「フン~フン~フフフフンフン~♪」
美紘は機嫌が良いのか鼻歌交じりで朝食を作っていた
「(トリコのガツガツ!だよなこれ・・・)如何したの美紘?」
「何がですか~♪」
「機嫌が良いな、なんか良い事でもあったのか?」
「えへへ~分かります?あっ私そろそろ行きますね、朝ご飯とお弁当ここに置いておきますので」
『いってらっしゃ~い』
美紘は鞄を持ち学校に向かった
「最近早くに出るけど、本当に良い事でもあったのかしら?」
「宏樹、お前の耳で何があったか分からないのか?」
「女子の事にはあんまり使ってないな、下手に探り出して嫌われるのは御免だからな」
『(あ~だから姫路さんの気持ちに気付かないんだ・・・)』
「ん?如何した?」
文月学園
「おはよう」
「おはよう宏樹」
パタン・・・ガラッ
「如何した明久!熱でもあるのか!?」
「僕が早めに登校してたら可笑しいの!?」
「よう小鳥遊、昨日はどうだった?」
「別に普通に映画行ってそのままみんなで家に行ったけど?」
「いいな~今度僕も行っていい?」
「いいぜ、所で坂本はどうだったんだ?」
「目が覚めたら、繋がれた牛が殺されるシーンだった」
「え?」
明久は訳が分からないという顔をしていた、状況を知っているためか宏樹は苦笑いしていた
「隙を見て逃げようとしたら、また気を失わされて、目が覚めたらまた牛が・・・」
「ホントに二回見たいのか?」
「逃げようとするとまた気を失って、永遠に牛が殺されるシーンで目覚め続けるんじゃないかという強迫観念に襲われて、逃げられなくなった・・・」
「永遠に映画の最初は見られないんだな・・・」
「僕が知らない間に映画館で何があったの?」
そんなこんなで時が過ぎ昼休み
「しまった、弁当忘れちまった」
「珍しいね、宏樹がお弁当持って来ないなんて」
「走って取りに行くかな、20分で戻って来られるだろ?」
「ひっ宏樹君!///」
宏樹が教室を出て行こうとすると瑞希に呼び止められた
「あの、よかったこれ・・・食べてください///」
瑞希は手を宏樹に突き出す、その手にはウサギのイラストが書かれたお弁当箱があった
「良いのか?」
「はい、いつも食べてるお弁当よりは美味しくないでしょうけど・・・」
「そんな事ねえよ、一番美味いのは食べる奴の事を考えて作った料理だ、有難く戴くよ」
「なら屋上で食わねえか?こんなに天気が良いんだ、次の試召戦争の打ち合わせもしたいしな」
「この世の食材全てに感謝を込めて、いただきます!」
「前から思ってたんだが、その前置きみたいなのは必要なのか?」
「当たり前だ、俺達は食材の命を貰ってるんだ、ちゃんと感謝を込めないと食材に失礼だ」
「まあ一理あるな、いただき」
パクッ
「坂本!行儀が悪「!?」いぞ?」
雄二は突然顔を青ざめ倒れてしまった
「え?坂本君どうしたんですか!?」
「いや、こんなに美味い物食ったのは・・・初めてでな」
「何だ、よかったです」
「すまない姫路、烏龍茶を買って来てくれないか?」
「はい、良いですよ」
そう言うと瑞希は立ち上がり飲み物を買いに行った
「どう思う?」
「どうって、坂本のこの様子を見たら・・・」
「美味いって嘘だよな?俺には分かるぞ」
「と言う事はこの弁当に原因が・・・」
「特に変わった所は無い、味に以上があるのだと思うが」
「・・・姫路に聞いてみるよ」
暫くすると瑞希は人数分の烏龍茶を袋に入れて持って戻ってきた
「なあ姫路、お前この弁当凄い美味しいって坂本が言ってたが、何か入れたのか?」
「あっはい、隠し味に『塩酸』を少し」
それを聞いた瞬間、宏樹達の顔は青ざめた
(塩酸ってアレよね、化学薬品の・・・)
(姫路は劇薬を食べる偏食家なのかのう・・・)
「えっと、味見とかしてるのか?」
「お料理中に食べると太ってしまうって聞いて、それに・・・」
『それに?』
「宏樹君に最初に食べて欲しかったので・・・」
(既に坂本に食われてるけどな・・・これ食わないと姫路に失礼だよな・・・)
(まさか宏樹、食べる気!)
(いかん!幾らお主でも流石に死ぬぞ!)
「(安心しろ、俺はある程度の毒なら耐えられる・・・それにな)小鳥遊家の家訓、皿に出されたものは死んでも食え!」
そう言うと宏樹は姫路のお弁当の中身を口に掻き込んだ