に戦争のマナーを破り過ぎました」

 

「そう仕向けてのは貴様だろうに」

 

 魔王派の行動を他人事のように話す『軍師』を、イザロは毒をこめて皮肉る。しかしダリオは眉をピクリとも動かさなかった。

 

「吾輩の計算では、そろそろ離反者が続々と出てくるはずですぞ。かくいう吾輩もその一人でありまして」

 

「貴様っ!」

 

 ダリオの言うことは本当だ。

 盟主だったニシリナとエースのヴィシュナがサーゼクスに討ち取られ、魔王派の士気は最底辺まで落ち込んでいる。それに追い打ちをかけるようにグレイフィアの離反と、ルシファードの再奪還だ。反魔王派が全軍をもって総攻撃を仕掛けてくれば、恐らく持ち堪えることは出来ないだろう。反魔王派から離反者が出るのも当然の流れだった。だがだからといって裏切ることを自分から表明するなど正気の沙汰ではない。

 

「そう怒らないで下さい、フォロカル卿。ぶっちゃけ、フォロカル卿が反魔王派のファルビウム殿に連絡をとっていることは知っていますので、隠しても無駄ですぞ」

 

「!」

 

 昨日の自分の行動が察知されていたことに、イザロはカッと目を見開いた。

 魔力の強さではなく、類稀なる鬼謀のみで魔王派の『軍師』にまで登り詰めた知略は伊達ではないということか。性格はさておき、その能力は認めざるを得なかった。

 

「…………なにが目的だ?」

 

 ダリオのことだ。どうせ証拠も持っているだろう。しらばっくれることを観念し、イザロ・フォロカルはダリオを睨んだ。

 

「どうせ裏切るなら手土産を持って行った方がいいでしょう。フォロカル卿には是非とも土産を購入するのを手伝って頂きたいのです」

 

「断るのならば、裏切りを魔王の血族達にリークするか。狸め」

 

「褒め言葉として受け取っておきましょう。してお返事は?」

 

 ここで頷かなければ、自分の叛意を知った魔王の血族たちにより粛清されるだけ。

 養わなければならない騎士団の面々や、守るべき領民たちがいる以上、イザロ・フォロカルはここで死ぬ訳にはいかない。選択肢など無いも同然だった。

 

「一つだけ聞かせて貰う。お前の目的はなんだ?」

 

「吾輩は『知略』が評価される世が欲しいだけですよ……」

 

「知略だと?」

 

「ええ。冥界では知略よりも力が優先されます。どんなに優れた頭脳の持ち主でも、野蛮な暴力によって踏み躙られる。こんな野蛮な社会が吾輩、大嫌いなわけでして。

 知略に秀でた文明人が、暴力しか能のない野蛮人を扱き使う世界。身分が低くとも、魔力が低くとも、知略があれば上を目指せる社会。吾輩はそれを目指していたのですよ。

 邪魔な反魔王派を掃討したら、ヴィシュナ殿を唆して魔王の血族を粛清して貰い、然る後に唯一魔王となられたヴィシュナ殿の下で、宰相として政治の実権を得て好き勝手しようとしたわけですが……中々儘ならないものです。

 ヴィシュナ殿が戦死なされ、グレイフィア殿が反魔王派につかれた以上、もはや魔王派の勝ち目はゼロ。魔王派への忠義なんてものに囚われ、我が大望を死なすくらいならば、恥を忍んで反魔王派に寝返る道を選びます」

 

 大胆不敵かつ姑息で賢しく、そして不屈の炎を瞳の奥に滾らせながらダリオ・シャックスは言い放つ。

 ダリオの生き方は正々堂々とした騎士道精神を指針とするイザロ・フォロカルには似ても似つかないが、自身の信じるべきことを第一とする在り方だけは同じだった。

 ここにイザロ・フォロカルの腹は決まる。

 

「成程、少しだけ貴様が理解できた。いいだろう、お前に協力してやる」

 

「それは上々」

 

 グレイフィアに続いて、イザロ・フォロカルとダリオ・シャックス離反の報が冥界全土を駆け巡るのは、それから一週間後のことだった。

 

 

 

 魔剣聖ヴィシュナは悪魔ではない。

 悪魔の羽を生やすことも出来るだろう。悪魔の両親から生を受け、悪魔として生まれ育っただろう。だがヴィシュナは『悪魔』ではない。

 悪魔ではない魔剣聖ヴィシュナは『逸脱者』である。

 それは『超越者』に並び立つほどの武力のみを言うのではなく、その精神性が悪魔から逸脱し過ぎているが故の『逸脱者』なのだ。

 悪魔だけではない。人間ならば人間の。堕天使ならば堕天使の。吸血鬼ならば吸血鬼の。ドラゴンならばドラゴンの。大凡全ての種族が、自分の属する種族の視点で物事を考える。

