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明久が美食屋になる事を決意した頃、宙斗達はウール大陸にあるウージャングルを歩いていた
「随分と不気味な場所ね・・・」
「ここウージャングルは『ヘルプラント』と呼ばれて、獰猛な猛獣をも喰らう食獣植物がわんさかと居るからね、並の人間は足を踏み入れたら最後、この森を出る事はまず不可能だね」
その言葉を聞くと美波は宙斗の腕に抱きついた
「うっ、ウチから離れないでよ!///」
(覚悟があって来たんじゃなかったっけ・・・まっ無理も無いか)
「出る事は不可能って言うけど、それを言ったらウチ等だって・・・」
「大丈夫だよ、僕とテリーの嗅覚があればこの森は楽勝だよ、宏樹の聴力があればもっと楽勝だけどね」
「アンタ等は本当に・・・それでフルコースに入れるの?」
「入れるかどうかはまだ分からないな、この世界にはまだまだ美味い食材があるはずだからね」
「アンタね、そんな事言ってると何時まで経っても完成しないわよ」
「アハハ確かに、でも一応決まってる食材はあるんだよ」
「へぇ、なんて食材なの?」
「僕のメインディッシュに加えようと思ってる食材・・・」
IGO
雄二達は宏樹達にこの世界の事を知りたいと言い、今は宏樹達に説明を受けていた
『『GOD』?』
「ああ、宙斗が狙っている食材の一つで、美食神アカシアのメインディッシュだ」
「どんな食材なのじゃ?」
「この世の食材の全ての頂点に立つとも言われる幻の食材よ」
「その実体はまだ不明だけど、あらゆる人間を虜にしてしまう食材とされ、これを手に入れれば世界中を支配し、コントロールすることも可能と言われているんだ」
雄二達は息を呑んでいた
「まあ実際、かつて世界中が百年以上にも亘って残酷な戦争を繰り広げていた当時、アカシアがこれを各国の首脳達に食べさせた事により、その余りの美味しさに首脳達は全員が涙を流して感動すると同時に、それまで自分達が行ってきた戦争の愚かさを本能的に悟り、直ちに戦争をやめたという逸話さえある」
「それでアカシアが世界を救い、後に美食の神と謳われるようになったって事?」
「そう言う事」
二人が話をしているとテリーが大きな木の根元で宙斗達を呼ぶ様に吠えていた
「如何したテリー・・・この上か?」
宙斗は匂いを嗅ぐと木の上の方を見た
「この上にあるの?」
「みたいだね、木登りとか出来る?」
「えっと出来・・・」
そこまで言うと天使の美波と悪魔の美波が現れた
『何言ってんのよ!ここで出来ないって言って宙斗に抱っこしてもらいなさいよ!』
『駄目よ美波!頼ってばかりだと宙斗に嫌われるわよ!』
『ちょっと頼るだけじゃない、別に木に登れないだけで嫌われる訳が無いじゃない』
『そうだけど・・・』
「もしかして登れないの?」
「えっと、その・・・///」
「(女の子だから当然か)なんだったら運んであげようか?」
笑顔でそう言うと美波は顔を赤くした
『ほっほら!本人もここまで言ってるんだし頼りなさいよ///』
『そっそうね、人の厚意は素直に受け取らないと///』
(何で天使と悪魔が同じ意見なのよ!?///)
天使と悪魔が消えると美波は顔を俯かせた
「おっお願い、します・・・///」
「よいしょっと、さあ着いた・・・よ」
「?如何したの宙・・・斗」
二人は目の前にある光景に絶句していた、二人の目の前にはビルの様に大きなトウモロコシが数本あった
「これが、BBコーン・・・」
「想像してたのとは桁違いだ、あっこの下立てるから」
「あっうん///」
美波を下に下ろすと宙斗はBBコーンの前に立った
(原作と同じならこの幹はこの森にある木全体に繋がってるはず、だとしたら僕のナイフじゃ切る事はまず無理)
宙斗は両手をナイフの形にした
「(だけど、この日の為に作り上げた僕オリジナルの必殺技なら幹は駄目でも葉位なら・・・)『ダブルナイフ』!」
宙斗は両手のナイフでBBコーンの葉を削ぎ落とすと削ぎ落とした部分の反対の方向に向かった
「5連釘パンチ!」
釘パンチを放つと数粒のBBコーンが飛び出してきた
「島田さん大丈夫?怪我してない?」
「大丈夫よ、テリーが守ってくれたから」
「ワン!」
「それにしても、実の奥にまだ実があるなんて」
「BBコーンの実は髭の数と同じだって聞いてたけど、本当に凄いな・・・よし、それじゃあ早速こいつを調理しますか」
「えっ、みんなに持って帰らないの?」
「帰るよ、でも美食屋は依頼された食材を持ち帰る前に調理して自分で食べないといけないんだよ、これは親父が依頼した食材だからね」
「でもどうやって調理するの?こんなに大きいと調理し難いわよ?」
BBコーンは一粒でも相当な大きさで、美波が両腕で抱えている
「実をこまめにひっくり返しながら低温で徐々に加熱し、最終的には1200度という超高温で加熱しないといけないからな・・・そんな高温が出せる場所はあそこしかないな」
「あそこ?」
「ここから南西にある『ウール火山』だ、コーンをもって早速・・・!?」
宙斗が見たのは実の部分が無くなったBBコーンの幹だった
「嘘、何これ・・・」
(まさか、あいつが・・・)