伝説の超問題児が異世界から来ちゃ駄目でしょう? 作:BroBro
『寂れた』と言う言葉が相応しい灰色の星に、紅い腰布の巻いた上半身裸の男がぽつんと座っていた。
虚ろな黒い瞳は目の前の風景を偽り無く男に伝える。何十mと言う断崖絶壁の上から見る何も無いその風景を、男はただ眺めていた。
「今日もここにいたのか」
いつの間にそこに居たのか、白いマントを付けた色黒の男が紅い腰布の男に話しかけた。
その言葉も、腰布の男には届いていない様だった。
色黒の男は、その姿に溜息を一つ吐いた。
「何を考えているのかは知らんが、あまり勝手な行動はしないでくれ。私もお前に時間を割く暇は無くなってしまったのだ。直ぐに城に戻れ」
奇妙な機械音が鳴る。それと同時に、色黒の男が右手に付けている金属の物体が怪しく光った。
「・・・分かった」
それと共鳴する様に、腰布の男のサークレットが光る。すると、男がスッと立ち上がり、空へと飛び上がった。
裸黒の男は、その姿を少し悲しげな顔で見送った。
「やれやれ、ブロリーが生まれてから既に18年、未だ親として息子の行動を掴めないとは・・・そろそろ制御装置無しでも会話をしたい物だな」
自分の行動を自虐する様に色黒の男、『パラガス』は笑った。
「ちゃんと帰るってるか心配だな、付いて行くか」
◇
つまらない。
最近考えた暇潰しもつまらない。
滅ぼした星の生き物の事を思考するのが暇潰しとなっている時点で、少々焼きが回っている様だ。
一昨日滅ぼした星の生き物、確か名を呼び合っていたな。
五月蝿かったから消し炭にしてやったが、何故俺以外の奴らは他人と言う物をそんなにも大切に出来るのだ?
所詮、自分以外の生き物なぞただの物だろうに。不思議な連中だ。
『た、頼む!シオだけは!コイツだけは助けてやってくれ!』
『ミ・・・オ、駄目・・・だ・・・よ・・・』
『頼む!コイツだけは!』
『五月蝿いゴミ共だ』
・・・確か、他の星の連中も、他人の事をグダグダと抜かしていたな。
一体何故そこまで物なんぞを大切に出来るのだ?何時か壊れて消える物だろう。
親父も何時か消える。あんなクズは消えて清々するが、所詮生き物なんて消耗品だ。
確か、他人と特殊な関係になる事を友達と言ったんだったか。昔俺に話し掛けてくる連中はいたが、気が付いた時には灰になっていた。友達とか言うのになる前に。
だからか、分からない。奴等がそこまで他人に感情移入する理由が。
だからこそ知りたい。俺の知らない物を消すためにも。
「ん?」
考えを巡らせる中、飛行する俺の前にヒラヒラと紙が落ちて来た。
ここから上には誰もいない。おかしい、今まで誰もいないのに何かが落ちてくる何て無かった。
「何だこれは?」
4つ程に畳まれていた紙を開いた。そこには何かしらの文字が書いてある。確かこう言う紙の事を"手紙"と言った気がする。
これは俺の物なのだろうか?奴隷共か親父の手下の連中の物なのか。だとしてもソイツの所に届ける気は無いが。
「何が書いてあるのだ?」
どうせ拾い物だ。暇潰し程度にはなるだろう。俺にも字を読む事位は出来る。書くのは少し苦手だが。
何とは無しに、俺は手紙の内容を口にした。
『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。
その才能を試す事を望むならば、
己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、
我らの"箱庭"に来られたし・・・』
瞬間、ブロリーを光が包んだ。
◇
「滅びを求める者よ。滅びへと向かう者よ」
「力を求める者よ。知識を求める者よ」
「死への運命から抗おうと言うのならば」
「その力を用い、ゼロから全てを得て」
「その運命を変えて見せよ」
「フフ、どの様な成長を遂げてこの世界に帰ってくるか、楽しみですね」
血祭郷と同時進行です。進行ペースは血祭郷と同じ位なので温かい目で見守ってください!