 だがヴィシュナは悪魔に属していながら、悪魔の視点で物事を見ない。ヴィシュナの視点は全種族の中心点、神の如き絶対中立の場に置かれている。

 自分以外の命を命と認めないニシリナ・レヴィアタンと、自分含めた全ての命を等価値として見るヴィシュナではそもそも相性が悪すぎたのだろう。

 ただ皮肉なことに魔王派からも反魔王派からも距離を置いて『悪魔とはなんだろうか?』などという哲学に思考を巡らせているリゼヴィム・リヴァン・ルシファーは、誰よりも悪魔から逸脱した精神性をもつ男に好意をもっていた。

 同族嫌悪とは真逆、まるで対極だからこそ好意を抱く。少なくともヴィシュナという男は、リゼヴィムの『退屈』を紛らわすだけの面白さは秘めていた。

 

「うひゃひゃひゃひゃ……あー、けどよぉ。つまンねぇなぁ。俺っちはマジ残念だぜぇ、ヴィシュナちゃん。態々アポカルスのこと暴露ってあげたのにさぁ。サーゼクスくんにサクッとキルされるなんて拍子抜けだぜぇ」

 

 心底つまらなそうに、グラスに並々と注がれたワインを飲み干す。かなり度数の高いアルコールであったが、一気飲みしたリゼヴィムはまるで平然としていた。

 

「俺はよぉ。お前が三大勢力をキルゼムオールして、最後に残った俺をぶっ殺しに現れるのを、股間をおっきさせて待ってたんだぜぇ。ったく、これで俺も退屈なシンキングタイムへ逆戻りかよ。あー、つまらねぇ」

 

 これからの冥界の未来など、明けの明星の息子にして『超越者』たるリゼヴィムには手に取るように分かる。どうせ反魔王派が魔王派を滅ぼして、サーゼクスを筆頭とした若い世代主導による政治が始まるのだろう。

 悪魔社会にとってこれは大きな変化だ。革新的、画期的と言っていい。悪魔の歴史はこれより変わる。それは一見するとリゼヴィムの『退屈』を紛らわせるに足る新鮮なことのように思える。

 しかしそれは『悪魔社会では』という但し書きがあってのこと。視点を悪魔社会から人間社会に移してみれば、悪魔社会で行われる改革など、人間社会では既に何十度も行われてきたことだ。リゼヴィムの退屈を紛らわせるに足るものではない。

 その意味でヴィシュナの計画は楽しかった。これまでの生涯の中で三大勢力を皆殺しにするなんてことを企てた者は、ヴィシュナ一人だったのだから。あれは十分リゼヴィムの退屈を埋めるものだった。だからこそ『自分を殺すのは最後にすること』という条件を出して、リゼヴィムもヴィシュナの計画を影で協力してやったのである。

 ヴィシュナの目的が自分含めた悪魔の抹殺だったとしても、退屈に生きるよりも、面白く死ぬ方が万倍も良い。天使も堕天使も悪魔も滅ぼしたヴィシュナが、夥しい返り血に蒼い髪を朱に染め、最後に残った自分を殺しに来るところを想像するだけで、リゼヴィムは達してしまいそうなほどだった。

 

「やだねぇ。長生きってのもよぉ。ヴィシュナが人間をリスペクトした気分が分かるわ~。人間はいいよなぁ、未知が溢れていてよぉ。おじさんは世の中、知ってることばっかでつまらんわ」

 

 リゼヴィム・リヴァン・ルシファーは頭が良すぎた。そして長く生き過ぎた。頭が良すぎる故に世界の知識を際限なく吸収していき、長く生き過ぎた故に知識を吸収し終えてしまった。

 もうこの世界にリゼヴィム・リヴァン・ルシファーにとっての『未知』は残っていない。全てが『既知』ばかりだ。

 こんな世界は、つまらない。

 

「なぁ。お前はどう思うよ、ユーグリット?」

 

「有り得ない姉が悪魔とも言えぬ異形に心を許すなどヴィシュナ殿が死んだのも有り得ない彼が死ぬなんて間違いだルシファーへ尽くすのがルキフグスの務め誰よりも美しく気高く愛らしく可憐で誇り高い姉上があんな悍ましい生き物の所有物になるなど有り得ない有り得ない有り得ない有り得ない有り得ない……」

 

「あちゃぁ。こりゃ壊れてるわぁ。一時期のヴィシュナよりやべぇわ」

 

 ユーグリッド・ルキフグス、リゼヴィム捜索の任を帯びて、ここまでやって来た彼は意味不明な言葉をブツブツと呟いていた。

 この世の誰よりも愛し敬愛した姉が、一介の上級悪魔に過ぎないサーゼクスの下へ行ったのが信じられず、精神が壊れてしまったのだろう。強過ぎる愛情というのも考えものだ。

 愛ゆえに人は強くなるが、愛ゆえに人は壊れる。悪魔も愛に関しては人間と同じだったということか。

 暫し壊れたユーグリッドを眺めていたリゼヴィムだが、直ぐに飽きて視線を元に戻す。大切な存在が、自分の理想に反する行いをしたことで『壊れる』など他に幾らでも例のあることだ。リゼヴィムの食指を動かすには足りない。

 

