「さあ着いたぜ、ネオナチュラルだ」
宙斗達はネオナチュラルに到着すると美波達の縄を解いた
「耐えた、ウチは耐えたのよ・・・」
「こっ恐かったのじゃ・・・」
「生きてるって素晴らしいですね・・・」
震えている秀吉達を見て宙斗達は少し休憩することにした
「それにしても・・・さすが植物の楽園だね自然の匂いが凄いし獣の匂いがしない、猛獣が一匹も居ないって言うのは強ち嘘じゃないかもね」
「でもフォレストドラゴンって言う猛獣が居るんでしょ?」
「だよね・・・宏樹『反響マップ』で浩将の場所分かる?」
「今やってる」
「反響マップって何?」
「宏樹の技の一つで超音波なんかを使って数十キロ先までの地形を把握することが出来るんだ」
「居たぞ、てかすぐそこまで来てるぞ」
宏樹に言われ森の中に目を向けると小さい龍を抱えた浩将が出てきた
「あっみんな来てたんだ?よかったよ、丁度宙斗に手伝って欲しい事があってさ」
「手伝うって何を・・・お前そいつ如何したんだ」
宙斗は浩将が抱きかかえている龍に目をやる
「キュ~」
『可愛い~』
「フォレストドラゴンの子供だよ」
「子供って、大丈夫なのか?親が探してるんじゃないのか?」
「いや、親は居たんだけど・・・」
『?』
「取りあえず着いて来て」
浩将に着いて行き森を歩いていると目の前に二十メートルは超えるであろう緑色の大樹が姿を現した、その周りにはフォレストドラゴンの子供が五匹いた
「この大樹がフォレストドラゴンだよ」
「いや、何を言って・・・!」
宙斗は大樹を見て気付いた、大樹の根元を見ると太い幹が四つもあり、木の皮も鱗の様な形をしていた、まるで四速で歩く龍が佇んでいるかのようにも見える
「成る程な、フォレストドラゴンは子供の事を指すんだろう、その子供が生長して大樹になるって訳か」
「ここには猛獣が一匹も居ないから、初めてネオナチュラルに足を踏み入れた人がこの子を見つけて、大人になると猛獣になるって勘違いしたんだろうね」
「だけど捕獲レベルが70を超える理由が分からないな、子供がこれだとレベルは1以下だろうし
「理由って、捕獲レベルはアンタ達が考えたんでしょう?」
「私達はただ、レベルの基準値を決めただけでレベルを考えたのはこの世界の人達なの」
「でもなんでこれがフォレストドラゴンだって分かったんだ?」
「この子を見つけた時に、ここまで案内してくれたんだ、それでこの大樹を見て」
「それで、僕に何を手伝って欲しいの?」
「ナイフを使ってこの木の鱗を削ぎ落としてくれないかな?僕の聞いた話が本当なら、フォレストドラゴンの鱗が食べられる部分なんだ」
「お安い御用だ、ナイフ!」
大樹に向かってナイフを使うと掌と同じ大きさの鱗が雨のように剥がれ落ちてきた
「よし、これを持って家に帰るか」
『え!?』
「如何したの?」
『またアレに乗るの(んですか)(か)?・・・』
「アレ?」
「クインの事だと思う」
首を傾げている浩将に説明をする広奈であった
「だったらキッスに乗って帰る?帰りも頼んでたし三人までなら乗せられるから僕がクインの方に乗るよ」
「浩将が天使に見えるのじゃ・・・」
「「うん・・・」」
『(そこまで恐かったのか(な)?)』
フォレストドラゴンの鱗を袋に入れ宙斗達は帰宅した
『ただいま~』
「お帰りなさい、わぁ今日も大量ですね」
ドアを開けリビングに入ると美紘がいた
「美紘、今すぐ調理して欲しい食材があるんだけど良いかな?」
「はい、良いですよ」
そう言うと美紘はエプロンをつけキッチンに立った
「お前達も夕飯食べてけよ」
「良いんですか?」
「いいよ、料理はみんなで食べた方が美味しいし」
「なら姉上も呼んで良いかの?今日は父上も母上も仕事で居らんのじゃ」
「良いよ、呼んできなよ」
秀吉は優子を呼びに自宅に戻った、瑞希と美波は家に連絡を入れている
「どうだ美紘、出来上が・・・って何だこの木の皮は?」
宙斗がキッチンに入ると床に木の皮が落ちていた
「フォレストドラゴンの鱗、どうやら『特殊調理食材』みたいなんだよ、ちょっとでも切り方を間違えるとただの木の皮になっちゃうんだ」
「レベルが70も超えてるのはそれが原因か、大丈夫なの?」
「はい、コツもようやく掴めました、この鱗よく見たら葉っぱみたいに葉脈があるんですよ、それを繊維に沿って表面だけに切れ目を入れて」
裏面も綺麗に切れ目を入れていった
「この後なんですよね、皮みたいなのがあってそれを取ろうとすると木の皮になっちゃうんですよ」
「流石にトリコでも見た事がない食材だからな・・・」
宙斗達が頭を抱えていると宏樹がキッチンに入ってきた
「茹でたらどうだ?確かお湯に入れると皮が縮んで取り易くなる食材が合ったはずだ」
「やってみます」
宏樹に言われた通りにお湯の入った鍋に入れて数分茹でるが木の皮になってしまった
「違ったか・・・」
「いえ、多分茹でるって言う発想は間違ってないと思います、もしかしたら茹でる温度が重要かもしれません、温度を変えながらやってみますね」
その後も徐々に温度を下げ茹でていくと鱗から自然に皮が捲れていった
「取れました!」
「茹でる温度を30度のぬるま湯に保たないといけないのか、熱に弱い食材みたいだね」
「レベルを変えた方が良いな、これならまだ50位でも十分なレベルだぞ」
「そうだね、明日にでも報告しておくよ」
「出来ましたよ、フォレストドラゴンの鱗と浩将さんが取ってきた山菜などで作った『ネオナチュラルサラダ』です、後サラダに時間を取りすぎちゃったのでフグ鯨のてっちりも用意しました」
『おお~!』
(時間を取りすぎたからって作ったのが鍋って、美紘は本当に凄いよな・・・)
「それでは、この世の食材全てに感謝を込めて」
『いただきます!』
箸を取り、全員はサラダを食べた
『!?』
「何これ美味しい!」
「食感もレタスのようにシャキシャキとしておる」
「それに色んな野菜の味までします!」
「こんなサラダ食べた事がないわ!」
上から優子、秀吉、瑞希、美波の順でサラダの味を堪能していた
「どうだ浩将、これだけ美味いんだお前のフルコースには入るよな」
宙斗が浩将を見ると浩将はコクリと頷いた
「ネオナチュラルサラダ、僕のフルコースメニューのサラダに決定だ!」
この瞬間、浩将のフルコースメニューのサラダにネオナチュラルサラダが追加された