教室が破壊された後も戦争は続き、Fクラスは再度瑞希を前線に出していたにも関わらず、Fクラスの生徒数人が補習室に送られていた
「如何したんだ姫路、調子でも悪いのか?」
「いえ、調子が悪いわけでは・・・」
瑞希は前線から一時撤退し教室で待機していた、本人が言うように調子が悪くはなさそうだが先程から様子が可笑しかった
「如何するの雄二、折角Bクラスの生徒達を教室に押し込めたのに、姫路さんがあんな調子じゃ、それにBクラスの代表はあの根本だって言うじゃないか」
「ああ、なんか良い手は「あるぞ・・・」宏樹!?」
雄二の声でFクラスの生徒達は扉の方を見ると息を上げた宏樹が立っていた
「!」
「大丈夫なの宏樹、風邪まだ治ってないんでしょう?」
「美紘に風邪が治る料理を作ってもらってたんだ、おかげで完全回復だ」
「手があるって言ったな?病み上がりで悪いかもしれないがその作戦を行ってくれるか?」
「ああ、任せとけ・・・そうだ雄二、頼みたい事があるんだが」
「何だ?」
明久は美紘に電話をしていた、丁度美紘の学校は昼休み中だったようだ
『宏樹さん学校に行ったんですか!?』
「うん、美紘に風邪治しの料理を作ってもらったって」
『え?私そんなの作ってないですよ?』
「えっ?」
宏樹は秀吉と一緒にDクラスに来ていた
「本当にやるのか?」
「ああ、正面突破だと根本に行くまで時間がかかる、この方法が最善なんだ」
「平賀はそれで良いのか?」
秀吉はDクラスの生徒である平賀源二に問い掛ける
「ああ、それに小鳥遊には借りがあるからな、その節は助かったよ」
「でも良いのか?ただ不良に絡まれた所を助けただけだぜ?」
「ああ、お陰で三上さんも無事だったんだ感謝しきれないよ」
「そうか・・・なら!」
宏樹はDクラスの壁に向き直った、その壁の向こうにはBクラスがある
「耳塞いどけよ!」
宏樹が大きく息を吸い込むと明久がDクラスに入ってきた
「待って宏樹!」
「ボイスミサイル!」
宏樹は声の衝撃波を壁にぶつけるが壁は少し罅が入った程度だった
「ぐっ!」
宏樹は首を押さえ始めた
「宏樹!」
「お主まさか、風邪がまだ治っておらぬのか!?」
「大丈夫だ、ちょっと喉がチクッとしただけだ・・・(ボイスミサイルでも壊れないのか、どんだけ固いんだよこの壁は)」
文月学園の旧校舎を除く壁は召喚獣での戦闘の衝撃を防ぐ為に壁などに特殊な加工がされているのだ
「もう止めるんだ!これ以上やったら宏樹が・・・」
「そう言う訳には行かないんだよ・・・」
「如何してそこまでするのじゃ、仮に負けたとしても三ヶ月経てばまた戦争を行えるのじゃぞ」
「だからそう言う訳には行かないんだ、姫路の為にも・・・」
「えっ?」
「負ける訳には行かないんだよ!」
宏樹はさっきよりも大きく息を吸い込んだ
「(ボイスミサイルで無理なら、もうこれしかない!)ボイス・・・バースト!!!」
ボイスミサイルよりも巨大な衝撃波をぶつけると壁は崩れ去り、宏樹の目の前にBクラス代表の根本恭二が姿を現した
「根本・・・(ヤバイ、声が・・・)」
すると根本の前に二人の男子生徒が現れた
「俺が無防備で居ると思ったのか?お前等の奇襲は失敗だ!」
根本はそれを嘲笑う様に宏樹を見るが、明久が宏樹の前に立った
(明久?)
「ムッツリィニィーーッ!」
明久の声と共に康太と鉄人がBクラスの教室のガラスを突き破り現れた
「保健体育勝負、試獣召喚」
土屋康太
保健体育 441点
根本恭二
保健体育 203点
「何だと!」
康太の召喚獣が根本の召喚獣を攻撃した
根本恭二
保健体育 0点
「戦争終結!勝者、Fクラス!」
鉄人が手を挙げるとFクラス生徒内から歓声が上がった
「さあて、それじゃ嬉し恥ずかしの戦後対談といくか、負け組代表?」
暫くするとBクラスに雄二がやってきた
「本来なら設備を明け渡してもらいお前らに素敵な卓袱台をプレゼントする所だが、特別にある条件を呑んでくれたら、免除してやろう」
雄二がそう言うとBクラスの生徒達がざわついた
「・・・条件はなんだ」
「簡単な事だ、Aクラスに試召戦争の準備ができていると宣言して来い、ただし宣戦布告ではなく戦争の意志と準備があるだけ伝えるんだ」
「それだけでいいのか?」
「ああ、その代わり」
雄二は文月学園の女子の制服を取り出した
「Bクラス代表さんにこれを着てもらうがな」
「馬鹿を言うな!この俺がそんなふざけた事を・・・」
「おやおや、拒否権があるのか?確か俺達の教室を・・・」
『Bクラス全員で必ず実行しよう!』
「任せて必ずやらせるから!」
「それだけで教室を守れるんだ、安いもんだ!」
「なっ!お前等何を!?」
Bクラスの生徒達が根本を囲むと根本が履いていたであろうズボンが出てきた
「これで良かったのか?」
宏樹は頷くと根元のズボンに手を伸ばした
Aクラス
「何だったんだ、さっきの衝撃は?」
「誰かが叫んでたみたいだけど」
宏樹の声がAクラスまで届いていたらしく、教室内ではその話をしている生徒が居た
「宏樹だよね、さっきの」
「アイツ、安静にしてろって言ったのに・・・(まあ漫画を見せた僕が悪いのかね、この場合・・・)」
宏樹は瑞希を屋上に呼び出しある物を渡した
『お前のだろ?』
「如何してこれを宏樹君が!それに宏樹君、声が・・・」
宏樹の声は未だに枯れているため、持っていたメモ帳に言葉を書いていた
『平気だ、2、3日すれば治る』
「・・・ごめんなさい」
瑞希はそう呟くと顔を俯かせた
「私はいつも宏樹君に助けてもらってばかりです・・・」
『気にすんな、俺が勝手にやってるんだ』
「そう言って、いつも私を助けてくれます、私・・・そんな宏樹君の事が大好きです」
『俺も好きだぜ』
「え?」
宏樹は瑞希の告白を二つ返事で返した、瑞希はメモに書かれた言葉を見るとキョトンとしていた
「あの宏樹君、今なんて・・・」
「?」
『さっきの告白だろ?』
「えっあの、え?」
『答えはイエスだ、これからよろしくな瑞希』
「はい!」
その日、屋上の二つの影が一つに重なった