「あ~あ。どっかに誰も知らない『未知』が溢れるネバーランドでも転がってねぇかなぁ」

 

 純真無垢な子供みたいな顔で虚空へ手を伸ばし、リゼヴィム・リヴァン・ルシファーはそう呟いた。

 

 

 

 時は移ろい、歴史は流れる。

 魔王が世襲制から実力制に変わり数百年後。冥界は久しく戦争もなく、平和な時が続いていた。

 未だ天使・堕天使とは冷戦状態が続いているが、このまま争いのない時代が続けば、いずれは和平が結ばれる時が訪れるかもしれない。そういう期待を抱ける程度に、冥界は落ち着きを取り戻している。

 旧四大魔王からその座を継承した新たな四大魔王の『改革』は、当初こそ多くの反感があったものの、今ではまったく問題なく機能していた。

 現政権の立役者。サーゼクス・ルシファーは久しぶりに訪れた後輩の墓前に花を添えると、最愛の女性――――妻のいるであろう場所へと歩いてゆく。

 内戦の戦死者達を祀る霊園。その中心部にあって一層目を引く蒼い石碑、それが魔剣聖と謳われた男の墓だった。

 サーゼクスの妻、グレイフィア・ルキフグスはその石碑の前で静かに目を瞑っている。亡き戦友に黙祷しているのだろう。話しかけるのも躊躇われたので、サーゼクスは暫し黙祷するグレイフィアを見詰めていた。

 

「…………」

 

「…………」

 

 グレイフィアもサーゼクスが隣にいるのに気付いているだろう。だが何も発しはしなかった。目を瞑り静寂に身を委ねている。

 何分そうしていたのかは分からない。ふとサーゼクスが口を開いた。

 

「なぁグレイフィア」

 

「なにかしら?」

 

「私は上手くやれているだろうか。ラインやヴィシュナ、死んでいった者達に恥じぬ『魔王』として」

 

「それは私の決めることじゃないわね。サーゼクス、貴方は『魔王』として全力を尽くしてこなかったの?」

 

「……そんなことはない。尽くしてきたよ、私の精一杯を。魔王として」

 

「だったらこれからも全力を尽くせばいいわ。今の冥界にまだ問題があるのなら、また改革をすればいい。そしてやることをやり終えたら、次の世代にバトンを託す。それが魔王ルシファーの仕事でしょう?」

 

「ふふ。ああ、そうだな。グレイフィアの言う通りだよ。悩んでいる暇なんて、ない」

 

 サーゼクスにとって最初の幸運が父と母の子として生まれたことで、第二の幸運が得難い友人たちと巡り合えた事ならば、第三の幸福はグレイフィアを妻と出来たことだろう。

 彼女はいつも落ち込みそうになった自分に活を入れて奮い立たせてくれる。世界一の自慢の愛妻だ。

 

「そういえばサーゼクス。貴方の妹――――リアスが新しく『眷属』を一人作ったそうよ。しかも『兵士』の駒八つ分で」

 

「おや、それは目出度いが……八つ分とは、驚いた」

 

 兵士といっても言うまでもなく普通のチェスの駒のことではない。

 

〝悪魔の駒〟

 

 サーゼクスが魔王となってから導入された、チェスの特性を取り入れた、眷属による少数精鋭の軍団を作り上げる制度だ。

 通常なら眷属にしたい者を、自分の下僕として転生させるのに必要となるのは駒一つだけだが、その者のポテンシャルによっては駒が複数必要になることもある。

 つまり『兵士』の駒八つ分を使ったということは、途轍もないポテンシャルを秘めているということなのだ。

 

「さぞ途轍もない者を下僕にしたのだろうね。神獣か半神か……或はドラゴンということも有り得るかな?」

 

「いえ。ただの『人間』だそうよ。リアスの一個下の後輩の、魔術師や異形の血も継いでいない極普通の人間の少年」

 

「となると余程凄まじい『神器』を所有している可能性が高いな。どちらにせよリアスは面白い子を眷属にしたようだ。暇を見つけて一度会ってみたい」

 

 多忙で碌に息子に会うこともできない魔王の身。時間を見つけるのは難しい。それでもなんとなく件の少年とは、無理をしてでも会ってみたい気分だった。こんな気持ちになったのは本当に久しぶりである。

 

「ところで大切な事を聞き忘れていた。眷属になった少年の名前はなんて言うんだい?」

 

「それなら確か――――」

 

 紅い――ストロベリーブロンドよりもさらに鮮やかな紅の髪が、蒼い風に揺られて靡いた。

 歴史が変われば、主役も代わる。サーゼクスの物語はここに幕を閉じ、新しい物語が人間界で芽吹こうとしていた。人間界の学園で、D×Dの物語が――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの人の髪の色と一緒だ――。

 

 鮮血にまみれた手を見ながら、俺はそんなことを思っていた。

 紅い――ストロベリーブロンドよりもさらに鮮やかな紅の髪。

 そう、あの人の美しく紅い長髪は、この手を染めた血と同じ色だ。

 

 

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